題「新しいエプロン」 | |
今日も朝ご飯の用意をしていた一護は、エプロンが随分汚れているのに気付いた。 「あ〜あ、シミだらけだなぁ、もう新しいの買おうかな?」 と呟きながら朝ご飯を作り終えた。 買い替えるならにぃにのも一緒に買おうかなと思い付いた一護。 この間うちでおつまみを作った白に割烹着を貸したのを思い出し、後で乱菊さんに相談しようと先にご飯の席に着いた。 お昼休み。 「らーんぎーくさーん、ちょっといい〜?」 十番隊に顔を出した一護。 「なーあーに?一護」 「うん、あのねちょっと相談があるの」 「相談?じゃあ甘味処に行きましょ!」 「うん!」 甘味処にて。 「で?なあに相談って」 「うん、あのね。俺の今持ってるエプロンが大分古くて汚れてきたから新しいのに変えようと思って」 「ふんふん」 「でね、にぃにのも買おうかと思ったの。にぃにはね割烹着が似合うと思うの!」 「ふうん、良いんじゃない?そんな悩む事?」 「ん〜、どんなのが一番似合うかな〜って。乱菊さんセンス良いでしょ?」 と言われて嫌な気はしない。乱菊は水着姿の一護の形の良い尻を思い出し、 「じゃあ今度はミニのエプロンなんか良いんじゃないかしら?白の割烹着はやっぱり純白よね!」 「ミニかぁ、にぃには白いの似合うものね!一緒に買いに行ってくれる?」 「いいわよ!うふふ!楽しみだわ!」 終業後に約束をして一護は帰っていった。 終業後。乾いた洗濯物を畳んでいると乱菊が迎えに来た。 「いっちっご!迎えに来たわよ〜!」 「あ!は〜い!今行くねー!」 「かか様どっか行くの?」 一緒に手伝ってくれていた朔と幾望が聞いて来た。 「うん、ちょっとね、お買い物だよ」 「遅くなるの?」 「ちょっと分かんないなぁ、二人ともお留守番お願いね」 「はあい!!」 「あんたんトコの子供達っていい子ね」 「うん、皆が助けてくれるからね!」 そんな話をしながら乱菊と出掛けた一護。 「どこで買うの?乱菊さん」 「最近新しく出来たお店があるのよぉ!現世の服とかも扱ってるからきっと可愛いエプロンも割烹着も見つかるわ!」 「うん!」 楽しそうに二人連れだってその店まで行くと、中に入った一護が嘆息する。 「すっごぉい!綺麗な物いっぱいあるね!」 乱菊の前では子供に戻った様に甘える一護。 「ふふ!可愛いわね一護。あたしの前じゃずっとそんな子供みたいに笑っててよね」 剣八の前でも甘えてるのだろうけれど、最近少しさみしい。一護が幸せだから良いのだけれど。 「俺もうかか様だもん、でも乱菊さんは特別だよ!」 「嬉しい!」 ギュッと抱き付き一護の顔をその豊満な胸に抱きこんだ。 「苦しいよ、乱菊さん」 「あらごめんなさい」 色々と物色していると一護が、 「今度子供達も連れてこようかな」 と呟いた。 「あら、良いわね。喜ぶわよ」 「うん」 「一護!これはどう?可愛いわ」 と乱菊が見せたのは薄ピンクのエプロンで、フリルで縁取られ、腰紐を結ぶと大きなリボンの様になっていた。 「あ、可愛いね!俺に似合うかなぁ?」 「なぁ〜に言ってんの!似合うに決まってんでしょ!これになさい」 「うん!じゃ次はにぃにのね!」 「そうね、これは?」 「どれ?」 純白の割烹着もフリルで縁取られ、新妻に相応しかった。 「綺麗ね、これにする!」 「あたしが買ってあげるわ」 「え?いいよ!いつもお世話になってるのに!」 「遠慮すんじゃないの!ちゃんと旦那様に見てもらいなさい」 「うん。ありがとう乱菊さん!」 「いいのよ、一護はあたしにとっても弟みたいなものだもの」 くしゃくしゃと髪の毛を掻きまわした。 白の分をプレゼント用に包んでもらい、それを胸に抱いて一緒に帰途に着く。 その嬉しそうな顔を見て乱菊も嬉しくなった。 「じゃ、あたしこっちだから。またね、一護」 「うん!ありがとうね!また明日!」 バイバイと大きく手を振る一護を見送る乱菊だった。 隊舎にて。 「おう帰ったぞ」 「おかえり剣八!見て見て!コレ新しいエプロンなの!似合う?」 剣八を出迎え、新しいエプロンを着けた一護は目の前でくりん!と回って見せた。後ろのリボンが揺れて可愛かった。 「おお、似合う、似合う。お前は何でも似合うな」 ポンポンと頭を撫でてやった。 「えへへ!嬉しいな!ご飯出来てるよ!」 台所に向かう一護の後ろ姿はエプロンのリボンでより形を強調されたお尻がぷりぷりと揺れて誘われているかのように錯覚した。 子供達にも好評なエプロン姿で給仕をする一護。 「で、あれは何だ?一護」 ん?と振り向くと包みがあった。 「ああ、あれはにぃにのだよ、明日持っていくの!」 「ふうん・・・、エプロンか?」 「ううん、割烹着だよ、この間着た時似合うなーって思って!」 喜んでくれるかなぁ?と呟いたのを聞いた剣八が、 「そりゃ喜ぶだろ、お前からの贈り物なんだからよ」 と言ってやった。 「えへ!嬉しいな!」 翌日、新しいエプロンを着けた一護が掃除や洗濯物などを干していると後ろから視線感じた。 ふと振り向くとそこに居るのは剣八だったり、隊士だったり、しかも自分と目が合うのは一瞬遅れるのだ。少し下を見ている様な・・・。 いつもはこんな事無いのになぁ。と思いながら家事に勤しんでいた。 「変なの・・・」 お昼御飯も終わったので白の所にプレゼントを持って行こうと用意をした。 割烹着を渡すのだから何か料理を教えようかなぁと少し悩んで、この間習った料理を一緒に作ろうと決めた。 材料を買い込み、白の所に来た一護。 「にぃにー!来たよ〜」 「おう、一護じゃねぇか。どうした」 とにこやかに迎えた。 第2話へ続く 09/12/20作 第127作目。もうちょっと続きます。 |
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