題「雨」4
 連れて行かれたのは、剣八の部屋だった。
「何すんだよ!離せよ!」
「うるせえ・・・、なんで京楽と討伐に行ってた・・・」
「そんなん俺の勝手だろ?それよりなんで此処に破面が居るんだよ!そっちの方が問題だろうがよ!」
「ピーピーうるせぇガキだな?些細なこったろーがよ」
「些細なこと?何言ってんだ?虚のくせに・・・なんでここに、この部屋に居んだよ!」
「ちょっと手合わせしてただけだ。それに、こいつが勝手に来るんだから、しゃーねぇだろーが」
「だからって、あんな・・・コト・・・!」
「はっきり言えよ」
「あー、セックスだろ?俺ぁ、別にお前からこの男を取ろうとしたわけじゃねぇから、安心しろって」
「う、うう、剣八のばかぁ!」
一護が飛び出していった。
「おい、一護!」
「あーぁ、出てっちまったぜ?どーすんだ」
「うるせぇ」
剣八も後を追い掛けた。

一護は、小さな茂みの中で震えながら声を殺して泣いていた。
「・・・一護」
びくん!と身体を震わせる一護。
「帰んぞ・・・」
「やだ・・・、アイツ・・いる・・・」
「あいつなら、迎えが来て帰った」
『俺ぁテスラが迎えに来たから、帰るけどよ。お姫様、連れ戻しとけよ?』
「って言って帰ったよ」
「ほ、ホント、か?」
「ああ、ほれ帰んぞ」
「う、うん・・・」

剣八の部屋に戻っても一護は中々泣きやまなかった。
「取りあえず、泣きやめよ。・・・ん?」
「なに?」
「・・・なんだ首のそれ・・・」
「首?」
自分の首をさする一護。
「なんかあんのか?」
「鏡で見てみろ・・・」
「?」
「あ、赤い、なんだこれ?」
考え込む一護は京楽の事を思い出した。
「誰に付けられた?」
「え・・」
「俺以外に付けさせたのか?」
「何言って・・・。大体お前が言う事かよ?」
「うるせえよ・・・。どこまでやった?」
「離せよ・・・怖い・・・」
「怒ってんだから怖ぇのは当たり前だ」
グイッと一護の髪を鷲掴みにして上を向かせた。ブチブチと髪が抜けたが一護の表情は変わらなかった。
「んっ!んん!」
噛み付くような口付けで唇が裂けた。剣八の口の中にも血の味が広がった。
「んん、ふぅ、あっ」
熱い舌が咥内を掻きまわしても、ヌル付く柔らかいモノが這いまわっている様にしか感じない一護。
「一護・・・」
「あっ!」
ひくん!と反応を返す一護。名前を呼べば反応するのに、痛みには何も反応しなかった。

剣八は一護を裸に剥くと身体中に愛撫を施した。反応はイマイチだったが名前を呼ぶ度にヒクついた。
「一護・・・、一護・・・、一護・・・」
「あ、いや、いや、やだ・・・」
首を横に振り、弱々しくではあるが拒絶の言葉を繰り返す一護に剣八が、
「何が嫌だ・・・、もうグズグズだろうがよ・・・」
そう言うと自身を宛がうと一気に奥まで埋め込んだ。
「う、うああ・・・!」
「く・・・」
「あ、はあ・・・、うああ」
突かれる度に内臓がせり上がる感覚に襲われる一護。
ずるり、と抜かれる度に内臓が引き抜かれるような錯覚に襲われた。
「うあ、いやだ、いやだ・・・」
快感など感じなかった一護。
「一護・・・!何が嫌だ、勃ってんだろ・・・」
「やだ・・・、気持ち良くない!離して!離してよぅ!」
泣きながらばしばしと剣八の顔を、身体を叩く一護。
「一護!」
勢い余って頬をぶってしまった剣八。
「ッ!・・・あ」
「わりぃ・・・一護・・・」
「やだ、やだ、やだぁ!」
「一護!」
「やだぁ!離せ!離せぇ!」
口の端から血を流し暴れる一護。
「一護・・・!」
「離せぇ・・・お前なんか嫌いだぁ・・・!お前・・・なんか」
「・・・一護・・・」
うっうっ、と泣き続ける一護を顔を顰めて見る剣八。
「・・・取りあえず、イケよ・・・」
グッと腰を動かし、前立腺を刺激した。
「うあ!あ、う、う、あ?ああぁあん!」
きゅうう、と剣八を締め付け、ビクンビクンと痙攣する一護だったが、何も吐き出されなかった。
「はぁあ、あうう、なんだ?今の・・・?」
「ドライオルガスムス・・か」
「?」
はあ、はあ、と息も荒い一護の中でまだ息づく剣八。
「あ、う、まだ・・・」
「勝手にイク、ほっとけ・・・」
宣言どうり勝手に動いた。ズルッと抜き取ると、
「くっう!」
びゅくびゅくと一護の身体に撒き散らした。
「んああ!な、何しやがる・・・!」
「うるせえよ・・・!これでもう変な虫も寄って来ねえだろ・・・」
ぐちゃぐちゃと塗り込めるように一護の身体を撫で廻す剣八。
「い、や!気持ち悪い・・・!」
「ふん・・!風呂に行くぞ・・・」
抱き上げられ風呂へと連れて行かれる一護。
いつもより優しく扱われた気がした。
家に帰ると言って聞かないので現世へと返した。
それから一護は姿を現さなくなった。

 2週間後。
「今日も来ませんね。一護君」
弓親に言われた。
「うるせえ・・・」
「隊長も悪いんですよ。一護君はまだまだ子供だって分かってたでしょ?セックス・フレンドなんて理解できないし、心変わりとどう違うかなんて判別できないですよ」
溜め息と共に言われた。
「コレでも俺はあいつを特別扱いしてたつもりだがなぁ・・・弓親?」
「僕に凄んだってしょうがないでしょ?ご自分で蒔いた種ですよ」
「ちっ!出掛ける!」
「・・・ごゆっくり」
「ケッ!」
何処に行くのかなんてお見通しってか。
剣八は現世へと一護の元へと向かった。

現世。
その日の黒崎家は閑散としていた。父親が学会とやらで一泊留守にしているし、妹達も友達の家に泊まりに行っている。
遊子は一護しかいないのなら自分も残ると言っていたが、
「遊子はいつもいつも家事で大変なんだから、一日位休んで良いんだぞ」
と言って送り出した。申し訳なさそうにしながらも楽しそうに出掛けていった。
「さ、俺はまだ学校があったなー」
半どんとは言え面倒くさいな。と思いつつ学校へと向かった。


第5話へと続く





09/06/30作 一護の嫉妬全開でした。 取りあえず剣八とノイトラはセフレ程度の関係です。
さて、次回はどうなりますか?

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