題「人魚の嫁入り」11
 朝、目を覚ました一護が一番最初に見る物は、自分を抱きしめて眠る剣八の寝顔だ。
「剣八だ・・・」
ここに来てから剣八はずっと一護を抱きしめて寝ている。
やっと昨日愛し合う事が出来た。啼かされ過ぎて少し喉が痛い。
「ん、水・・・」
枕元にあった水差しからコップに水を入れ飲んでいると、
「起きたのか・・・」
と剣八が声を掛け起き上がった。
「ん、おはよう。剣八」
寝乱れた寝巻きから覗く首筋に赤い跡を見つけた剣八。
その跡に指を這わせる剣八。
「ん・・・なに?」
「跡。俺の付けた跡だな」
「あ・・・」
首筋から胸へ下りて行く指。
「あ、あ・・・」
「一護・・・」
「ん、んん」
一護に口付ける剣八。
(ん、気持ちいい・・・もっとしたい・・・)
一護も剣八の首に腕を絡め、自分から舌を差し出した。
「ん、ふぅ、ん・・・」
ちゅ、ちゅく、と湿った音が響く。
「あ、ふ・・・」
(どうしよ・・・俺、こんな朝から・・・)
「したいか・・・?」
「あ!ん、んん!」
「なぁ?一護、どうなんだ?」
口付けを解き、後ろから抱きしめ胸の小粒を指で弄りながら耳元で囁いた。
「あ、あぁ・・・!」
「なあ・・・?」
スルスルと手は下肢の方に伸び、頭を擡げ始めている中心をやわやわと揉みしだく。
「あ!ああ!やっ!剣八ぃ・・・!」
其処はすぐに固くなり、透明な蜜を溢れさせた。

くちゅくちゅと水気を含んだ音が部屋を満たしていく。
「あ、い、イク・・・!」
もう達くと言う瞬間に握り込まれ、出るはずだった熱が身体を逆流した。
「ああっ!や、や、イかせて・・・!」
「なら言えよ、どうしたい?」
「あ、あ、し、したい・・・!」
「くく!俺もだよ・・・我慢出来ねえ」
言うや剣八は蜜でヌルヌルになった指を蕾に埋めていった。
「あ、ああん、あ、あ・・・」
ぐちゅぐちゅと其処を攻めながら耳朶を甘噛みする剣八。
「やぁ!も、もう!入れて・・・!」
「そうだな・・・」
中から指を抜くと一護の寝巻きを脱がせ、自分も裸になった。
向かい合わせで抱き合い、そのまま一護の中へ埋め込んでいく。
「あ、ああ・・・ん、剣八、剣八・・・」
ずぶずぶと己を満たしていく楔の熱さに蕩けていく一護。

「あ、あ、ふ、深ぁい・・・!」
ピクッ!ピクッ!と震える一護。突然剣八が仰向けに寝転んだ。
「ああっ!な、なに?」
「自分で動いてみな、一護」
「ふえ?え、どうやって・・・?」
「好きなように、テメェが気持ち良くなる様に動けよ。ここで見ててやる」
「や!そんな!無理だよ、い、いつもより奥に、あ!来てるのに・・・!」
「いいから」
そう言ったきり、動かなくなった剣八。
「ぅ、ん、はっ!あ、んん・・・」
一護はゆるゆると腰を動かしているが、もどかしい快感に止まってしまう。
「け、剣八、剣八、ああ、ああ、ん、やあぁ・・・」
ぱたりと身体を倒し、剣八の唇と舐める一護。
「ん、ん、剣八、う、動いて?俺じゃイけない・・・!イきたい、お願い・・・」
「・・・しゃあねえな」
剣八は一護の腰を掴むと下から突き上げた。
「ああンッ!あ!すご・・・!あん!アンッ!」
ぐっ!ぐちゅ!と淫らな音が響いている。
「あっ!ああっ!ダメ!ダメぇ!イっちゃ!イっちゃう!」
「イくのか一護?」
「うん!うん!イっちゃう、のぉ!ああっ!」
ぴゅくん!と白濁を撒き散らした一護。
「あ、あ、ああんっ!」
息付く間もなく、突き上げられる一護。
「やあぁあん!ひっ!ひぁあん!剣八!剣八ぃ!」
自分の身体の上で啼きながら踊り狂う一護の乳首を摘まんでやる。
「ひゃあああん!あ、あ、あ・・・」
ぴゅく、ぴゅく、と勢いを失くした白濁が溢れた。
「一護・・・!」
上体を起こした剣八がその乳首に吸い付いた。
「ああっん!剣八!好き、好きぃ!」
「ああ・・・!俺もだ、一護」
「あ、ああ、また、イく・・・!」
「俺もイく・・・!これで終いだ・・・」
「ん、うん・・・!」
更に激しくなった動きに付いていけなくなった一護はあられも無い声を上げるしか出来なかった。
「あ!ああん!けん!ぱちぃ!ん!んああ!あ、あ、あーーっ!」
きゅうぅ、と締め付ける中へと精を注ぎ込む剣八。
「くう・・・!」
最奥へと突き入れ、一滴も残さない様に緩く抜き差しを繰り返した。
「あ、あ、あ・・・奥、に、熱いの、きたぁ・・・」
「一護・・・」
抱き合いながら口付ける二人。
「ん、ちゅ、くふぅん・・・あ、ん・・・」

暫くは抱き合っていたが、
「剣八・・・」
「ん?」
一護の髪を梳いていた剣八に一護がこう言った。
「おなか減った・・・」
きゅるるる〜・・・と可愛い音が聞こえた。
「朝飯まだだったな、そういやぁ」
「ん。ね、お風呂行こ」
「ああ・・・」
一護の中から抜き取ると、一護を寝巻きで巻いて二人して朝風呂を決め込んだ。
「お風呂気持ち良い〜」
「そりゃ良かったな」
「うん!朝ご飯何かなぁ〜?」
一護の身体を乾かして、新しい着物を着せると食堂へと抱いて連れて行った。

「何食いてぇんだ」
「なんでも良いよ!何が美味しいの?」
二人して風呂上がり。艶テカの顔色。そして何より、一護の纏う色気が半端なく漂っているのを見て当てられる隊士達。
「いっちー!おはよー!一緒に食べよ!」
「うん、良いよ〜。おはよ、やちる」
3人同じ、焼き鮭定食にした。
「これ美味しいね」
と玉子焼きを頬張る一護。
「そうか、俺のもやる」
「良いの!やったぁ!」
食事を終えると部屋に帰った一護は一人で歩く練習をした。
最初は柱に掴まって立ち、ゆっくり足を慣らして半歩ずつ歩いた。
「まだ少し痛いや・・・」
部屋を一周して一休みした。
「早く剣八と一緒に歩きたいなぁ」
一護が頑張っている間に剣八は隊首会へと出て行った。

ここ最近嫌に機嫌良く書類仕事をやっていると言う噂は護廷中に流れていた。
今日もやけにサッパリした顔で出廷してきた。
隊首会が終わり、解散の号令の後、京楽隊長が寄って来た。
「ねえねえ剣八さん。最近やけにご機嫌だよねぇ?なんかあったの?」
「別に」
「良い人が出来たってもっぱらの噂じゃな〜い。ね!どんな子なの?会わせてよ」
「嫌だね!おととい来やがれ!」
これが何日も続いた為、何故か総隊長より、
「明日の隊首会に連れてくるように」
と言われてしまった。
「あの髭野郎・・・!」
どすどすと苛立ちをそのままに床を踏み歩いて一護の居る部屋を開けると、
「あ!お帰り!剣八!」
と立って出迎えた。
「何やってんだ!足痛ぇだろ!」
「平気!ちょっとずつ練習したんだ!あっ!」
よろけた一護を抱きとめる剣八。
「危ねえ。もっとゆっくりで良い。ちゃんと待ってやるつったろ」
「うん・・・」
「ああ。明日の隊首会、お前も出る事になったぞ」
「え、なんで?」
「さあな・・・」
更木剣八の恋人が見たい!と言われているとは言えない。
「ふう〜ん。良いよ別に。剣八の仲間なんでしょ?」
「ああ、まあな」
「じゃあ大丈夫だね」
と言って笑った一護だった。


第12話へ続く



11/10/06作 朝からイチャコライズ!手加減はしている模様です。
お次は皆に紹介です。


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