題「人ならざる者」6 | |
4人で湯に浸かり疲れを取る一護。 「はふぅ〜」 「おい、分かってんのか一護」 と厳しい声で白が言う。 「んん?」 「んん?じゃねえよ!今日の事だよ!お前が危うく『あっち』に連れてかれるところだったろうが!」 「ああ・・・、ん、でもお前ら居たから大丈夫かなって」 「一護様、我々とて力に限界があります。貴方が一番強いのですよ?」 「うん、ごめん」 「とっとと里にやっちまえよ、人間なんざ」 「グリ・・・でも久し振りなんだ・・・」 と3人に責められ沈んだ顔で呟いた。 「一護・・・」 「それに、あいつらはもうすぐ自分達の道に戻るよ・・・」 それが摂理だから・・・。 彼らは生きているから。 ここには留まれない。 同じ道は辿れない・・・。 彼らが約束を忘れずに、実行すれば・・・或いは・・・。 「だからさ、もちっとの間だけ目ぇつぶっててくれよ」 と儚げな笑みでこちらを見る一護。 「・・・しょーがねえな」 白が呆れたように言った。 「・・・ありがとう」 「ふん!」 湯からあがると自室に戻る一護。 「お前らは、この『約束』を守ってくれるかなぁ・・・」 呟いて目を閉じた。 過去誰一人として果たしてはくれなかった約束。 簡単なようでいて彼らには難しいのかも知れない。 日々の時間に追い立てられるように生きているのか? ここから出られない一護には分からない、だから待つしか出来ないのだ・・・。 翌朝、目が覚めればまだ二人は居てホッと安心してしまう一護。 どうしてだろう?ここには斬月も白もグリもウルも居るのに・・・。 剣八に焦がれている自分に気付く。 「へーんなの」 「何がだよ」 「うわぁ!そこに居たのか、剣八」 「ああ、なあ、昨日・・・」 「うん?気にすんなよ、何にもなかったんだしさ!それよりもっと外の話を聞かせてくれよ」 この日一護は剣八を離さなかった。 風呂に入るのも一緒で剣八の方が困っていた。 (クソ!なんの拷問だよ!) 心の中で一人ごちている。 否が応でも目に入るのは一護の裸体。引き締まった肢体に円みを帯びた尻に目を奪われる。細い腰は乱暴に掴めば折れてしまいそうだ。 「ん?なんだ?」 「な、何でもねぇよ・・・!」 無邪気な一護に自分の中の欲望に気付いてしまった剣八。 「もう上がるか?のぼせちまうな」 ザバッ!と湯から出ると脱衣所で侍女たちが一護の身体を拭いていく。 剣八は自分でやると言いさっさと拭いて着替えている。 「お前ちゃんと髪乾かせよ」 「うるせぇ・・・」 風呂の後は夕飯を食べ、夜も更けると各々自分の部屋に帰り眠った。 (眠れねえ・・・) 蒲団の中で寝がえりを打つ剣八。目を閉じても一護の事でいっぱいで眠れやしない。 「くそ・・・!」 蒲団から出ると一護の部屋へ向かった。 シン・・・と静まり返った屋敷は昼間の様子が嘘の様だ。生き物の気配が微塵もしない。 カタ・・・、と小さな音を立て一護の部屋の障子を開ける剣八。 中に入ると寝ている一護が月明かりで薄っすらと浮かんで見えた。 蒲団に近寄り、覗きこむと、 「何か用か・・・?」 と一護の唇が動いた。 「ッ!!」 「どうした、寝れないのか?」 むくりと起き上がる一護が問いかける。 「今灯りを点けるから・・・」 と行燈に火を入れた。 ボゥ、と浮かび上がる一護の後ろ姿の腰から目が離せない。 「で、どうした?剣八・・・」 振りむくと同時に蒲団に押し倒された一護。 「あ・・・!なに・・・」 突然の事に驚く一護に剣八が、 「あいつらともヤってんだろ?俺でも良いだろ」 と言えば、 「あいつらとは何にも無いよ」 と答える一護。 「あいつらや、此処に居る者は、俺が名前を付けて式神として使ってるから絶対服従なんだよ」 そう言うと目を伏せ寂しそうに、 「でも、お前は違うだろう?」 と言った。 「俺はお前が好きだよ、剣八。したい事があるならしても良いよ」 と剣八の首に腕を絡ませた。 「一護・・・!」 やんわりと蒲団に一護を押し倒すと口付けをした。 「ん、ふぅ・・・」 「・・・・・・おい」 唇を離し、歯を食いしばっている一護に声を掛ける。 「あ・・・、なに?」 「口、開けろ」 「こ、こうか?」 「ああ、そのままな・・・」 薄く開かれた一護の口に再度口付けると素早く舌を滑り込ませた。 「ん!んん、ひぁ・・・、う、ん・・・」 歯列をなぞり、上顎を舐め、初めての事に逃げる一護の舌を絡め取った。 「んん、ふっ・・・、ん、ん」 ちゅうっ!と舌を吸い上げ、角度を変えては深く口付けた。 一護が解放された時は酸欠で意識が朦朧としていた。 「あ、は!はぁ、はぁ、剣八・・・」 赤く充血した一護の唇を舐め首筋に顔を埋めた。 「あ!や!ぁん!」 熱い舌で首筋を辿り、脈動する血管の上に跡を付けた。 「一護・・・」 一護の寝巻きの帯を解き、肌を露わにする。月明かりと行燈の仄かな灯りで浮かび上がる一護の裸体にむしゃぶりつきたい衝動に駆られた。 「一護、一護・・・!」 必死の思いで衝動を押さえこみ、一護の肌に手を這わせる。熱を持ちカサついた剣八の手が動くと、 「あ・・・」 と知らぬ間に声が出た。一護の肌はまるで絹の様に滑らかで手に吸い付くかのようだった。 「一護・・・、堪んねえ・・・」 ゆっくりと手を動かしながら胸の小粒を指で押しつぶした瞬間、 「あ!やぁ!」 背を撓らせ、身を捩る一護。 「善い、のか?一護・・・」 「し、知らない・・・!こんなの、俺、知らない・・・!」 「一護・・・!」 それを聞いた剣八は一護の鎖骨から胸まだ口付けを落とし、赤い華を咲かせていった。 「ひぁっ!んん!」 胸の小粒を口に含むと舌で転がしては吸い上げ、軽く歯を立てた。 「ひゃぅ!あ、も、変・・・!」 自分の体を愛撫する剣八を退かそうと胸にある頭を押しても、力の入らない手では縋っている様だ。 「まだだ、まだ終わんねえぞ・・・」 そう言って緩く勃ちあがり震えている一護の中心を何の躊躇いもなく口に含んでしまった剣八。 「ひぁあ!な!なんて!所!ん!ん!やだ!やだ!ダメ!あ!ヤッ!離して!お願い・・・!」 「んだよ。俺のしたい事は何でもして良いんじゃねえのかよ?」 「だ・・って!・・・漏れる・・・!」 震えながらもそう答える一護に内心驚きつつも剣八は聞いてみた。 「・・・漏れるッてなぁ何が・・だ?」 「ん!わ、分かってる、クセに・・・!早く、厠に・・・!」 自分の髪を掴んでいる一護の手が、身体が震えている。 「まさか・・・お前・・・」 「なに?」 「弄ったコトねえのか?ここ」 「あ!ないよ!あるわけない!」 知らないのだ、一護は。 ここを弄るとどうなるか・・・。 剣八は意地の悪い笑みを浮かべると先程の行為を再開した。 「んあ!だから、だめ、だってばぁ・・・!あ!あ!やだ!出る!もう!もう!ッあ・・・!」 剣八の口の中で果てる一護。敷布を握り締め、背を撓らせ、白い首を見せつけるかのように反らせる一護をジッと見る剣八。 「〜〜っは!はっ!はっ!・・・あ」 次の瞬間、耳元で、 ごくり と言う音が聞こえ目を開けると、口の端から白い液体を垂らして笑う剣八が居た。 「っば!馬鹿!何飲んで!」 「あ?美味かったぜ?お前の初もん」 ぺろりと口の端を舐める剣八。 一護の顔が真っ赤に染まった。 「後ろ向けよ」 「?」 「俺はお前と繋がりてえんだ。女じゃねえんだから使うとこは一つだろ」 「え?あ・・・!」 ころん、とひっくり返されると腰を持ち上げられ、淡く色づく蕾に舌を這わせた。 「やだ!なんで!そんな!ああ・・・!」 今まで誰にも触れられたことの無い所に感じる熱く湿った感触。 ぴちゃぴちゃと湿った音を響かせ皺の一本一本を数えるかのように舐める。ヒクヒクとヒク付いて来た頃、舌を捻じ込んだ。 「いやぁ・・・!だめ、そんな、したら!変になる・・・!」 ぷつっ、と指を一本差し入れた。 「ひぃ!苦し・・・っ」 「痛くねえか・・・?」 「ない・・・」 「そうか」 指が乾かないように唾液を送りながら二本、三本と指を増やしていった。 「う、くう、っは!はっ!あ、ひあ!あ・・・」 急に甲高い声を上げ指を締め付ける一護。 「ん?なんだ、ここか?」 偶然触れた所を押さえてみる。コリコリとしたしこりがあった。 「んああっ!ヤ!ダメ!また出る!そこダメェ!」 首を打ち振り懇願する一護の中から指を抜き取ると、痛いほどに滾っている自身を取り出し充分解したそこへ押し当てる。 「あ、熱い・・・」 「入れるぞ、一護・・・」 「ん・・・、いい、よ」 「一護・・・!」 一気に貫きたい衝動を抑え、一護を傷つけない様ゆっくりと押し入った。 「ん、く・・・!あ!痛・・・!」 「くぅ!キツ・・・!一護、息吐け、体の力抜けよ・・・」 「〜〜、っはぁ、は、は、ああっ!」 「っ!太いとこ入ったから、後は楽、だぞ・・・」 「あ、あ、あ・・・」 全てを納めた後も剣八は動かず、しっとりと汗を掻いた背を啄ばみながら一護の息が整うまで待った。 「一護、一護・・・」 「はあ、はあ、う、うごいて、いいよ・・・剣八」 「一護・・・」 ゆるゆると動いた。ギリギリまで抜いて奥まで納めるのを繰り返した。 「あ、熱い、剣八熱い・・・、溶けちゃうよぅ・・」 「クッ!この・・・!」 一護の締め付けとセリフに持って行かれた剣八。 「んああ!お、奥が、ああ、熱い・・・!」 「くそ!足りねえよ、一護・・・!」 「きて・・・、剣八、もっときて・・・」 向かい合わせに抱き合うと一護の顔に口付けを降らせると律動を始める剣八。 「ん!ん!あっ!やっ!そこやぁ!ああん!」 ぎりり、と剣八の背に爪を立て快感に耐える一護。 「ここか・・・!」 狙い澄ましたかのようにそこを攻め立てる剣八。 「やッ!やあぁっ!んああっ!だめ!だめ!あっあっ!あーーっ!」 「く!」 どくどくと最奥に注がれる熱の塊。一護の身体を抱きしめるとお互い汗を掻き、ピッタリと密着した。一護は剣八の腕の中で、 「熱い・・・、溶けちゃ、う・・・」 と呟いたきり意識を手放した一護。 「おい?」 揺さぶっても起きない一護。 「しょうがねえな・・・」 とボヤキながらも身体の処理をしてやる剣八だった。 翌朝、起きた一護は剣八に、 「痛かったぞ」 「そらそうだ。お前初めてだろうが」 「当たり前だろ」 「ふん、俺は具合良かったぜ、一護」 と口付ける。 「ん・・・」 だが一護には分かっていた。剣八が此処に留まらないと言う事を。そしてそれを止める事が出来ない事も・・・。 「早く部屋に戻れよ、やちるが起きちまうぞ?」 「っち!早々にかよ。朝寝くらい罰は当たんねえだろ?」 「だめ。やちるが泣くぞ」 「ぐ・・・」 「俺は沐浴するから、さぁ帰った帰った」 「わあったよ!」 部屋に戻る剣八を見送り、痛む腰を摩りながら湯殿に行くと一人で沐浴を終わらせた。 「一護」 部屋に戻る途中で斬月に呼び止められた。 「なんだ?」 振り返る一護の首筋を見て溜息を吐くと、 「跡が見えているぞ・・・」 と袷をきちっと閉じてやる。 「あ・・・!」 「あの男と寝たか・・・・」 「ああ・・・」 「3人を宥めるのが一苦労だな・・・」 と溜息混じりに言われたが一護を見るその目に責める色はどこにも無かった。 剣八と一護が想いを遂げ数日が経った。 白やウル、グリの嫉妬は凄まじい物があったが一護の幸せそうな顔に何も言えないでいた。 だが剣八は決意を固めていた。 「一護、話があるんだけどよ」 と情事の後の気だるい余韻の中、剣八が重い口を開いた。一護は、ああ、とうとう来たんだなと思った。 「俺達は明日此処を出ていく。俺の行く所は此処じゃねえ。もっと先にもっと強いヤツが居るに違いねえ」 それを聞くと、 「行くと良い。お前は生きているから、進まないといけないんだよ。俺には止められない」 そう答えた。 「一護・・・」 「明日出て行くなら・・・、もっとお前を感じさせてくれよ・・・」 「一護・・・。あぁ」 翌朝、寂しそうな笑顔の一護が剣八とやちるの手の平に何かを乗せた。小さな巾着に入った黒い物。 「なんだ?・・・種?」 手の平で転がしていると一護が口を開いた。 「一つだけ約束してくれるか?」 「あ?」 「もしお前らが俺の事を忘れないでいてくれて、終の住処を見つけたら・・・、その椿の種を庭に植えて欲しいんだ・・・」 「椿の種なのか、これ。・・・それだけで良いのか?」 「ああ・・・。俺が望むのはそれだけだ。お前達の幸せをいつも祈ってるよ」 「そんな顔すんな。また来る!絶対だ!」 「・・・ありがとう」 そうして剣八とやちるは屋敷を出て行った。 一護と一つの約束をして・・・。 第7話へ続く 11/04/28作 前作とだいぶ間が空いてしまいましたね。このお話も終盤までは出来あがってるんですけど、そこまでを繋ぐ話が難しくて・・・。 04/29大幅にエロを加筆しましたv 04/30更に加筆しました。 |
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