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  体が、息が、体を巡る血液もが熱い。
 高い体温が肌に現れ白い肌をピンク色に染め上げる。
 顔はかなり高揚し紅い。
 サイクの唇の愛撫を敏感に受けウルは小さくなった体で震えながら受ける。
 この体では刺激が強い。
 強くて快感かどうかも解らない。自然と涙が溢れていく。
 声も微かにしか出ない。
  サイクはそんなウルにキスの嵐を降らせていく。
 「ス、スコット・・」
 ついウルはサイクを呼び止めた。 
 呼び止められサイクはウルを見もせずに聞く
 「どうした?この行為を止めて欲しいのか?」
 いやそうでは無い。
 「違う・・」
 「では、なんで呼んだんだ?」
 「解らない。何故呼び止めたのか、自分にさえも解らない。
 言えるのは漠然とした不安が呼び止めたのだ。
  
  怖い。
 そう、俺は怖いのだ。この時間が・・この肉体が
 この体でお前に愛されたら、壊れてしまうのでは無いかと思う。
 もう現実の俺を愛してくれなくなるんじゃないかって?」
  サイクは顔をウルに向けるとゆっくりと上半身を起こす。
 唇が売るの肌から離れていく。
 「離れないでくれサイク。不安で不安で・・」
 サイクは抱きついてくるウルを優しく受け止めた。
 「おかしいなウルヴァリン。いつもの君はこんなに弱くは無いはずだ」
 いつもならば・・・。
 「君はどんな姿になろうとも弱くなっても君は仲間だ。
 X-MANの一員のウルヴァリンだ」
 「なんかリーダーぽい意見を言うじゃないか、サイク」
 「悪態をつけるなら、大丈夫だな」
 二人は顔を見合わせるとふふふと笑う。
 「キスも愛撫も優しくしてあげるよローガン。君の体が壊れない程度に」
 「サイク」
 「ただし、今夜はここまでだ」
 「え?」
 「これから先の続きは君が元の姿に戻ってからにしよう。
 君の体も心もまだ不安定のままで危うい。
 これ以上の刺激と肉体の酷使で何かあっては困る。
 元の君に戻れなくなったら・・なんていうのはごめんだよ」
  ウルはサイクにぎゅっと抱きついた。
 「解った。よーし約束だからな。俺が元に戻れたら絶対にだぞ。忘れるなよ!」
 「忘れやしないさ。忘れるもんか」」
 サイクはウルの髪を優しく撫でるとおでこにキスをし、ベットに寝かす。
 そして自分も隣に横たわり自分とウルにタオルケットをかけた。
 「腕枕ぐらいはしてくれてもいいよな」
 唇をとがらしウルは催促する。
 「それぐらいはいいだろう」
 「偉っそうに」
 「仕方ないだろ、リーダーだからな」
 そして二人はまたふふふと笑う。
  
  サイクの腕を枕にし安心したようにウルは眠りにつく。
 ウルの重さと体温と寝息を感じながら、
 サイクもいつの間に寝てしまった。
 



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