題「略奪と奪還」7
 京楽が出掛けた先は朽木邸だった。
邸内に通されるとそこには京楽の兄夫婦も待っていた。
「あれま、兄貴じゃないの、義姉さんも。どうしたのさ」
「私が呼んだのだ。此度の一件の終末の説明には京楽家も絡んでいる。無論私もだ」
「終末ね。どうなったの?」
「うむ、まぁ座れ」
と促され、白哉と兄夫婦の前に座ると話が始まった。

 白哉と兄は紀野川家に行くと、今回の一件の証拠を叩きつけ、
「大事な義妹を侮辱したり、誘拐しては狼藉を働こうとするとは、どんな育て方をすればこうなるのだ」
と糾弾し白哉は、
「白は娘同然。いずれ烏帽子子にと可愛がって居るのだが、今回の事はどう責任を取るつもりだ」
と静かに怒りを滲ませながら、二人で追い詰めていった。
この両親も陰で白の事を蔑んでいると情報を掴んだのは義姉だった。

四大貴族の長の朽木家と上流貴族の京楽家を完璧に敵に回した紀野川家は御家断絶の憂き目にあった。

そこまで話を聞き、
「ふう〜ん。で、今護廷に居るのは例の二人だけなんだ」
と懐手にした手で顎を擦る京楽。
「うむ。まぁ断絶した事はまだ報せていないがな」
「じゃあまだ自分が貴族だと思ってるんだ。ハッ!滑稽だね」
京楽は嘲る様に話すがその顔は静かな怒りに満ちている。
「春水、白君の様子は?」
「大分落ち着いてきてはいるよ。今日、昼寝の時に魘されて飛び起きたけどね」
「まぁ・・・!」
と義姉が悲痛な声を上げた。
「まだお会い出来ないのかしら・・・」
「家に帰って聞いてみるよ。でも白は狐の姿だと嫌われるんじゃないかって怖がってるみたいだね、一護君が言ってた」
「そんな事!あんなに素直な可愛い子をどうして嫌いになれましょう!」
「ありがとね、義姉さん。・・・白は愛されてるね」
と穏やかに微笑んだ。
「京楽、これを・・・」
白哉が出してきたのは大量の菓子だった。
「ちょ、朽木君。多過ぎ」
と苦笑するも有り難く受け取った。
「私からだけではない。此処に居る京楽夫妻と護廷の各隊長からだ」
「なるほどね。ほんと愛されてる・・・」
話し合いも終わり、その菓子を持って帰る京楽。

 屋敷に帰った京楽を出迎えたのは夕月だった。
「お帰りなさいです!パパ!」
「ただいま、夕月!はいこれ!お土産だよ!」
「わあ!お菓子です!いっぱいです!」
二人で居間に運ぶと、数個のお菓子を出し、
「ママを連れて来るからこれ食べて待っててね?」
「はいです!」
「良い子だね」
居間を出ると寝室から白が走って出て来た。
「おや」
千切れんばかりに尻尾を振って駆け寄る白に相好を崩していると、体を擦り付けまたすぐに寝室へと入っていく。

 京楽が寝室に入ると足に擦り寄って、
「きゅぅ!きゅ!きゅうう!」
と甘えて来た。
「白・・・」
優しく頬を撫で、耳の後ろを掻いてやると、嬉しそうに気持ち良さそうに目を細めた。
「きゅう!くぅう!くぅ〜ん・・・、くぅうん」
と鳴くと寝転がり、腹を見せた。
「白・・・」
大きな手で胸から腹を撫でてやると甘い声で鳴き続けた。
「くう、くう、きゅ、ひゅうん・・・・」
「白、白、可愛いね」
撫でられていた白が起き上がり、京楽に飛び掛かるとその顔を舐め回した。
「ふっ、ひゅうん!は!は!きゅうん、きゅうん」
「ふふ!くすぐったいよ白」
自分を舐めてくる白の背中を撫でて宥めると、
「夕月が待ってるよ。居間にお土産があるんだ」
「きゅうん?」
「早く行こう」
と白を抱き上げ居間へと向かった。

 居間に行くと夕月が待っていた。
「パパもママも遅いです!」
ぷくぅ!と頬を膨らませて怒っている。
「ごめんごめん〜」
山の様なお菓子を前に首を傾げる白。
「コレね、兄貴や護廷の皆からのお見舞いだよ。皆が白に喜んで貰いたいって」
「くう・・・」
お菓子の山の前で尻尾をパタパタと左右に振る白。
「良かったね、白」
「くふぅん・・・」
すりすりと京楽の首筋に鼻先を擦り付ける白。
「白・・・」
甘く低い声で白の名を呼ぶ京楽。
「!く、くぅん・・・」
「パパ、お腹空いたです」
「ッ!」
「あ!うん、用意しようね」
用意したご飯を食べる。
白は京楽の膝に座り、食べさせてもらう。
「はい白」
と茹でた鶏肉を口元へ持って行くとハグハグと食べ、指にペロペロと舐めチュッチュッと吸い付いて来る。
「し、白・・・ほら、まだあるから!ねっ?」
「ちゅ・・・、くう」
(ヤバいよ・・・もう!白ったら)
この日はやけにスキンシップが多かった白。

 お風呂も済んで蒲団に入る。夕月はもう自分の部屋で寝起きしているので夫婦水入らずだ。
いつもと変わらず白を抱きしめて眠る京楽。
何時間経ったのだろう。ふと、下半身に違和感を感じ深い眠りから覚めた京楽。
「・・・ん、んん?あれ、白ぉ?んあ!」
下肢から突然快感が走り、蒲団を捲るとそこには白が居た。
「な!何してるの!白!やめなさい!」
ぺろぺろと京楽の中心に舌を這わせる白が上目遣いに見て来た。
「くぅーん・・」
「嬉しいけど無理しないで良いよ。このまますると君が壊れちゃうでしょ?」
撫で撫でと頭を撫でるが白は舐めるのを再開した。
「ッ!白!ああ!」
「ん、ん、ふ!ふ!んん!」
白の長い舌が絡まる度に固さを増していく自身。
そこに居るのは紛れもなく白だが狐の姿をしているため酷く倒錯的で、より興奮しているのを隠しようも無かった。
「も、う・・・!僕も手伝うから・・、ハ・・、白は先を舐めてくれる?」
クチッと先端に指を這わすと手ずから自身を扱きだした。
「ん、ん、は、はぁ!」
ぐちゅぐちゅと扱く度に先端から溢れる先走りを懸命に舐め取る白。
「あ、ああ!白!白!イク、よ!白!クッ!」
「ッ!くふん!」
白の顔面に大量の白濁を放出した京楽。それを舌で舐め取っていく白。
「あ・・はあ・・・!もう、折角我慢してたのに・・・」
舌で届かない所の分を懐紙で拭ってやる京楽。
「でも。気持ち良かったよ。ありがとうね白」
自分を求めてくれた事が嬉しかった。ちゅ、ちゅ、とキスの雨を降らせる京楽。そそくさと寝ようとする白を捕まえると、
「し〜ろ?君はまだ気持ち良くなってないでしょう?」
にっこりと男臭い笑みで迫る。
「きゅっ!きゅうぅ?」
「大丈夫、最後までしないから。そんな事したら白が壊れちゃうからね」
白の背中に頬ずりしながら言うと箪笥から軟膏を取り出す京楽。
「こっちおいで、白」
「きゅうん」
耳元で低く囁く。耳を甘噛みし、尻尾の付け根を撫でては揉んでいく。
「ふっ!くあぁん・・・!」
「白、白、あぁ・・・愛してるよ、どんな姿だろうと君だけが僕の奥さんなんだ。もう二度と居なくなったりしないで・・・」
「きゅっ!きゅううんっ!」
耳を倒して京楽の顔を舐める白。指に軟膏を取ると白の蕾に塗り込んだ。
「きゅ!きゅうぅ・・・ンッ!」
クニクニと揉みこんでツプリと指を入れた。
「ハッ!ハッ!キッ!ひゅうぅッ!」
クチックチッと濡れた音を響かせ中を探っていくと指先にしこりの様なものが当たった。
「きゃうんっ!うううう・・・!」
「ここ?」
クリッと指の腹で押すと、
「キャッ!キャヒィインッ!」
と啼くと腰をガクガクと揺らしながら達した白。
「は、はあぁ!はぁあ!は!は!」
アクアクと口を開閉する白を抱きしめると、
「沢山出たね。気持ち良かった?」
と聞く京楽に恥ずかしさのあまり噛み付く白。
「恥ずかしがる事ないじゃない。君は僕を気持ち良くしてくれたし、君が気持ち良かったら僕は嬉しいよ?」
「うう〜・・・」
恥ずかしいのかずっと唸っている白。
「も一回お風呂入ろっか!」
とお互いの体を清めると寝室に戻る二人。
「明日もしよっか?」
「ふんっ!」
とそっぽ向く白だったが尻尾は左右に揺れていた。


第8話へ続く



12/06/26作 みんなに愛されている白ちゃん。久々の夫婦の営みでした。
26日 加筆修正しました。



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