題「略奪と奪還」10
 翌朝、目が覚めると隣りで寝ている京楽を起こさないように蒲団を出ると人の姿になった白。
襦袢を着て台所へ行くとおにぎりを作った。
「ん、冷えてるからむずかし・・・」
四つ作ると焼いて置いてあった鮭を皿に乗せ、お茶を淹れて寝室に戻った。

 寝室の障子を開けるとまだ蒲団がこんもりと盛り上がっていた。
「春水、まだ寝てんのか?起きろ」
もそもそと動く蒲団。
「ほら!もー!」
勢い良く掛け布団を剥ぎ取る白。
寝ていた京楽はいきなりの寒さにブルルッと体を震わせた。
『ん〜・・・おはよう〜白』
すりすりと甘えてくる。
「おはよ、おにぎり作ったから食おうぜ」
と皿に乗った歪な形のおにぎりと鮭を見せる。
『うん、おいしそうだねぇ』
パタパタと尻尾を振る京楽。鮭の骨を取って解す白。
「ん・・・」
『ありがとう』
二人で静かにおにぎりを食べた。

 食事が済んだ後は何もする事が無かったので、白は寝室前の縁側で京楽の毛皮の手入れをした。
「ふかふかだ・・・」
『んふふ、気持ち良い?』
「うん」
ふわふわの冬毛の京楽の首元に顔を埋め、スリスリと甘える白。
久々の人型の白に否応なく欲情してしまう京楽が形の良い白の耳に鼻先を擦り付けた。
『ね、白・・・もっと気持ち良いコトしない?』
「ん!気持ちいいこと・・・?」
『そう・・・気持ち良いコトだよ・・・』
べろりと耳を舐められて京楽の言っている意味を理解した白。
「あ・・・!だって、まだ朝!ひゃん!」
鋭い牙で白の耳朶を甘噛みする。
『大丈夫・・・誰も来ないさ・・・』
「うぁ・・・」
はぁ・・・っと熱い吐息を耳に吹き掛けられ陥落する間近の白。
白も愛する夫と身を一つにするのは久方振りなのだ。その相手に熱く求められては・・・。
「も・・・!春水のばかぁ・・・!」
『はいはい、馬鹿で幸せ!愛してるよ、白』
「俺も・・・」
そして二人で寝室へと雪崩れ込んだ。

 蒲団の上では白からのキスの雨を受ける京楽が居た。両手で京楽の顔を包むと鼻先や額、瞼に口付ける白。
「ん、ん、春水、ん、ん、春水、あ、ん・・・好き、好き・・・」
『僕もだよ・・・愛してる白・・・、白だけを愛してる・・・』
「春水・・・!」
長い鼻先を白の首筋に押し付け、匂いを嗅ぐ京楽。冷たい鼻面と熱い息、そして長いヒゲの感触に快感が走る。
「ん、あ、あ、しゅん、すい・・・!」
『白・・・』
白の首筋をぺろぺろと舐めていく。白は京楽から漂う獣の匂いに興奮しているのに気付いた。
「あ、あ、ど、しよ、春水・・・!俺、俺・・・!」
既に兆している中心を押さえ震える白。
『どうしたの?見せて?』
「ふぇ・・・だって、もうこんな・・・」
はらりと襦袢の裾を開くとそこには上を向いて滴を零し、震えている白の中心があった。
『可愛い・・・』
目を細め、震える其処をぺろりと舐める京楽。
「ひゃん!」
びくん!と背を撓らせる白。しかし京楽は一舐めしただけで其処から離れ、襦袢の袷に鼻を突っ込んだ。
「ひぁ!」
フンフンと鼻先で胸を擽ると薄く色付く小粒を舐めると吸い付いた。
「あっ!しゅん!ん!ん!」
ちゅっ、ちゅう!と吸ってはベロリと舐め、ゆっくりと下肢へと愛撫を進めていく。
「ふっ!ふあ!しゅ、春水ぃ・・・!」
施される愛撫にいつの間にか京楽に押し倒された白の身体は京楽の唾液に塗れていた。
『白、白・・・』
何度も白の名を呼びながら漸く白の中心を口に含む京楽。
「ああっ!ん!あ!あ!春水ぃ・・・!」
じゅッ!じゅうぅ!と吸い上げてはぴちゃぴちゃと音を立てて舐める京楽の頭を押さえる白。
内腿や下腹部に感じる爪の食い込む甘美な痛みに白がとうとう京楽の口内で達してしまった。
「あっ!ああっ!んーーッ!」
出された白濁を飲んで、溢れた物は全て舐めつくす京楽。
『白、白、気持ち良かった?』
「ばか・・・」
白濁に塗れた京楽の顔を舐める白。
「ん、ん・・・」
『白・・・ね、後ろ向いて?』
「ん・・・」
素直に後ろを向く白に、
『腰、上げてね』
と言うと恥ずかしそうに腰を上げる白。
『ふふ・・・良い子』
丸い尻を一舐めしてから蕾に舌を這わせた。
「きゃう!やあぁん!あっ!あっ!」
京楽の長い舌が執拗に其処を這いまわり、会陰や双珠を同時に舐めしゃぶった。
「やッ!いやっ!はっ!ああっ!あっあっ!」
敷布を握り締め啼き声を上げる白の蕾がヒク付いては京楽を煽る。
『ね、白・・君の中に入りたいんだけど・・・』
「ん・・、き、て・・・」
『ね、白?いつかみたいに自分でココ、解せるかい?』
ちょん!と鼻先でヒク付く蕾を突っつく。
「ひゃん!ほ、ほぐす?」」
首だけで振り返ると濡れた口の周りをべろりと舐めている京楽と目が合った。
『そう・・・、さ、手を貸して?』
白を座らせ、足を広げさせ蕾を舐めながら、
『此処を白の指で解して。ね?』
「う・・・、こ、こう、か?」
そろそろと指を這わせ、ヒク付く其処にツプリと中指を挿入ていった。
「ん!あ、あぁ・・・」
京楽の唾液と白の先走りでしとどに濡れていたそこは、抵抗も無く黒い爪先を飲みこんでいき根元まで咥え込んだ。
「あ、あ、春、水、あぁ・・」
クチクチと控えめに指を動かしていたが次第に指は増えていき、3本の指が出入りする頃、
『白、一人でイッちゃ駄目でしょ?』
と声を掛けられ目を開けると悠然と寝そべりながら白の痴態を眺めている京楽が居た。
「っあ!やだ・・・見る・・なぁ・・・!」
咄嗟に足を閉じようとしたが、京楽が一瞬早く近付いて阻止した。
『だ〜め、ちゃんと見せて・・・。ああ・・・白のここがヒク付いていっぱい指を咥えてる・・・』
鼻先を其処に擦り付けて囁く。
「やあぁ・・・っ!ひっ!ひゃああっ!」
いきなり指を咥えている其処を舐め上げた京楽。
『気持ち良い?ね、白』
「ん!うん!気持ち!い!しゅん!すい!あっ!あっ!ダメっ!だめっ!あっ!アッ!あっ!」
べろりべろりと舐められながら指を動かす白。
「あっ!あっ!んあっ!あーーっ!」
きゅうううっ!と自分の指を締め付け達した白。
「あ・・・は・・・っ、は・・・っ、は・・ん」
『白・・・』
吐精後の余韻に浸っていた白の腹に散った白濁を舐め、
『今度は僕の番・・・』
と顔を擦り付ける。
「ん・・・」
のろのろと身体を起こし、腰を高く掲げる白。
「ん・・きて、春水・・・」
くちゅ・・・と其処を自らの指で開くと京楽を誘った。

 とろりと欲情に蕩けた瞳で見つめられ、我慢出来なくなった京楽は白の腰を前脚で掴むと滾る自身を納めていった。
「あ、ああぁああンッ!」
『くぅっ!白!白!ああ、抑えられないよ!白っ!』
がつがつと奥を突き上げる京楽。
「あっ!くっ!ふうっ!しゅんっ!すいっ!あっ!あっ!あーーっ!!」
『うっ!くうう!白・・・』
白がイクと同時に京楽も達し、大量の精を白の胎内に注ぎ込む。
「うああっ!出てる、出てるよぉ・・・!春水の、いっぱい・・・!あ、あ、まだ出てるぅ・・・!」
『白・・・!』
「うあぁ・・・や、もう、無理ぃ・・・入らな・・・よ・・・」
ずりずりと上に逃げようとする白の項に噛み付いて押さえる京楽。
「きゃうんっ!んやッ!だめ!だめ!動いちゃ・・・!」
『無理だよ・・・まだ・・・まだ収まんないよ・・・』
「ひぃん・・・!」
いつの間にか出ていた耳と尻尾。耳はぺたんと寝てしまっている。
『白、白、僕から逃げないで、僕を独りにしないで・・・!』
血の滲んでしまった項をぺろぺろと舐めながら懇願する京楽。
「春水・・・?」
『僕は君を嫌いにならないから、狐だからって・・・。僕を置いて行かないで・・・!君が狐に戻るなら僕が狐になるから・・・だから!』
「春水・・・!春水・・・」
身体を捻り、後ろの京楽に腕を伸ばすと顔を引き寄せその口を舐めた。京楽もそれに応じ長い舌を絡めあった。
「んん、ふっ!春水!あっ!ん、ふ!早く!早く人に戻れ・・・!」
『白・・・』
「そんで、早く俺を抱きしめろ・・・!この馬鹿春水!」
『白!』
白の言葉に京楽は一層深く奥を突き進めた。

 二度目の吐精を終わらせ白から引き抜くと、後から後から白濁が溢れてきた。
「ん、ふ・・ふ・・・」
「白・・・」
「あ・・・戻った・・・春水・・・」
「うん・・・」
疲労困憊の白の顔に張り付いた髪を梳いては、額や頬に口付ける。
「ん・・・くすぐった・・ふふ・・・」
「白、白・・・」
「あ・・・も、無理、だって・・・」
太股に当たる熱に未だ京楽が満足していない事を察した白。
「ゴメン、白・・・僕も無理、我慢出来ない・・・!」
「あ、ああ!ば!ばかぁ・・・!」

 白が漸く解放されたのは次の日の朝だった。
夕月はこうなるだろうと予想していた面々が預かっていた。
白哉の家に泊まった後、一護の所に泊まり、次いで兄夫婦の所に泊まっていた。
当の本人達は楽しんでいた。

身動き取れない白は京楽が甲斐甲斐しく世話をしていた。






12/08/21作 完結です。この世に二つと無い宝物を取り戻した京楽さんと白。
夕ちゃんは帰ってきたら二人に甘えまくる事でしょう。

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