題「人魚の嫁入り」4 | |
剣八に会いたい・・・! もうこの話からは逃げられない。最後に愛しい男の姿をこの目に焼き付けておきたかった。 その頃の広間では・・・。 「どういう事だ・・・。ハリベル」 「俺達ゃ何の話も聞いてないんだがよぉ・・・?」 3人の従者を従えたハリベルに、天鎖と白が詰め寄る。 「この海域を守る為だ・・・。致し方・・・あるまい」 「 「要するにお前らは自分の身の安全の為に一護を売った訳だ・・・」 眉間と鼻に皺を寄せて酷薄そうに笑う白。怒りが滲み出ている。 「ではどうしろと・・・!それに藍染様は一護を愛していると大事にすると・・・!」 「馬鹿かテメエは・・・。アイツの目を見りゃあ分かんだろうが!アレは一護を道具としてしか見てねぇぞ」 溜息を吐きつつ白が言った。 「なんの為に・・・」 「恐らく狙いは一護の処女だろうな・・・」 「それを奪った時のアレが狙いだろうな・・・」 「な・・・!何故それを北の海の男が知っているのだ!」 「今まで外の海で聞いたがよ。言いふらしてる奴が居たぜ。元この海の住人だ」 「既に消したがな」 一護が剣八の居る岩場に着いた。 「剣八、あのな今日は話があるんだ・・・」 「なんだ?」 「俺な、やっぱ婚姻するんだって・・・。無理だった・・・」 悲しそうに笑う一護。 「一護・・・」 「だからな?お前さえ、お前さえ嫌じゃなきゃ、俺を抱いてくれねえかな・・・」 ふるふると震える一護の肩を抱き寄せ口付ける剣八。 「ん・・・、ふっ」 「嫌な訳あるか・・・馬鹿野郎が・・・」 「剣八・・・」 ちゅ、ちゅ、と口付けを繰り返す。 「ん、あったか・・・い、剣八」 「一護」 一護の唇を食みながら次第に深くなる口付け。角度を変え深く深く・・・。 「ん、ん、ふ、あ、あ・・・」 飲み込み切れない互いの唾液が幾筋も一護の首筋を伝って行く。 「っふ、あ・・・」 漸く口付けを解かれた頃、一護は酸欠で朦朧としていた。 小さな顎を伝う唾液を舐め取り、耳を食む剣八。 「あっ!や、ん、んん!」 唇で食み、舐め上げ、耳穴に舌を入れては抜き差しを繰り返した。 「やぁあん、ひう!あ、あ!」 きゅうぅと剣八の着物を握り締める一護。剣八は耳の裏の薄い皮膚に吸い付き、赤い跡を残した。 「一護・・・」 剣八は裸になると脱いだ着物を岩場に敷き、その上に一護を寝かせた。 「?」 「そのままじゃ痛ぇだろ」 「剣八・・・!」 一護は剣八に抱き付き、肩口に顔を埋めた。 「剣八、剣八・・・!」 「ああ・・・」 暫く抱き合い、剣八は愛撫を再開させた。 ちゅ、ちゅ、と軽く首筋に吸い付いては胸の飾りに指を這わす。 「あ、ああ・・・」 熱い・・・。剣八の手が、唇が、舌が触れる所から熱が生まれてくるようだ。 ジンジンと身体が疼いてくる。 一護の冷たい身体の胸の小粒を口に含んだ。 「あ!ああ!」 舌で転がし、軽く歯を立て、もう片方は指で愛撫した。固くしこる其処をクリクリと摘まんでは指の腹で押し潰した。 「あ、やあん、ジンジンするよぉ・・・」 モジモジと動く一護の腰に気付き、下肢を見ると既にそこは兆していた。 優しく全身に隈なく手を這わせ、舌を這わせながら一護の中心を手筒で扱いた。 「あっ!ああ!ああ!やっ!んあ!」 すぐに溢れて来た蜜でぐちゅぐちゅと淫猥な音と共に滑りが良くなった。 「あ!はあ!あ!あ!」 身を捩りながら喘ぐ一護の身体を反転させた剣八。 前を扱く手はそのままに、一護の蕾に口付け、舌を這わせていった。 「や!やああ!ダメ!そんなとこ!あ!んんん!」 「良いから感じてろ」 クニュ、と舌を捻じ込み解していく。 「ん、ふ、ふあ!ああ・・・!」 指が白くなるまで敷かれた着物を握り締める。 つぷ、と指が入って来た。 「あう!」 「痛ぇか?」 ふるふる!と首を横に振る一護に、 「息は止めんな。余計辛くなんぞ」 「あ、は、はぁ、はぁ」 「良い子だ・・・」 ゆっくりだが確実に後ろを解していく剣八。 指が3本入る程に解れて来た所で指を抜き、前の手も離した。 「あ・・・?」 「一護、入れるぞ」 「あ、うん、お願い・・・」 「ああ・・・」 既に滾っているそれを数回擦り付け、腰を進めた。 「あ!い!痛ぁい!や!あ、ああ!」 ぽろりと一護の眼から一粒の涙が零れた。 それは瞬時に大粒の黄金の真珠と変わった。だが二人ともそれには気付かなかった。 「くっ!一護、息吐け!止めんな、余計辛くなるつったろ」 「う、うう!っは!はあぁ!は!ああ!」 「そうだ・・・!」 ズ、ズズ、と自分の中に入って来るそれはまるで自分を焼き尽くしてしまいそうなほど熱かった。 「あ、熱い、剣八、中!熱いよぉ!」 「っ!ああ、お前の中は俺を締め付けてるぜ」 一番太い所をやり過ごし、全てを納めた剣八は痛みで萎えてしまっている一護の中心をやんわり握り込むと痛みを誤魔化す様に扱いてやった。 「あ!や!あ、ああ!」 次第に硬度を持ち始める其処からトロトロと透明な体液が零れた。 「あ!あ!いや!出る!出ちゃう!んあああっ!」 先端を親指の腹で刺激すると一護が達した。その締め付けで剣八も一護の胎に精を注ぎ込んだ。 「ん!んあぁあ!お腹熱ぅい・・・!」 上半身を突っ伏す一護。きゅ、きゅ、とヒク付く中で剣八が大きくなっていくに気付いた。 「あ・・・」 「まだだ・・・。一護、まだ足りねえ、全然お前が足りねえよ・・・」 「剣八・・・」 無理な体勢から一護が剣八に口付けをせがんだ。 「ん・・・もっと欲しい、俺も剣八が欲しい、もっと来て」 「ああ」 二人は空が白むまで愛し合った。 「ん・・・」 「起きたか、一護」 「あ、剣八・・・」 剣八はずっと一護の髪を梳いて寝顔を見続けていた。 それがとても気持ち良くて身を任せる一護。 「ん?」 頭の下に何か固い物があるのに気付いた一護。手探りで見つけるとそれは金色に輝く真珠だった。 「なんだそりゃ」 「んっと、俺が処女喪失した時に流した涙だと思う・・・」 「ふうん、綺麗だな」 「剣八、これ貰ってくれ。もう逢えないから・・・。俺は3日後には北の海に連れて行かれて戻って来れない。だから・・・!」 「ああ、大事にする」 「サンキュな」 ちゅ、と触れるだけのキスを交わし、一護は海へ帰って行った。 それから残りの日を時間が許す限り、愛し合う二人が居た。 第5話へ続く 11/09/14作 結ばれた二人。短くも残された時間で深く愛し合う・・・。 |
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