週末。画学生は僕の持ち主を部屋に招きました。

よく似合う服が画学生の体形をカバーします。
部屋にはレコードのボサ・ノバが流れ、会話が弾みました。
おいしい料理と口当たりのいい酒に、笑顔が絶えません。

音楽が止まり、日が暮れました。
僕を作った人が、小道にいたときより顔を赤らめます。

「栞だけ返そうとしたのは君だけだ。これからも会ってほしい」

ふたりは肩を寄せ合い、僕のいるページをそっと閉じました。

                                        おしまいv

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