題「天女の足音」2 | |
浜辺を歩く京楽と白。 一歩一歩、歩く度に後ろを振り返っては首を傾げる白。足元からはキュッキュッと微かな音がしていた。 「どうしたの?白」 「ん・・・なんかが後ろから付いてくる・・・」 少し眉を寄せ答える白。 「違うよ、君の足音だよ。可愛いなぁ。これはね、鳴き砂って言って、この音は『天女の足音』って言われてるんだ。君にぴったりだねぇ」 「ふうん、なんか・・・へんなの・・・」 「怖くない、怖くない・・・」 白の肩を抱き寄せ、旋毛に口付ける京楽。 「・・・ん、怖くねぇよ・・!」 ぷくりと頬を膨らませる白。 「そんな可愛い顔しなさんな。此処で食べちゃうよ?」 なでなでと頭を撫でる。 「ばーか!」 きゅ、きゅ、と鳴る足音にも慣れ、散歩を楽しんでいると、 「ねぇ、白、さっき海を見て何を言おうとしたんだい?」 「ん?あぁ、あれか・・・」 歩を休め、遠くを見る白。 どおぉおおん・・・。 どおぉおおん・・・。 繰り返し、繰り返し聞こえる冬の海鳴り。 「白・・・?」 「うん・・・。何でもねえ事だよ。・・・あの境目の無い・・・空が、なんつうかよ・・・、良いなぁって・・・」 「空が・・・?」 「ん・・・、海とくっ付いてよ。いつもは離れてるだろ?ずっと離れないんなら・・・、俺らも、その・・・」 「白・・・」 ふわりと後ろから白を抱きしめる京楽。 「うん・・・。そうだね、きっと僕らも離れる事なんて無いよ・・・」 「春水・・・」 自分の言いたい事を汲み取ってくれた事が嬉しくて暫くそのまま、風に当たっていた。 「寒くなって来たよ。体が冷えて来たね、温泉に入ろうか?ね?」 「ん・・・」 京楽は白の手を握ると、ゆっくりと歩いて宿へと帰った。 「なあ、この砂なんで鳴るんだ?」 「とっても細かい石英が擦れ合って音が鳴るんだって・・・。とても綺麗な砂じゃないと鳴らないんだって」 「ふうん・・・。春水は何でも知ってるんだなぁ」 「そう言う訳でもないけどね」 二人で混浴の露天風呂に行くと丁度誰も居なかった。 「おー!貸し切りだ!」 とはしゃぐ白。その隙に『清掃中』の立て札を出しておく京楽だった。 掛け湯をして湯に入る白と京楽。 「これが温泉か〜!」 と大きな岩で作られた湯船に浸かり、かけ流しの温泉を楽しむ白。 「単純泉みたいだね。また後で子供達と入ろうね。赤ちゃんでも大丈夫って書いてあるよ」 「ホントか!じゃあ夕月も入れるんだな!」 「うん、大丈夫だよ」 と言えば嬉しそうに笑う白に満足する京楽。 「ふぅ、夏でも冬でも海ってでけなぁ」 と岩に座って遠くを見る白。波が白く現れては砕けていくのを見ている白。 「白・・・、冷えちゃうよ?」 と抱きよせ、口付ける京楽。 「ん・・・、や、誰か来るだろ・・・」 「来るかもね・・・。来ないかもしれないよ?」 ちゅ、ちゅ、と触れるだけの口付けをくたりと力が抜けるまで続けた。 「ん、ふあ・・・」 「白、白・・・、キレイだ・・・白・・・」 「ん・・・、あ!」 足に触れた熱い京楽の欲望に気付く白。 「しゅん、すい・・・!」 両手を京楽の首に絡めて抱きつく白。 「白・・・」 しなやかな白の体に手を這わせ、優しく乳房に触れる。 「ンッ!」 「かわいい・・・」 耳を食み、囁き首筋へと下がっていく。 「あ、ああ、は、ん・・・」 湯で微かに色付いた白の絹の様な肌に跡を付けない様に軽く吸う。 「ふあ!」 モジモジと揺れる腰を見て、白い茂みに手を這わす。 「あ!や!や!」 「濡れてる?」 「聞くな!バカ!」 涙目になって睨む白に、 (ああ、もうだめだ・・・) と自身の限界に気付く京楽。 「ね?もう君に入っても良いかい・・・?」 「う、ん・・・、いいよ・・・」 許しを得、白の腰を掴んで自身を沈めて行く。 「ん、あ、ああ・・・、入ってくる・・・」 ゆっくりと納めていく京楽。 「白・・・、ちゃんと掴まっててね」 「ん・・・」 白の膝裏を持ち、身体を揺さぶる。 「ああ!あ!んああ!しゅん!すい!」 二人の身体が揺れる度、ぱしゃぱしゃと湯も跳ねる。 「ああ!白、白!」 「へ?ひあ!」 突然立ち上がった京楽。 「い、いやぁ・・・、ふ!深いよぉ・・・!」 「ごめん・・・!もう!少しだから・・・!」 立ったままの深い結合と深い抽挿にもう耐えられないと白が達した。 「んああ!もう!イク!ああぁあっ!」 ぎゅうっと抱き締め、中でも京楽を締め付ける白。 「くうっ!」 その締め付けで京楽も達した。 どくどくと精を注ぎ込む。 「ふぁあん・・・!アツ・・・!」 ぴちょん! 「あほ・・・誰も来なかったから良い様なものの!」 「ごめんごめん・・・。ちょっと不安になっちゃってさ。それに夕月にお乳もあげないとね」 「んだよ・・・不安って」 「なんだか、君が遠くに行っちゃいそうだったから・・・。怖くなった・・・ごめん・・・」 「どこにも行かねえよ・・・。お前が離さねえ限りな・・・」 「うん・・・、もう出ようか」 「ああ」 脱衣所で体と髪を乾かしてから部屋へと帰る。 「お帰りなさい。思ってたより早かったのね」 部屋へ帰るなり朝月に言われてしまった。 「そうかい?」 「ま、助かったけどね。夕月が泣きやまないの」 朝月が肩を竦めればウルが困った顔でこちらを見ていた。 「ああ、腹減ってんだな。ごめんなぁ〜、夕月」 「ああぁあん!ああぁあん!えっ!えっ!ひっく!」 ウルから手足をバタつかせる夕月を受け取り、お乳をあげる白。 「ほら、お乳だぞ夕月」 乳首を含ませるとすごい勢いで吸いだした。 「ンッ!んっ!んっく!んっく!」 「よっぽど腹減ってたんだなぁ・・・」 ウルはそそくさとその場を離れて、テーブルでお茶を飲んでいる。 「ありがとね、ウル」 と京楽がウルの頭を撫でた。 「い、いえ。俺も楽しいですから・・・」 後ろでポンポンと背中を撫でられげっぷを促される夕月を見て柔らかく目を細めるウル。 手早くおむつも換えた白が、 「もうすぐ夕飯の時間だよな?」 「そうだねぇ。皆で大広間の方に行こうか?」 「さんせーい!」 5人で大広間に行くと剣八達が既に集まっていた。 「にぃに、遅かったね!」 「そうかぁ?丁度良い時間じゃねぇか?」 と今まさに料理が運び込まれていた。 第3話へ続く 10/12/18作 ちょっと短めですけど。 一足先に温泉でイチャコラしてきた京楽夫妻。後で入る時はウルも一緒で良いのかな?「ダメ」って言いそうだvv 朝月も女の子だしねー! 次は夕飯の情景です。メニュー決まってない。アワビは出す。 |
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