「アッ…」
　市丸の舌が後孔に触れた。舌先でつつき、時折ちゅっと吸い付きながら湿った感触が中まで侵入してくる。
「…う、んっ…、あっ…」
　は敷布を握りしめて身悶えた。
　市丸は指で後孔を押し広げながら、中に唾液を送り込んでくる。熱い吐息が後ろにかかり、それすらもの感覚を刺激した。
「も…、や、だっ…、ギンッ…」
　首を捻って後ろの市丸に訴えると、ニヤリと笑った市丸が指を舐めるのが見えた。
「ひっ…！」
　の後ろに市丸の指が入り込む。ぬるりと回しながら限界まで押し入れられ、異物感に涙が滲んだ。
　市丸の指が何かを探すように蠢き、軽く曲げられた指先が、ある一点に触れた時、の腰がビクッと跳ね上がった。
「ここ…、やね」
「ヤァ……ッ」
　感じる場所を指の腹でクイッと押され、は背中を反らせて嬌声をあげた。その場所をわざと外して中の指を回されたり、軽く掠めるように抜き差しされ、敷布にの先走りの液がぱたぱたと落ちた。
　にはもう、自分の身体に何が起こっているのかもわからない。
　ただ敷布を強く握り、身悶える事しかできなかった。
「ンッ、…く、う…っ、ヤッ…アッ」
　後ろでは、いつの間にか三本に増やされた指がの後孔を犯している。
「、そろそろ良えか？」
　市丸の問いかけに、何かを聞かれた事だけは理解できたは、意味もわからないまま何度も頷いた。
　市丸は後ろから指を引き抜き、の身体を仰向けにさせると脚を開かせてその間に自身の腰を押し進めた。市丸の指に刺激され敏感になったそこに、熱いものが擦り付けられる。
「ひ、アアァッ…！」
　硬い先端を突き刺され、の身体に衝撃が走る。
　仰け反った身体を市丸の腕に抱きしめられ、もまた自分を犯す男の身体にしがみ付いていた。
「ア………アッ…」
　ゆっくりと腰を揺らされ、は快感の波に飲まれていった。










「し…、信じられない………」
「ん？」
「あ、あんなコトするなんてっ…、しかもあんなに………」
　は布団の上でグッタリと横たわっていた。その横では片手で頬杖をついた市丸が、ご機嫌で寝そべっている。
　身体は汗と、どちらの物ともわからない精液に塗れていたが、もう恥ずかしいという気持ちもわかない。それほど精も魂も尽き果てていた。
「あんなコトって、どんなコト？」
　しかも、自分をそんな状態にした張本人は、能天気な顔で能天気な事を聞いてくる。
「この絶倫鬼畜ギツネ！」
「キツネて…」
　絶倫と鬼畜は別に良いらしい。
「大体、何だよっ！俺のこと仔猫、仔猫って言ってたくせにっ。あんたは仔猫にこんなコトすんのかっ変態！」
　が一気に言い切ると、市丸の口角がニヤーリと上がった。
　その怖ろしい笑顔に、言い過ぎたかと背筋が凍る。
「…、知らんの？」
　市丸は、の恐怖を煽るようにわざとゆっくりと言葉を紡いだ。

「キツネって、仔猫食べるんやで」

◇ＥＮＤ◇


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2009/3/27　レンブラント