題「別離」中編 | |
翌朝、誰も起こしてくれないので自分で起きたやちるが剣八達の部屋の障子を開け放した。 「おっはよー!剣ちゃん!いっちー!早く起きないと遅刻だよー・・・」 いつもなら二人で寝ているはずなのに、其処には剣八しか居なかった。 「剣ちゃん?・・・いっちーはぁ?」 「んん・・・、うっせえなぁ、朝っぱらから・・・、あ?誰だって?」 「誰って・・・剣ちゃん何言って・・・?」 「てかもうこんな時間じゃねーか!お前もさっさと着替えろ!」 「う、うん・・・」 何が起きたのか訳が分からないやちる。昨日は居た一護が朝になったら居なくなっている。そして最後まで一緒だったであろう剣八はそんな奴知らないと言った感じだ。 不安を抱え、隊舎に行くと弓親と一角に挨拶され、 「あれ?一護君はお休みですか?」 と言われた。 「誰だ、そりゃ?」 「は?」 くい!くい!と袴を下から引かれた弓親。視線を落とすと其処には不安そうに顔を歪めるやちるが居た。 「いっちー居ないの・・・朝になったら居なくなってた。剣ちゃんに聞いてもさっきと同じ事言うの・・・。ねぇ、いっちーはちゃんとここに居たよね?あたしの夢じゃないよね?」 ね?!と訊いてくるやちるの目にはうっすらと涙が浮かんでいた。 「居ましたよ。昨日、僕達と一緒におやつ食べたじゃないですか!新作だって栗鹿の子を作ってくれたじゃないですか!」 「だよねぇ・・・!」 泣きそうになっているやちるの頭をぐしゃぐしゃと撫でてやる一角。 「何かがあった筈だぜ。アイツが何も言わないで居なくなるなんてあり得ねえ」 「ここ最近変わった事ね。・・・あ、何回か帰りが遅かった日があったよね?昨日も誰かに呼ばれてたみたいだし・・・」 「おい!何くっちゃべってんだ!茶!」 「はい!」 弓親が慌ててお茶の用意をする。 「どうぞ・・・」 「ああ」 ずず・・・と口に含んだ瞬間、 「なんだ?茶っぱ変えたのか?いつもの味と違うな」 「は・・・?」 「まあいい」 毎朝剣八にお茶を淹れるのは一護だ。 「あたし卯ノ花さんのとこに行って来る!何か知ってるかも知れない!」 隊舎を飛び出したやちる。 四番隊。 「卯ノ花さん!いっちーが居なくなっちゃったの!何か知らない!?」 「はい?今なんと仰いましたか?やちるちゃん?」 「だから、いっちーが居なくなったの!昨日の夜まではちゃんとおうちに居たの!なのに朝になったら居なくなってた!」 何か聞いてないかと、縋る様な目で見つめるやちる。 「どういう事なのかしら?更木隊長はこの事を?」 「剣ちゃんも変なの・・・。いっちーの事知らないみたいな、忘れてるみたいで・・・」 「知らない、忘れている・・・?」 其処へ弓親が走って来た。 「し!失礼します!卯ノ花隊長!こ、これを!」 弓親の手にあるのは手紙の様な物。 「なんです?それは」 「さっき、何か手掛かりが無いか一護君の机の引き出しを開けてみたんです。そしたらこれが!」 除隊願 と書かれたいた。 「除隊願?何故・・・?」 中に書かれていた事は・・・。 自分は正式な死神では無いのだから護廷に居る事は適わない。況してや人ではないのだからと綴られていた。 「誰が・・・この子をここまで追い詰めたのかしら・・・?」 二人の会話を聞いていたやちるが一護がここから出て行ったのだと勘付いた。 「いっちー、出てったの?なんで!どうして!剣ちゃんが居るのに!剣ちゃんといっちーは好き同士なんでしょ!?なんで出て行くの!?」 「好き同士・・・。其処が鍵の様ですね・・・」 何か尻尾の様な物が掴めたが隊首会の時間になった。緊急に卯ノ花隊長の命で副隊長会議も行われた。 「どういう事なの!やちる!一護が居なくなったって!」 「朝になったら居なくなってたの・・・剣ちゃんもおかしいんだよ・・・」 不安で不安で震えているやちるを慰める副隊長達。 その頃、隊首会では・・・。 いつも通りに見える剣八を細心の注意を持って観察する卯ノ花隊長。 会議が終わり帰ろうとした矢先、剣八が総隊長に呼び止められた。 「更木よ、少し待て」 「あん?なんだよ、じいさん」 「お主に見合い話があっての」 と写真を持ちだす。 「そりゃ無茶でしょ〜!山じいだって知ってるでしょ?今剣八さんは一護君とラッブラブ何だからさぁ。ねえ?」 「あ?誰だそりゃ?朝から良く聞かされるな」 「何言ってるのさ、君の恋人でしょう?」 「居ねえよ、そんな、も・・ん・・・」 チリッと頭の奥が痛む。 「どうかなさいましたか?更木隊長?」 卯ノ花が近づく。 「なんでもねぇ。それにうちに看護師が居る・・・あ?」 ガンガンと頭痛が激しくなり、片膝をついた剣八。 「ぐ、う・・・!あ?一護・・・?」 「思い出しましたか?」 診察を始める卯ノ花隊長が出した結論は、 「どうやら貴方には記憶置換が使われた様ですわね」 「記憶置換だ?なんでそんなモン」 「これは一護の机の引き出しから出て来たものです。どうやら、何かを吹き込まれ、あなたの邪魔になる前に身を消した様ですわね・・・」 「邪魔だぁ?なんでアイツが俺の邪魔になんだよ?」 「今、あなたにお見合いの話をした人がいらっしゃるじゃないですか・・・」 と笑顔なのに怖い卯ノ花が振り返る先には総隊長が居る。皆の視線が一斉に集まる。 「どういうこった?じいさんよ・・・」 ゆらぁ・・と立ち上がる剣八。 「待て、更木。元柳斎殿はこうなるなど・・・」 「テメェ何か知ってんのか、狛村!」 「儂も以前より言われていた事だ。隊長格になったのだから、嫁を娶り、子を生せと・・・」 「それがなんでアイツが居なくなる理由になんだよ!」 「分からぬか?自分が居てはお主が幸せになれんと、そう思ったのだろう。自分から記憶置換を用意してくれと、言っておった」 「あの、馬鹿が・・・っ!」 だから昨日、あんなにも激しく自分を求めたのか?最後にしようと・・・? 「許さねえぞ・・・。勝手に居なくなるなんざ・・・!」 バターンッ!と扉が開かれた。其処に居たのは小さな体で怒りを露わにしたやちる。その後ろには女性陣が居た。 「いっちーが居ないぃいい〜!やだぁ〜!じぃじのばかぁ〜っ!うわぁああ〜ん!ばかぁ〜!いっちー返して〜!うぇっく!ひぃっく!ゲホッ!げほっ!ぶわぁああ〜ん!いっぢぃ〜!」 「やちる・・・!」 わあわあと泣きじゃくる自分の副隊長。長い時間を共にしてきたがこんな彼女を見たのは初めてだ。 「大丈夫だ、やちる。一護は俺が連れ戻す・・・!」 「ひっく!剣ちゃん、いっちー思い出した、えっく!良かった、ふえ、あぁぁあ〜んっ!」 初めて激しく泣いたやちるは高熱を出し、四番隊に預けられた。 魘されながら一護を呼び続けた。 手紙の内容から一護は流魂街へ出て行ったのだと推理した面々。 剣八が自ら探しに行き、やちるの世話は弓親達に任せた。 夜には一度帰って来てはやちるに顔を見せる。それを毎日続けた。 一番隊から仕事が回ってきても弓親が、 「仕事ですか?今のうちで出来る訳無いでしょ?隊長も副隊長もボロボロなのに。一体誰のせいだと思ってるのさ?」 と氷の様に冷たい対応に徹している。だが、総隊長の命令だと言われれば一介の隊士である弓親達では断り続ける事も出来ない。 隊長不在、副隊長は入院。ほぼ壊滅状態である十一番隊に出来る任務など知れている。 その場に居合わせたと言う理由で狛村が手伝いを買って出た。 他の隊も、白哉や恋次、他の副隊長等がやちるの見舞いに行ってどんな状態なのかを知っているので手伝ってくれた。 「剣ちゃん居ない、いっちー居ない、怖いよぅ・・・帰ってきてよぅ・・・!」 思い出しては発作の様に泣き出すやちる。 「いっちー!いっちー!なんでまだ帰って来ないの〜!ホントはあたしが嫌いになったんだぁ〜!うわぁあ〜!良い子になるから帰ってきてよぅ〜!わぁあん!わぁあん!」 「そんな事あるわけ無いじゃない!」 乱菊を始めとするメンバー達がどんなに宥めても、 「じゃあなんで居ないのぉ〜!帰って来ないのぉ〜!うぇっく!会いたいよぉ〜!ひぃっく!わぁあああ〜ん!」 と泣きじゃくり、泣き疲れて眠ってしまうまでそれは続いた。 泣く度にやちるの霊圧は暴走し護廷中の大気を揺るがせる。それもやちるの体に負担となっていた。 泣き過ぎて腫れてしまった痛々しい目元を見る度に、泣きじゃくり衰弱していくやちるを見る度に総隊長への憤りが増していく。 女性死神協会のメンバーからは、 「こんなに泣いて・・・。子供から母親を引き離す様なことよ!」 「そんなんだからその歳まで独り身なのよ!自分のこと棚に上げて隊長だからって結婚しろなんて横暴だわ!」 「生木を裂かれた一護の身にもなってみてよね!」 「人の縁談勧める前に自分が身を固めたらどうなの!?」 と怒りが噴出している。 「確かに酷ぇっすよね。あんなに幸せそうだったのに」 恋次や他の副隊長も憤りを隠せない。 乱菊が仕事を疎かにしても冬獅朗は何も言わず、彼女の分の仕事を片付けた。 一護が居なくなって一週間が経った。 何の進展も見られず焦る剣八。やちるの事も心配だ。 「一護・・・」 眠るやちるの髪を撫でながら遠くを見て一護の名を呟く。 「俺は、お前にとっちゃあそんなもんなのかよ・・・」 なんで一言でも言ってくれなかったのかと思っても詮無いこと。一刻も早く見つけ出さなければ・・・。 一護は流魂街で薬屋の様な事をしていた。 四番隊で身に付けた知識と技術で薬草を見つけては薬を作り、病気の子供や怪我をした子供達を治療していた。 そんな噂が剣八の耳にも入った。直感で一護だと分かった。 西流魂街の端に位置する所に居た一護。ボロボロの小屋では一護と子供達が何かをしていた。 少しでも助けになればと一護は子供達に自分の知識を分け与えていた。何が毒で何が薬になるのか。色んな植物の見わけ方などを教えていた。 子供達がそれぞれに帰っていくと、其処へ誰かが訪ねて来た。 トントン、と小屋の戸を叩く音がした。 「はい、どちらさまで・・・」 と出てみると其処には剣八が立っていた。 「よぉ、久し振りだな、一護・・・」 一瞬だけ息が止まった一護。 「・・・どちら様ですか?ここに何か用でも?」 「何言ってやがる。さっさと帰んぞ!」 手首を掴んで引っ張るが、 「何かお人違いでもしているのでないですか?」 と梃子でもそこから動こうとしなかった。 「人違い何かするかよ。上がるぞ」 と今度はぐいぐいと小屋の中に入り、座り込む。 「座れ」 と顎でしゃくられ、向かいに座る一護。 だが一護は頑なに、 「帰ってください。俺は貴方を知りません。何かの間違い、人違いだ」 の一点張りで最後には三つ指をついて、 「お引き取りを・・・」 と言って顔を上げなかった。 「また明日来るからな」 一旦帰る剣八。 「剣八様・・・どうして?俺を思い出したなんて・・・。俺はまた貴方を不幸にするのですね・・・」 と涙を流す一護。 次の日から一護は姿を隠す様になった。まだこの辺りに居る事は分かるが見つけられない。 霊圧を垂れ流している自分とは違い、制御装置を付けている一護では剣八の方が分が悪い。 そんなすれ違いが何日も続いた。夜になると帰ってくる剣八からそのことを聞いた卯ノ花隊長から、 「では貴方も制御装置を付ければ良いのです。私はここでやることがありますからご一緒には行けませんが、どうかあの子を連れ戻して下さい」 「ああ。当たり前だ・・・」 次の日、制御装置を付け、小屋の物陰に潜んでいると一護が出て来た。外を窺っていたが剣八の気配が感じられないので安心して出掛けて行った。 誰も居なくなった小屋に入る剣八。そこは四番隊の一護の部屋と似て、殺風景な小屋だった。 あるのは替えの寝巻きと申し訳程度の布で出来た寝床。何かの草を乾燥させている。 夜になり、一護が帰って来た。外で隠れて剣八が居るかどうか見ていた一護。一時間もすると居ないだろうと考え、小屋の中に入った。 カタ・・・! 「ふう・・・、日が落ちると寒いな・・・」 両肩を手で擦る一護。 「じゃあ俺が温めてやるよ」 「え、あ!」 暗い小屋の中で何が起こったのか把握出来なかった一護。 「誰・・・!離して!」 「誰が離すかよ!一護!」 「剣・・・!あ」 「は!やっぱり嘘じゃねえか。テメェの嘘は分かりやす過ぎんだよ」 ぎりり、と強く抱きしめる剣八。 「痛い・・・!」 「なんで、俺の傍から居なくなった・・・?」 「知らない・・・!」 「一護!」 一護の着物を破く勢いで脱がせる剣八。 「なッ!何を!」 「お前がそんなに言うなら身体に聞こうじゃねえか・・・」 「な、いや・・・!」 嫌だ嫌だと自分を拒絶する一護に内心傷つきながらも一護を抱いた。 薄い布に横たわる一護。 「お引き取り下さい」 「おい、まだそんな事・・・」 「このような無体を働く方に心当たりなどございません。どうぞ、お引き取り下さい・・・」 一度もこちらを見ることなく拒絶する一護。 「ちっ!明日の朝迎えに来る。逃げんなよ、一護!」 剣八が居なくなって、一護は覚悟を決めた様に着物を着ると救急箱と薬を外に置くと戸を閉めた。 その夜、流魂街の端で火事が起きた。 一旦瀞霊廷に戻った剣八。 卯ノ花が待ち構えていた。 「今日もすれ違いましたか?」 「いや、会う事は会った。明日無理矢理にでも・・」 と一護が居るであろう方向を振り返ると空が赤々としている。 「あれは?火事でもあったのかしら?」 「・・・一護!」 「更木隊長!」 嫌な予感に突き動かされ、一護の元に戻る剣八。 自分の住んでいる小屋に火を点けて燃えていくのを見ている一護。 乾いた木は易々と燃え上がる。もう逃げ場は無い。 「もうこれ以上、貴方を不幸には出来ない。俺はこのまま土に還ります。最初からこうしていれば良かったのに・・・」 轟々轟々 勢いを増す炎。 充満する煙。 「けほけほ!」 もう息が出来そうにない。吸い込む空気は熱く、喉が焼けるようだ。意識も遠のいていく。 そこに駆け付ける剣八。燃える小屋を見て飛び込んでいく。 倒れている一護を抱き寄せ、 「何で逃げねぇ!死んじまうつもりか!」 と剣八は怒鳴るも穏やかな顔の一護。 「早くお逃げ下さい。俺はここに居ます。貴方はこんなところに居てはいけません」 「ふ・・・ざけんな!やっと見つけたんだぞ!絶対にお前も連れて行くからな!」 「駄目、です。どうぞ・・・、どうぞお一人で・・・」 「聞かねえ!黙ってろ」 行く行かないで悶着してるうちに柱が燃え落ちて、逃げ遅れる二人。 「言え、何でこんなことになった?・・・俺が嫌になったか・・・」 「違・・・っ!違うのです!悪いのは俺で、俺の方で!たかが人の模造品の分際で、血と肉を持ち人の様になった化け物が悪いのです・・・。愛しい人の幸せのためには俺は・・・、俺は存在してはいけないのです・・・」 「ばかやろうが・・・!」 二人の着物に火が燃え移る。 酸素も薄くなり、燃えた天井が落ちて来た瞬間、それが氷になり砕け散った。 小屋の外には駈けつけた他の隊長達が居た。 焼けた小屋の中から助け出された二人。剣八は一護に覆いかぶさる形で見つかった。 「隊長!」 「隊長!」 「更木隊長!」 むくりと大きな背中が起き上がった。 幸い剣八は意識を保っていたが一護の意識は無く、剣八の腕の中でぐったりとしていた。白い顔の頬には煤が付いていた。 一護を抱きしめたまま座り込んでいる剣八。周りには隊長格が揃っていたが眼中に入っていないようだ。 「一護・・・一護・・・起きろ、一護・・・」 呼んでも目を覚まさない、あどけない顔で眠る一護を抱きしめたまま、動かない剣八の手足にもひどい火傷があった。 「更木隊長、治療を・・・」 と卯ノ花隊長が声を掛ける。 「来んな・・・」 周りの者に敵意を抑える事が出来ない剣八。目の端に総隊長が入り、 「望みが叶って満足か・・・?じいさんよ・・・」 隻眼で射ぬくように睨みつける。 「口が過ぎるぞ、更木。元柳斎殿とてこの様な・・・」 狛村隊長が窘める。 「じゃあどういうつもりだった・・・!」 一護を抱きしめたまま怒鳴り合う。 (誰か泣いてる・・・誰・・・誰・・・?・・・けんぱち、さま・・・?) 意識が浮上してきた一護が薄く目を開け、剣八を確認すると震える手を伸ばし、その頬に触れた。 「一護・・・?一護ッ!一護、一護、一護!」 「泣か・・・ないで・・・けん、ぱち、さま・・・」 「泣いてねぇ・・・」 急いで四番隊へ運び込まれ、卯ノ花隊長直々の治療を受ける一護と剣八。 二人とも両手足に火傷と煙を吸ったせいで喉に炎症が出来ていた。 剣八はすぐに完治したが、意識の戻らない一護は入院となった。 「やちるちゃんに知らせなくてよろしいので?」 「あいつが起きたら会わせる」 「そうですか・・・」 と一護の傍に付いている剣八。 「少しは休んでくださいね」 と声を掛ける卯ノ花隊長。 「ああ・・・」 とだけ返す剣八。目は一護から離れない。 後編へ続く 11/10/06作 やっぱり長くなっちゃったので三部作に。 卯ノ花さんは山じいにちょっとした嫌がらせをしています。 和食しか食べないじいさんに三食洋食責めです。こってこての味で。飲み物もコーヒー。 そこら辺は後で書こうかなと。 |
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