題「かごめ、かごめ」その後
 剣八は、毎日毎日一護の元に訪れては泊まっていった。勿論、霊圧制御装置は外さない。
「ねえ、疲れない?無理しなくてもいいよ?」
と一護が言えば、
「無理なんかしてねえよ・・・、お前こそ気ぃ遣うんじゃねえよ」
「遣ってないないよー、居てくれると嬉しい・・・」
自然に合わさる唇。
「そうか・・・」
「そうだよ」
そんな会話が繰り返されていた。

卯ノ花隊長から、診察に来なさい。と連絡が来た。
「剣八、卯ノ花さんが診察に来なさいって・・・、明日瀞霊廷に行くね」
「・・・ちゃんと、男の格好しろよ・・・」
「へ?うん、分かった・・・?」
ちゃんと晒しを巻いて、死覇装を着こんで剣八と一緒に四番隊に赴く一護。
「失礼します、黒崎です」
「お久しぶりですね、一護君。その後身体の調子はどうですか?」
「ん〜、出血もないし、痛くないし、月のモノも来てます」
「では、順調のようですね。一応診察をしましょう」
「はい」

検査の結果。傷も塞がり、制御装置も要らないと判断された。
「更木隊長、どうぞ」
「あ、おう・・・」
「一護君はもう大丈夫です。それでお二人の今後なんですが・・・。勇音、席を外してくれますか?」
「ハイ、分かりました」
「んだよ?」
「更木隊長と一護君は、ご結婚の意志はおありですか?」
「俺はあるが?」
「剣八?本当に?変な責任じゃなくて?」
「ああ、当たり前だ。子供もポコポコ産めって言っただろうが」
「う、うん!嬉しいよぅ〜!」
泣きだしてしまった一護。
「では、言いますが、もう性交渉はされても宜しいですが、激しくはなさらないように・・・!」
「ち!わあったよ!」
「剣八!う、卯ノ花さんも・・・」
真っ赤になって俯く一護に、
「一護君、今度こそ元気な赤ちゃんを産みましょうね。私も全力で応援いたします!」
「あ、ありがとうございます!」
四番隊を後にする一護達。
「この後どうすんだ?」
「ん、買い物して帰るよ。晩御飯、何食べたい?」
「あー、お前は?」
「俺は、そうだな。精が付くように鰻かな」
「じゃあ、それにしろ。それと豆腐の吸い物な」
「分かった。定時で終わる?」
「ああ、卯ノ花が裏から手ぇ回してっからな」
「そうなんだ・・・」
そこで別れ、買い物をして帰る一護。

鰻を二尾と豆腐に三つ葉とタレを買って帰る一護。
鰻はもう焼かれてあるので温めてご飯に乗せれば良いだけだ。後は豆腐の吸い物だ。
飯も炊けた。後は剣八が帰ってくるのを待つだけ・・・。

「帰ったぞ」
「お帰り!剣八!すぐあっためるからね!」
「ああ、俺は着替えとく」
「うん」
食事の用意を整え、居間へと持っていく一護。
「ああ、ワリィ。気が利かなかったな」
「良いよ!これくらい。さ、食べよ!今日もお疲れ様!」
「おう」
二人きりで食事を済ませ、落ち着いたひとときを過ごした。
「さてと!腹も落ち着いたし、風呂にでも入るか」
「そう?じゃあ、剣八先に入りなよ」
「馬鹿か、お前も一緒に入んだよ」
「え?え!ええ〜!」
ズルズルと風呂場へと連れて行かれる一護。
「相変わらずでけえ乳だな・・・」
「う・・・、気にしてんだから言うなよな」
「俺は気に入ってっけどな」
むにゅむにゅと優しくではあるが揉んでくる。
「ひゃあ!」
「っと、わり、痛かったか?」
「ううん、た、ただ、他人に触られた事ほとんどないし・・・」
「あー、分かった、ほら髪洗ってやっからこっち来い」
「うん」
髪と背中を洗ってもらい、お返しに剣八の背中を洗った一護。
「湯に浸かるか・・・」
「ん・・・」
二人で仲良く湯船に浸かる。後ろから抱き締める形で一護を抱く剣八に一護が、
「なぁなぁ、子供さあ、たくさん欲しいって言ったけどさ、やっぱ、二人か、多くて三人が良いかな?」
「何だ?急に。金の心配なら・・・」
「違うよ、そんなんじゃない。お金がなかったら俺も働けば良い話じゃん。そうじゃなくてさ」
「なんだ?」
「あんまりたくさん子供居るとさ・・・、こうやって剣八と居る時間少なくなるじゃん・・・」
「そうだな・・・」
「二人くらいなら、その、俺も独り占めする時間あるかなって・・・」
赤くなって説明する一護をギュッと抱き締める剣八。
「蒲団に行くぞ、子作り開始だ。この馬鹿」
「あう・・・!」

蒲団の上。
「痛い・・・かな?」
「まあ、まだ2回目だしな・・・。多少は」
「う・・・、我慢する」
「まぁ、俺も努力するからよ・・・」
「?努力って?」
「ほら、いいから、お前は力抜いて寝てろ・・・」
「うん・・・」
ちゅっちゅっと顔中にキスの雨を降らせる剣八。
「ん、くすぐった・・・」
くすくす笑う一護。
ちゅっちゅ、と耳にまでキスを繰り返し、耳朶を舐めあげ穴に舌を差し込んでは反応を楽しんだ。
「あ!ふっ!ひっ!んん!やあぁ、変な感じぃ・・・」
「じゃあ、こっちに行くか・・・」
豊かな乳房を手の平に納めるがはみ出るほど大きかった。
「くく、食い応えがありそうだな・・・」
ちゅっと吸いつくと、まだ桜色の胸の飾りを口に含んだ。
「あっ!ああっ!だ、め・・・」
「なにがだ・・・」
クリクリと摘まみながら訊いてくる。
「あ、うう、や!痺れる、よ」
もじもじと身をくねらす一護の茂みに手を忍ばせる剣八。
「ひゃあ!」
「ん、濡れてんな・・・」
「な、何するの?」
「なるべく痛くねえようにするんだよ、寝てろっつーの」
「ん」
身体を倒した途端に、熱く柔らかいものが秘部に感じた。
「きゃぁ!な、なに!あ!あ!け、剣八ぃ!な!何してるのぉ!ひぃん!」
くにゅ、と中に舌を入れられた。
クチュクチュと音が響いては、敷布まで濡らしていった。
「ん、んああ・・・、は、はああ!あああん!」
ぴく!ぴく!と震える一護。
「な、何これぇ・・・、怖いよ・・・剣八ぃ・・・」
「怖くねえ、怖くねえ、世の女はやってる事だし、お前を抱いてんのは俺だけだ・・・」
「う、うん・・・、ね、手、握ってて?」
「ああ・・・」
片手を握ってもらい安心する一護。
「あう!ふうん!や、やらぁ・・・、もう、もうゆるしてぇ・・・」
舌と指による何度目かも分からない絶頂に呂律も回らなくなった頃、漸く剣八は一護に自身を宛がった。
「行くぞ、一護・・・」
「うん・・・」
とろん、とした目で頷く一護の中に入っていった。
ピリッとした痛みを感じたがこの前ほどではなかったので我慢出来た。
「う、あんん、おっきいよう・・・」
「くっ、痛えか?」
「前ほどは・・・。あ、っはあ、動いて、いいよ」
「一護!一護!」
優しくしようとは思うのに、身体が言う事を聞いてくれなかった。
ぐちゅぐちゅ、と一護の中を掻きまわしては、二人で果てた。
「はぁあああ!もうだめぇ!」
と気絶してしまった一護を抱き締める剣八。
「うく!い、ちご!」

数週間後、また月のモノが来ないので卯ノ花隊長に貰った試薬で診て見ると。

陽性。

「帰ったぞー」
剣八が帰って来て、居間に入るとぼーっとしている一護が居た。
「??どうした?一護、熱でもあんのか?」
「け、剣八・・・!あ、あの!あのね!ちゃんと検査しないと分かんないけど・・・」
「まさか・・・、お前・・・」
「あ、赤ちゃん、出来た、かも・・・」
「ホントか!」
「妊娠判定試薬じゃ、そう出たよ」
「今すぐ、卯ノ花んとこ行くぞ!」
一護を担いで瞬歩で四番隊へ向かう剣八。
「更木隊長、手荒なマネはよして下さい。安定期に入るまで危険なんですから!」
診察の結果はオメデタ。
「おめでとうございます。一護君、更木隊長」
「ありがとうございます」
「おう・・・」
「産まれるまでは仕事に復帰はしないで下さいね?でもいつでもここに来て下さい」
母子手帳を渡され、帰る一護達。
「五か月までセックス禁止だとよ。つまんねえな・・・」
「浮気しちゃ、だめだよ・・・・」
「しねーよ、ばか。そんな心配よりはガキの心配しろ」
「うん・・・」
照れた様にけれど誇らしげにお腹を撫でる一護。

十月十日後、無事に元気な赤ん坊を産んだ一護。
一護によく似た黒髪の女の子。
「良く頑張りましたね、一護君」
「はい・・!」
「さ、更木隊長、貴方の娘さんですよ」
「う、おお・・・」
なんと言っていいか分からない剣八。だが一護の顔を見た途端、
「あ、う、産んでくれて、ありがとうな・・・」
と一言だけ呟いた。それは一護にだけ聞こえた。
「うん・・・」
幸せそうに笑う一護に、卯ノ花隊長も安心した。

退院した一護に、乱菊が着物をプレゼントした。薄い桃色の生地に銀糸で牡丹を刺繍したモノだった。
それを着せられて、何故か隊首会へと連れて行かれた一護。
「あ、あの、剣八?赤ちゃん泣いちゃうから」
「良いから黙ってろ」
「はい」
「して?何故ここに黒崎がおるのかの?更木よ」
「俺の嫁だ!紹介しとく!因みに抱いてんのはこないだ生まれたばっかの俺の子だ」
「なっ!」
「よ、よろしく・・・」
「なあ、剣八、式は挙げたのかい?」
隣りの浮竹が訪ねた。
「いいや、まだだ。暇になったらな」
「俺は良いよ?この子と剣八が居ればそれだけで」
にっこりと笑う一護。
「良い奥さん見つけたねえ、剣八さん」
「めでたいじゃないか!俺にも抱かせてくれないか?」
「良いですよ」
「おい・・・」
「おお!あったかいなぁ」
ニコニコ笑う浮竹。
「ふあ」
「おや、泣くかな?」
と京楽。
「むう・・・」
と落ち着いた娘。
「冬獅朗も抱くか?」
「いや・・・、遠慮する・・・(首取れそうで怖ぇ)」
「そう、遊んであげてね?」
「あ、ああ」
「ほら、狛村、君も抱いてみなよ」
「む、儂は赤児なぞ抱いたことが無い・・・」
「大丈夫ですよ、ほら、こうやって、こう・・・」
と一護が抱かせる。
「う・・・」
「ふぅぅ、あうー?きゃっきゃっ!」
と笑い皆を和ませた。
「あの、抱いてくれますか?」
と一護が総隊長に我が子を見せる。
「うむ・・・」
慣れた手つきで抱く総隊長。
「無垢なる魂か・・・。名は?」
「まだ決めてねえ。俺が付ける」
「そうか、決まったら儂の所へ来るが良い。儂が直々に書いてやろう」
「そうかよ・・・」

この後十一番隊でも同様に騒ぎが起こった。
「おっまえ女だったのかよ!」
「うん、そう。黙っててごめん」
「いや、いいけどよ。で、それ誰のガキなんだ?」
「け、剣八・・・」
「は・・・?」
「俺の子だ。文句あんのか?一角」
「マジですか?」
「ああ・・・」
「言っちゃああれですけど髪以外一護似ですねー」
「娘なんだから丁度良いじゃねえか」
「ああ、女の子なんですか。良かったね一護君。副隊長、妹さんが出来ましたねー」
「うん!ありがと!いっちー!」
「ううん。俺こそ、産めて良かった。ありがとう、剣八。皆もありがとう」
「もう良いから、帰るぞ」
「非番ですか?隊長」
「ああ、自主非番だ」
「そうですか、では」
「さぼりじゃん」
そう言う一角の顔も笑っている。

「名前、どうするの?」
「さて、考えてなかったな、ゆっくりでいいか?」
「うん」


その後2へ続く





09/06/17作 その後のお話です。白雪さんへ。名付け親になってくれますか?





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