題「新婚旅行」6
 蒲団の上で、一護と剣八の二人は、
「にぃに、発情期みたい・・・」
「はん?なんだいきなり」
「うん、いつもと匂い違ったから・・・。子供出来るかもね」
嬉しそうに笑った一護。
「ふうん、で、お前は?」
「まだだよ?欲しいの?」
「3人も居りゃあ上等だ・・・、ただよ、あん時のお前ってすんげえ乱れるからな、そそられんぜ」
ちゅ、と額にキスした。
「ばか・・・」
そんな会話をしていた。
「ほら、続きすんぞ?こっち向け」
「ん・・・、ね、窓閉めて・・・」
「良いじゃねえか、別に」
「やだよ・・・、は、恥ずかしい・・・」
「恥ずかしいねぇ・・・、お前の兄貴はノリノリだけどなぁ?」
「え?」
一護が耳を澄ませると隣りの部屋の声が聞こえてきた。

『なあ春水、もっと・・・、な?』
『白、そんなに大きな声出しちゃ隣りの一護君に聞こえちゃうよ・・・?』
『んん!だって・・・、身体の奥・・!疼くんだ、ね?春水ので鎮めてよ・・・』
「にぃに・・・」
「な・・・?だからお前も気にすんなよ」
ちゅっと耳にキスをした。
「ひあん!」
先程の熱が燻っている一護はそれだけで火が付いた。
「け、剣八のばかぁ・・・」
結局朝方まで鳴かされた一護と、気が済むまで搾り取った白でした。

「おい。朝だぞ一護」
「ん〜・・・、もう?もうちょっと寝たいよ・・・」
「早く起きねえと飯喰いっぱぐれるぞ?それとも朝から鳴くか?」
ガバリ!と起き上がる一護。
「くく!早く起きりゃいいんだよ、今日は海で遊ぶんだろ?」
「ううー、剣八の馬鹿!」
寝巻きのまま、居間の方まで行くともう見んな集まっていた。白の隣りの京楽は心なしかやつれていた。
「おはよう、一護。アンタで最後よ」
「そうなの?待たせてごめんね」
「別に良いわよ、新婚家庭に口出しするほど野暮でもないわよ」
「? ありがと」
「おら、飯喰うぞ。今日は夕方までには帰るんだからよ」
「え!そうなの?楽しい時間って早いなあ」
朝食を食べながらそんな事を言っている一護。
「ご馳走様!今日のご飯もおいしかったね!」
「かか様!今日はみんなで西瓜割りするんだってー!」
「なぁにそれ?」
「あのね、目隠しして、すいかを割る遊びだって!」
「へえ!面白そう!じゃあ、早く水着に着替えよ」
「はーい!」×2

 子供達が着替えて出ていくと剣八が部屋に戻ってきた。
「どうしたの?忘れ物でもしたの?剣八」
「ああ、まあな」
ガサガサと紙袋を取り出すと一護の向って放り投げた。
「わっ!何これ」
「開けてみろ」
「うん」
ガサガサと中身を取り出すと、ピンクの水着が出てきた。しかもビキニタイプだ。
「剣八?コレって・・・」
「お前こないだ誕生日だったんだってな」
「たんじょーび?何それ」
「お前が生まれた日だ。朔や十六夜、幾望が生まれた時祝っただろ。一年ごとにその日を祝うもんなんだよ」
「へえ〜そうなんだ。で、何の関係があるのこれ」
「誕生日プレゼントだ、そういうのやるもんなんだよ。別に物じゃなくてもいいんだけどよ」
「ふうん、嬉しい!これ着てもいいの?」
「ああ、今日だけな」
「良いの?良いの?ほんとに良いの?」
「ああ、いいから着ろよ」
「嬉しいな!嬉しいな!ありがとう!剣八、大好き!」
「俺は先に出てるからな!」
「うん」
一人になった一護は水着を上下逆さまにしたり、裏表向けたりしながら眺めて、漸く着替え出した。

 水着の上には白いパーカーを着て浜に降りてきた。
「剣八!お待たせ!」
「おっせえぞ!一・・護・・・!」



「えへへ!似合う?似合う?」
「ああ、ぴったりだな」
「あらぁー!一護ってば可愛い水着じゃないの!」
「うん!剣八がね、くれたんだよ!」
「良かったわね。それにしてもあんたってばホントに子供3人も産んだの?全然スタイル崩れてないじゃない」
「そう?良く分かんないや」
こてん、と首を傾げる一護。
「可愛いわね一護。ソフトクリームでも食べましょ」
「俺食べたこと無いよ!」
「あらそうなの?美味しいわよ〜、さ、更木隊長もどうぞ。一護狙われますよ」
「うっせえよ」
チラチラとめくれるスカートの部分から覗くパンツの部分や足の付け根に目を奪われた。

 海の家に着くと子供達は既にソフトクリームを頬張っていた。
「あっ!かか様、新しい水着だ!かっわいい!」
「可愛いです!かか様」
「えへへ、ありがと。美味しいか?」
「うん!色々味があるの!あたしチョコが好き!」
「僕はバニラと抹茶が好きです」
「冷たいお菓子は食べすぎたら駄目だよ?お腹壊すからね」
「「はあーい!」」
「一護、あんたは何味食べるのよ?」
「ん〜と、バニラとチョコって一緒に出来る?」
「出来るわよ、ちょっと待ってなさい」
「うん。剣八は?」
「俺はいい」
「ふうん・・・」
「ハイ!お待たせ!」
「わぁ!ありがと!乱菊さん!」
「落としちゃだめよ」
「はあい」
ペロペロと舐め出す一護。
「あまぁい、冷たくて美味しい!」
「良かったな、一護。溶けないうち喰っちまえよ」
と恋次が話しかけてきた。
「うん!恋次のおっきいね。お腹壊さない?」
「へーきへーき!これっくらい!」
「へえ、すごいねぇ!」
「一護、下の方から溶けてんぞ・・・」
剣八が言うと、
「あ、ホントだ、ん・・・と」
れろ・・・、と舐めあげてパクリと食べた。
「っっ!」
口の端を舐めると一護が、
「どうかした?恋次」
「い、いや!別に!」
「ふうん」
とペロペロと舐め始めた。赤い舌がチロチロ出ては、ゆっくり下から上へと舐めあげる様は何か別のモノを見ている気にさせ、そこにいた男たちは目のやり場に困っていた。
「ん?あっ!にぃに!ソフトクリーム食べたぁ?すっごく美味しいよ!」
「おー、今喰ってるよ」
と京楽と向かい合って一つのアイスを舐めていた。
「あー、いいな。にぃに俺もやりたい」
「あん?こっち来いよ」
「そじゃなくて剣八とさ・・・」
「ああ、やりゃあ良いじゃねえか」
「そ、だけど・・・」
「しゃあねえな、こっち来い口のまわりにいっぱい付いてんぞ」
と、一護の口の周りを舐めた。
「ん、ぷ!ありがとにぃに。にぃに達のアイスは何味なの?」
「ん?俺は抹茶が良かったんだけどよ。春水の奴嫌いだなんて抜かすから、バニラにした」
「ふうん、今度一緒に食べよ?」
「おう、一護手に掛ってんぞ」
「あー、溶けてきちゃった・・・」
指や手の平に付いたアイスを舐め取っていると剣八が背後から手を取った。
「わ、あ、剣八どうしたの?」
「早く喰えよ、溶けてんじゃねえか・・・」
一護の指ごとアイスを舐めていった。
「んんっ!やん!」
「・・・変な声出すんじゃねえよ、ほれさっさと喰え」
「う、うん」
しゃくしゃくとコーンの部分まで食べ、手を洗いに行った一護。戻ってくると幾望が泣いていた。

「うあぁあん!わあぁああん!まんまー!まんまー!」
「ああ、ミルクだね、ちょっと待ってて」
手早くミルクを作って飲ませてやる一護。
「んっく、んっく、ちゅっちゅう、ちゅく、ちゅく」
と吸いながら一護の胸を揉んでいた。
「まだ癖が抜けえねえんだな」
と白。
「うん、そうみたい」
そんな様子を鼻の下を伸ばして見ている京楽と剣八が、
「いやぁー、なんて言うのかな、天上の華が咲いたようだねぇ・・・」
「・・・そうだな」
「おや珍しい、剣八さんがそんなこと言うなんて」
「テメェみてえにいちいち口にしねえだけだ」
「でもたまには言ってあげるのも良いんじゃないの?興奮するんじゃない?」
「お生憎様だな、褥じゃちゃんと言ってんよ」
と惚気合いをしていた。

 おむつも替えて手を洗い終えると、皆が西瓜割りをするので準備していた。
「ねーねー、剣八もやるの?」
「ああ?スイカが木っ端微塵になってもいいならな」
「んー、だめ。一緒に食べたいし」
「んじゃあ、見てるしかねえわな」
「退屈じゃない?」
「ああ、それよりお前がやってみろよ、木刀持つの久し振りだろ」
「え?うん、割れるといいな!」
「おい、松本、一護が西瓜割りてーってよ!」
「あ、はーい!こっちおいでなさい、一護」
「うん!」

 乱菊の所まで走って行った。
「どうやるの?これ?」
「まず目隠しをして、ぐるぐる回ってから周りの声の誘導で西瓜を探して割るのよ。分かった?」
「うん、大丈夫かな?」
「そんなにひどく回さないから平気よ」
と目隠しをされ、木刀を持たされくるくると回された。
「はい、スタート!」
「一護!前よー、ゆっくりとねー」
「あー行きすぎだぞ!右右!」
「え?右?右だね?」
「違う違う!また行きすぎた!今度はちょっとだけ左!」
「一護!そのまままっすぐだ!」
「あ、にぃにだ。まっすぐね!」
「かか様!がんばってー!」
「そこです!かか様!」
木刀を振りかぶって、思い切り振りおろした。
何かにガツッと当たって、パカッと割れた音と甘い匂いがした。
「キャー!やったぁ!かか様、カッコいい!」
「すげぇな一護!」
目隠しを取ってもらうと、西瓜は綺麗に真ん中から割れていた。
「もーっとぐしゃぐしゃになるかと思ったけど、一護あんたすごいわねぇ」
「うむ、一護の剣の筋は良いからな」
と白哉が褒めた。
「えへへ、白哉や恋次の教え方が上手かったからだよ」
と返した。
「一護、お前こいつ等から剣を教わったのか?」
を白が聞いてきた。
「うん、基本だけね。後は剣八とか一角とかが教えてくれたよ」
と皆で西瓜を食べながらおしゃべりをした。
「怪我させられてねえだろうな!」
「稽古なんだからする時はしちゃうよ」
と苦笑する一護。

 恋次と修兵が西瓜の種の飛ばし合いで競っていた。
「あ、すごーい!なんでそんなにいっぱい飛ぶのー?」
「ガキみてぇな事聞いてんな、お前種は?」
剣八に小突かれて、
「食べたけど?ねえ?」
と白の方を見た。
「ああ、あんなもん出す方が面倒だ」
「まあ、俺も食う方だけどよ、ふうん。おし、一護、今日は海で遊ぶんだろ、入るぞ」
「わあい!俺初めて!」
浮き輪を一護に持たせて連れていく剣八。
「ん〜、あれはしばらく帰って来ないわねぇ。恋次!修兵!あんた達朔と遊んでやってよ。素潜りとかで貝とか捕って遊んでやってよ。十六夜と朝月はこっち!日焼け止めは塗ったの?」
「うん!かか様が塗ってくれたの!」
「そう。じゃ、朔と恋次と修兵でお昼のおかず捕って来てね!頑張って!朔!」
「はい!」
「おーし!じゃあ、水中メガネがいるな、借りてきます」
「おう!しかし朔お前らも大変だな」
「何がですか?とと様とかか様が仲が良いと僕達は嬉しいですよ?」
にこっと笑う朔に修兵は絶対に一護に似たんだと確信した。


第7話へ続く





09/07/22作 剣八からの誕生日プレゼントの可愛いビキニは「絶対零度」の柚木さんが書いてくださいました。白の水着もね。柚木さんありがとうございます。

今回はエロまで行かなかったですが次は・・・?
朔の素潜りはどうなりますか?



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