どの華よりも美しく、
  どの華よりも甘い、
  永遠に咲き続ける、俺だけの華。



  ENDLESS STORY
        第十五章



 シーツに包まり、二人は唇を重ね合う。
 の体を抱え込んで、カカシは逸る気持ちを口付けに込めた。
 長く、そして深く・・・。
 そうでもしないと、今すぐにでも、の体を貫いてしまいそうだから。

 唇が離れると、は大きく息を吸い込み、閉じていた瞼を開いた。
 目の前には愛しそうに見つめる異なる色の二つの瞳。

 「カカシ・・・。」
 「ん、な〜に?」

 カカシはの顔を眺めながら髪を撫でた。

 「なんかね、呼びたくなっただけ。」
 「じゃ、もっと俺を呼んで。」


 写輪眼のカカシではなく、
 コピー忍者のカカシでもなく、
 只、カカシと・・・。


 添え物ではない名を呼ぶ声は心に響く。

 飾る物の無い名前を呼んでくれるの首筋に、カカシは顔を埋めた。

 「・・カ・・カシ・・・。」

 









 何かが、違う。
 今までと・・・。


 はその何かを掴みかけていた。

 「一緒にいこうね、。」


 ――まるごと全部、俺にちょうだいって言ったでしょ。


 カカシの優しく響く声が降って来る。
 その言葉を合図にカカシの動きはより早く、激しさを増す。

 すると自分の鼓動が聞こえた。
 ドクン、ドクン、ドクン・・・
 その鼓動は早く、一つ打つ毎に何処かに攫われる。
 全身が硬直して、駆け上がる。
 心臓の音に合わせて、全身が震えると、ふわっと抜けた。
 大きく息を吸い込み、その浮遊感に身を任せる。

 そしてカカシを同じ場所へと導いた。



 ふわり、ふわり、トクン、トクン。
 心臓の音が一つする度、高みに昇った魂が降りてくる。
 ふわふわと漂いながら、自分の体に戻って行く。
 心臓の音も耳に届かなくなり、荒れた息が整った頃、は目を開けた。
 
 「おかえり・・・。」

 視線を上にずらすと自分の隣に横たわり、頬杖をつくカカシの姿。
 の頬に手を当て、親指で軽くなぞる。

 「・・・ん・・・うん・・カカシ・・」
 「綺麗だったよ、。」
 
 甘く絡む身体、恍惚の表情を思い出すと、今吐き出したばかりだというのに、
 カカシの血液は凝縮していく。


 押さえが効かないねぇ・・・どうも。
 ま、あんな姿見ちゃったら無理もないケド。

 ――、聞かせて。

 
 いつも自分が求めると、それに答えてくれる
 でも今日は与えるばかりでは、なかった筈・・・。

 「どうだった?」
 「・・・ん?」
 「初飛行」
 「え・・・あ・・・えっと・・・」
 「の口から聞きたいんだよね。
  いつも俺ばっかり気持ち良くなっちゃってるでしょ。
  ね、教えて。」

 はくるりと向きを変え、カカシに背を向ける。

 「・・・きもちよかった・・・

 小さな声でポツリと言った。

 「真っ赤だよ。」

 カカシはの髪をかき上げ、耳に言葉を落とす。

 「カカシが変な事言わせるからでしょう・・・。」
 「変な事じゃないよ、大事な事。
  のいった時の顔、可愛かったよ。」

 一体どんな顔をしていたのかと思うと、更に全身に火が走る。


 いく・・・?
 あれが『いく』という感覚なんだ・・・。

 身体の中から魂が引き摺り出されて、
 ぽんっと重力のない空間に放り出される。
 ふわふわと漂い、そして元の場所に降りて行く。

 だからカカシは、おかえりって・・・。

 
 その時、ふと、さっき自分の言った言葉を思い出した。
 寂しかったからと、つい言ってしまった言葉。
 カカシは嬉しそうに受け止めてくれたけど。

 『会えなくて辛かった』
 『会えなくて寂しかった』

 本音を語る言葉達。
 言われて嬉しい反面、チクリと胸を刺す言葉。
 もうこの言葉を本気で口にする事はしない。
 だってお互いが帰る場所。
 これから二人で築き上げて行く未来がある。


 「今度、また見せてね。」
 
 カカシはの手を優しく握りながら囁いた。

 「・・・何度・・・で・・も・・
 「ん?」
 「何回でも見せてあげる。」
 「嬉しい事言ってくれるね。煽られちゃうよ。」
 「そういうつもりじゃないんだけど・・・。」
 「の事は何度食べても、食べ尽くせないからね。」

 天を仰ぐ様に向きを変えられると、カカシからキスの雨が降って来た。


 何処に行っても、私は必ずカカシの元へ帰る。
 ――永遠に。
 

  

BGM でも・・・

まことにすいません;;
なんでしょうかね;;このお話は;;
ごめんなさい;;