題「略奪と奪還」9 | |
二匹で仲睦まじく寄り添いながら家路に着く京楽と白。 屋敷に着くと一護と夕月が縁側で待っていた。 「お帰り!にぃに!京楽さん!」 「お帰りなさいです!ママ!パパ!」 白と京楽に抱き付く夕月。 『ただいま夕月、一護!来てたのか』 「うん!京楽さんも狐になったんだね。剣八ぐらい?」 『さぁどうかな?僕は狐になった剣八さんを見てないからねぇ』 ふふふ、と笑う京楽。 「あのね、夕月の事なんだけど・・・」 『なんだ?』 「うん、白哉がね、預かりたいってうちに来たんだけど」 『白哉が?十一番隊にぃ?』 「うん」 「はいです!」 『へえ〜、あの朽木君がねぇ』 「夕月びゃっくん大好きですよ!清家のおじいちゃんも!一護おにいちゃんも、おじいちゃんも伯母ちゃんも大好きです!」 「俺も夕月大好きだよー!」 『で?どっちに泊まるんだよ?』 「夕月はどっちが良い?」 「えーとえーと、いつも行ってるびゃっくんのおうちが良いです!」 「じゃあ決まりだね!白哉のおうちまで送って行くね」 「ありがとうです!」 『いってらっしゃい』 『気を付けてな。泣くなよ?泣くなよ?』 「はいです!夕月はママの子です!強い子です!」 お泊りセットを持って一護と共に朽木邸に行く夕月を見送り、白と京楽は縁側から家に入った。 『おや?』 『ん?どうした春水』 卓袱台の上には一護と夕月が作ったと思われる食事の用意が3食分置いてあった。 『一護・・・』 『良い子だねぇ』 『ん・・・』 二人で縁側に行くと京楽が白の毛繕いを始めた。 ぺろぺろと顔を舐め、耳に口を突っ込んで舐めては首の後ろをハグハグと甘噛みしては舐め続けた。 『ん、ん、春水、気持ちいい・・・』 うっとりと目を細める白もお返しに舐め返した。 京楽の毛繕いは白の全身に及んだ。 『ちょ!春水、やりすぎ・・・!ひゃあん!』 『言ったでしょ、我慢してたって・・・止まらないよ・・・』 『でも、ここじゃ、やだ・・・!』 『ふふ、じゃあお部屋に行くかい?』 『聞かなくても・・分かってるクセに・・・』 『ふふふ・・・』 二人で寝室へと雪崩れ込んだ。 敷かれっぱなしの蒲団に押し倒される白の背中から覆いかぶさると京楽は、白の項の辺りを鼻先でくすぐり甘噛みを繰り返し、尻尾の付け根まで来ると、尻尾を重点的に舐め始めた。 『あ!やぁう!春水、そこ、やあ』 『イヤ?でも腰が揺れてるよ?白』 『ん、ん、ばか・・・!ひゃん!』 こりり、と尻尾の付け根を噛むとビクン!と揺れる白の体。 『ふふ・・・』 『あ、ああ・・・ひゃ!な、なに!』 いきなりあらぬ所に濡れた感触がしたので振り返ると京楽が白の蕾に舌を這わせていた。 『ば、ば、馬鹿ぁ!ああ!あ!ぁっ!あっ!』 『白、白、早く一つになりたいよ・・・!』 『うう・・・春水、春水ぃ・・!ああっ!ん!』 ヒクヒクとヒク付く蕾に猛る自身を擦り付け、ゆっくりと納めていった。 『んあ、あ、ああ・・・あつい、よ・・春水!』 『う、く・・ああ・・・白、白、君の中も熱いよ』 全てを納めきると白の項に深く噛み付くと抽挿を始めた。 『あっ!ああっ!あっ!ンッ!しゅん!すい!あっ!い!い!気持ち、い!』 フッ!フッ!と荒い息を吐きながら最奥を突く京楽。 『ふあっ!あっ!も!もう、イク!春水、春水、イク!ああっ!あ――っ!』 『ぐうッ!』 白が達したと同時に京楽も達し熱の塊を全て注ぎ込んだ。 ドプドプと大量の精を受け止める白。 『んああぁ・・・、春水今日、おっきい・・・それにいっぱい・・・』 『はぁ、はぁ、だってずっと我慢してたもの。まだまだこれからだよ?』 『ん・・・もっときてぇ・・・』 今までの分を取り返すかの様にお互いを貪る二人。白はとうとう気絶し、京楽も漸く満足しそのまま眠った。 数時間経った頃、白が目を覚ました。 「ん・・・寒・・・あ!」 『どうしたの?あれ、白』 「春水!俺人型になってる!」 『本当だねぇ』 と言うとフンフンと白の体の匂いを嗅ぐ京楽。 「ちょ・・・春水?まさか・・・・」 『うん?なあに?期待してるの、白ってば』 「あ、あほか!もうなんも出ねえよ!」 『な〜んだ残念。・・・今のうちにお風呂入るかい?』 「風呂?なんで・・あ!」 『ね?』 「う〜、・・・春水は?」 『勿論、僕も入るよ』 と一緒に風呂に入ってお互いを洗い清めると新しい蒲団を敷いて今度は陽が昇るまで起きなかった二人だった。 翌朝起きると白は自分から狐の姿になった。 『どうしたの?』 と聞かれても、 『別に!』 と答えるだけの白。 食事の後、縁側で絡みあって昼寝する白と京楽。 (なるほどね。このままの方が甘えやすいよね〜) と納得し白の毛繕いを始める京楽だった。 『春水・・・気持ちいい・・・』 『うん』 『俺も・・・』 と京楽の耳の付け根をハグハグしては舐め、お互いの毛皮を舐め整えた。 『ん、気持ち良いよ、白・・・』 『春水・・・』 見つめ合って鼻先を擦り寄せた。 夕月のお泊り。 朽木邸に行くと白哉自ら出迎えに来ていた。 「良く来たな、夕月」 「今日一日お邪魔します!」 「うむ、自分の家と思って楽にすると良い」 「はいです!」 白哉と一緒に絵本を読んだり、遊んだりしていた夕月。 食事の時はルキアも一緒だった。風呂はルキアと一緒に入り楽しんだ。 寝る時はお気に入りのウサギのぬいぐるみと一緒に一人で寝た。 夜更けに白哉は小さな声で目が覚めた。 「どうしたのだ夕月。寒いだろう?中に入ると良い」 「はいです・・・」 そっと入って来た夕月はぬいぐるみをギュッと抱きしめてモジモジとしていた。 「どうした?」 「あのね、一緒に寝ても良いですか・・・?」 初めてのお泊りで、夜中に目が覚めてしまい怖くなってしまった夕月。白哉はフッと笑うと蒲団をめくり、 「此処に来ると良い」 と夕月を寝床に誘った。それを聞くとパァッと顔を明るくして蒲団に潜り込む夕月。 「びゃっくん、ありがとうです」 「気にするな・・・」 (随分と足が冷たいな・・・。大分迷ったのだな・・・) ポンポンと小さな背中を撫でてやっているとすぅ、すぅと小さな寝息が聞こえて来た。 「ん・・・」 時折耳がピルル!と動いていた。 (可愛いものだ・・・私にも子が居ればこういう事をしたのだろうか・・・) 規則正しい寝息、小さな体に子供特有の高い体温に甘い匂い。 どれをとっても経験したことの無い束の間の幸福に包まれた白哉だった。 改めてこの者達を守らねばという思いを強くしたのだった。 第10話へ続く 12/07/09作 狐夫婦のイチャラブでした。白ちゃんが元に戻れたのは春水さんの精のお陰です。 初めてのお泊り白哉編。 |
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