題「変化」第7話
自分の腕の中ですやすやと眠る一護の髪を梳きながら剣八は、出来る事ならここからずっと出したくはない、誰にも見せたくはないと思っていた。何故こいつは女の身体になっちまったんだ?俺のせいか?それでも離れられそうにない自分が可笑しかった。
さっきだって、すぐそこに居るのに腕の中に居ないだけでイラついた。左手、薬指の歯型に口付けしては、抱き締めた。
「んん、ふうん・・」
「一護・・・、ワリィ・・・」
お前が壊れたら俺のせいだな・・・。それでももう、誰にも渡せそうにねえよ・・。そう思いながら剣八も眠りに就いた。
 次の日は非番だったのでゆっくりめに起きた。
「ふふふ、くすくす、剣八起きろよ。お昼になっちゃうよ」
「ん・・、そんな時間か・・・」
「うん、勿体ないから早く起きて?」
「で?なんでお前は俺の上に乗っかってんだ」
「ふふ、寝顔ずっと見てたの」
「あん?退屈だったろ」
「ん~ん、全然!いつもと同じに綺麗だし、見てると幸せだよ・・」
「一護、来い」
「ん・・」
引き寄せて口付けた。
「もう、朝から・・・」
「良いじゃねえか、非番なんだしよ」
剣八は一護の緋襦袢の袷から手を入れ、乳房を揉んだ。
「んん、は・・」
「ちっとでかくなったな」
「そう?」
「ああ、やわらけぇ・・・」
顔を埋める剣八。その頭を撫でる一護。すぐに組み伏せられた。
「あん、ご飯もまだなのに・・・」
「飯よりおめぇが良い」
ちゅっと乳房に口付けた。その頂点の小粒を口に含んで、舌で堪能する。
「んっ、ああ・・剣八」
「何だ?どうした」
「ん、気持ちいい・・」
「そうかよ・・・」
軽く歯を立てた。びくっと跳ねる身体が愛しくて・・・。
「可愛いな、一護」
「や、それ言うなぁ、ばかぁ」
くくっと笑うと、また歯を立て周りを舐めた。
「ふあ、あ、あ、剣八・・・」
白い肌と緋色の襦袢が艶めかしい。ちらちら覗く足の付け根に手を這わす。
「あっ!やぁ、だめ・・・」
「もう濡れてんぜ・・・?」
「ばかぁ・・・」
「なぁ、何でこんなになってんだ?」
「~!剣八が俺に触るからだっ!あぅっ、け、剣八が・・、剣八だけだもん」
「一護・・・、入れていいか?もう待てねえよ・・・」
太腿に熱く滾った剣八自身が触れた。
「あ・・、うん、奥まで来て?」
「ああ、お前の中に全部入れてやる」
「ふふ、嬉しい・・・」
くちゅっと触れるとゆっくりと優しく奥まで這入っていった。
「あ、ああん、熱い、け、剣八ぃ・・・」
「く、お前ん中も熱いがな・・、それに蕩けてるぜ・・・」
「やあぁん、あっ、あっ、すご、びくびくしてる」
「動くぞ・・、一護」
「う、うん、きて」
剣八が腰を動かす度に卑猥な水音が大きくなり、一護は興奮していった。
「ひっ、あっ、んん、善いっ、気持ち良いっ剣八、も、もう、イク、イッちゃう!」
「イケよ、まだ可愛がってやる。時間もあるしな」
「ふあぁん、剣八ぃ・・、んあっあー!」
その締め付けに持って行かれまいと腹に力を込める剣八。
「くっ!」
「ん、はぁ、はぁ、剣八、もっと・・」
「いいぜ、望むところだ。今度はお前が動いてみな」
「ど、どうやって?」
「俺が仰向けに寝るから、上で好きに動けよ」
「ん、やってみる・・・」
繋がったまま上下を入れ替わる。
「んん、あふ、こ、これ、深いよ」
「気持ち良いだろ?」
「あ、ああ、ち、力入んないよぅ・・・」
ふるふる震える一護の腕、腰を突きあげてやった。
「はぁっん!ばかぁ、あ、あ、ま、またっ・・・」
「おい、自分で動いてイケよ・・・?」
一護は剣八の腹に手をついて身体を支えて、腰を持ち上げた。自分の中からずるりと抜ける感覚にゾクゾクしながら、腰を落とした。
「ああんっ!お、奥まで、きたよぅ、剣八、奥にいる・・・」
ずるりと際まで抜くと、
「あ、んん、で、でてっちゃやだぁん・・・」
舌舐めずりをしながら剣八が一護の両の乳房に手を伸ばした。
「ひんっ!やぁっ、あ、剣八?だ、駄目・・・、そんな、あんん、んっ!んん!はあ!あっああーー!」
ひくひくと自分の上でヒクつく一護にかぶりつく剣八。
「はあんっ!あ、あ、もう、動けないよ・・・」
「俺が動いてやるよ・・・、一護、俺のだ・・・、俺のもんだ・・・、誰にも渡しゃしねえ・・・」
「・・?、俺はお前の物だよ?他の誰でもない更木剣八のだよ・・・」
対面座位で抱き合って、そう囁いた。中で大きさが増した。
「あ・・ん、剣八・・、またおっきくなったよ」
「てめえが、そんな事言うからだ。もう我慢きかねえ、中で出すぜ」
「いつもそうじゃん、今更だよ。でもたくさん出して?」
「当たり前だ・・・、孕んじまえ」
「ふふっ、うれしい・・・、きて」
「おう」
「ああ・・・、ん、気持ち良い、剣八の匂いがするよ」
「お前の匂いもするがな」
その後、数え切れないくらい受けとめた一護は、剣八の上で微睡(まどろ)んでいると、誰かの気配で目が覚めた。
「剣八、誰か来たよ」
「んん?一角と弓親だな」
「なんで?今日、お休みでしょ?」
「ああ、何かあったか?」
きゅっとくっ付いてくる一護が可愛かった。
「失礼します、一角と弓親です。隊長・・・。言い難いんですが、入って良いですか?」
「入れ」
「失礼しま・・・」
二人の目に入ったのは、緋色の襦袢を着て、剣八に跨る一護だった。
「何の用だ?非番のはずだろ」
「ええっと、あの、見合い相手覚えてますか?その家が今来てまして、隊長を出せと・・・」
「ほっとけ。構うな」
「いえそれが、総隊長も来てまして、そういう訳にも・・・」
「ちっ!風呂に入る」
一護が退く。風呂の方に消える剣八を見送ってから、二人を見据えた。殺意のこもった目。
「「・・・・!」」
「おい、一護、早く来い!」
「んー」
ゆっくり立ち上がる一護。
パキンとまたひとつ、ひびが入った。
緋色の襦袢から覗く白い裸体から目が離せない二人。くすり、と笑って風呂へ急ぐ一護。
「っふは~、怖かった。一護ってあんなに怖かったっけ?」
「さあ・・・、今、違うから、何とも」
一緒に風呂に入る剣八と一護。
「む~、楽しみにしてたのに!」
「そうだな、ったく」
くしゃくしゃと頭を撫でられる。
「すぐ帰ってくる?」
「分かんねえな、山爺の話は長ぇからな」
「今日中には帰る?」
「そうだろ、お前はちゃんとあったかくしてろよ?腹とかな」
「うん・・・」
チュッとキスをする。
「夕方までには帰って来てね?」
「なるべく切り上げて、そうするか」
剣八は着替えて、一護は襦袢のまま風呂から出てきた。
「じゃあ、行ってくる」
「いってらっしゃい」
3人を見送る。
「あの、隊長・・・」
「あ?なんだ、一角」
「怒ってます?」
「別に?怒られてえのか?」
「いいえ!一護、大丈夫ですか?」
「お前にゃ、関係ねえ、で?どこに行きゃあいいんだ?」
「いつもの隊首会の部屋です。あの女もしつこいですね、あぁ、醜い」
弓親が呆れたように言って溜め息をついた。
「ふん、どうせ当て擦りだろ。馬鹿らしい」
早く帰って一護の顔が見たかった。ったく休みだってのによ。
隊首会の部屋には、他の隊長も集まっていた。
「なんだあ?大仰だな、たかが、見合い断ったぐらいでよ?」
「たかがのぉ・・・、更木よお主黒崎をどうした?」
「どうもしてねえよ。何が言いたい?じじい」
「お主の見合いの日から姿が見えんでな、もしやと思うての」
「俺はその日に別れ話持ち出されたがな」
ふんっと鼻を鳴らした。
「そんな話がしたいのか?なら俺は帰らしてもらうぜ」
「まだ話はある。まあ、落ち着け」
「けっ!」

その頃の一護は一人、もんもんと過ごしていた。
剣八、また怒られてるのかな?見合い相手って何か言ってきたの?怖いよ、早く帰って来て・・・、剣八。
部屋の隅で膝を抱えて縮こまっていた。
いつになっても剣八が帰って来ない事に限界を迎えた一護。外はもう陽がかげっていた。居てもたってもいられなくなり、部屋を飛び出してしまった。
外に飛び出すと、やちるに見つかった。
「あっー!いっちー、どこ行ってたの?会いたかったんだからあ」
飛びつかれて、慌てて抱き止め、改めて抱き締めた。
「久し振り、やちる、俺も会いたかったよ。元気だったか?」
「うん!いっちー、おっぱい大きくなったね。気持ち良い」
「ん、そうか。なぁ、剣八は?まだか?」
「あら?まだ居たの?あなた。うろつかないでって言ったでしょう?」
「誰だ?まあいいや。剣八は?まだ帰らないのか?」
「いっちー?どうしたの?おかしいよ?」
「ちょっと!あたくしの話を聞きなさいよ!人間風情がっ!」
その騒ぎに一角と弓親が姿を現した。
「どうした?一護」
「剣八は?どこだ?帰らないんだ。家に居ない・・・」
「一護」
「ちょっとっ!あたくしを誰だと思ってるの!あたく・・・!」
「お前・・・、うるさいよ・・・?」
一護が貴族の女の首に手を伸ばし片手で持ちあげていた。
「お前の話なんか聞いてない。剣八は?どこに行った・・・」
「一護!手を離せ!言うから、教えるから落ち着け!」
手を離すと座り込み咳き込む女を首を傾け見降ろしながら、
「どこ?」
と訊いた。
「こ、この淫売!あたくしにこんな真似して唯ですむと思ってるの!」
「下品だね。君、本当に貴族なの?朽木隊長を見習いなよ。まあ、見た目からして無理か」
弓親が言った。
「なっ、なっ」
「一護、隊長は、隊首会の部屋にいるはずだ。行きたきゃ行けよ、そのかわりもう、あの家には戻れないぞ」
「でも、剣八が帰って来ないほうがイヤ・・・」
やちるのほっぺにキスをすると、
「お前が俺の子供だったら良かったのに・・・」
「いっちー?」
一護はやちるを下ろすと、隊首会の部屋まで走っていった。
「あ~あ、これで完全に壊れるか、治るかのどっちかだな」
「そうだね・・・」
貴族の女はいつの間にかそこから消えていた。

 「剣八!」
扉を勢いよく開け中に飛び込んだ一護。
「一護。てめえ、なんでここに来た?」
「だって、いつまで待っても帰って来ないんだもん。怖くて、気付いたらココに来てた」
剣八の傍に寄る。
「ごめんね、約束破って・・・、でも逢いたかったの・・・」
「しょうがねえな、てめえはよ」
ぽんぽん頭を叩いて窘める。
「来るんだったら、ちゃんとした格好して来い、襦袢のままじゃねえか」
「あ、忘れてた。えへへ」
「丁度よい、黒崎よ、今までどこにおった?」
「家ですよ?変な事聞くんですね」
首を傾げる。
「家、ねえ。誰の家なんだい?」
京楽が聞いてきた。この人たちは何が言いたいのだろう?
「俺の家」
パキン。
「君の?おかしいな。ここにそんな物あったの?」
パキン。
「おい、京楽・・・」
パキキ。
「何が言いたいの?」
「単刀直入に言うがの。更木と別れてくれんかの」
バキン。大きな音が聞こえた気がした。
「な、ん、で?」
「先日、こ奴が見合いを断わっての。それで先方がえらく怒ってのう。もう一度、席を設けるか、さもなくば更木を隊長から降ろせと言うてきおった。それは困るのでな、お主に別れてもらおうかと思うてなぁ」
「・・・隊長から降ろされたら、どうなるの?」
「まず、護廷には居れんじゃろ。流魂街に逆戻りじゃな」
何を言ってるの?こいつには、やちるがいるのに、住む家は?食べる物は?一角と弓親は?
カタカタと体が震えた。
「・・・い!おい!一護!聞くんじゃねえ!お前は俺の傍にいればいい!やちるも一角と弓親も気にしねえ!」
「で・・も、」
「でもじゃねえ!約束したろうが!」
両肩を掴んで揺さぶる。
「剣八、お風呂での真似事・・、覚えてる?」
「!!ああ、忘れてねぇ」
「今は、証人たくさんいるからもう一回する?」
「悪くねえな」
「「汝、病める時も、健やかなる時も、死が二人を別つまで互いを愛し、慈しむ事を誓いますか?」」
「はい、誓います」
「お前になら誓ってやる」
「では指輪の交換を・・・」
お互いの左、薬指を噛んだ。
「誓いのキスを・・・」
触れるだけの口付けを・・・。
「剣八、ごめんな・・・」
「何がだ・・・?」
「やっぱ、俺じゃお前を幸せには出来ない、分かってたんだ。なんでこんな身体になったのか。気付きたくなかっただけなんだ・・・」
涙を溜めて今にも泣きそうに顔を歪めて見上げる一護。
「一護?」
「身体に違和感感じてたの、お前の見合い話聞いた時からなんだ。それから、ずっと思ってた・・・、なんで俺は女の体じゃないんだろうって、女だったら自然におまえの傍に居られて、子供も出来たかも知れない。愛の結晶とは言わないけど、確かに俺らが居たんだって証拠が出来るって良いなぁって思った。でも男だから戦えて、お前に出会えたのにってずっと、ずっと、思ってたら、こんな身体になっちゃった。ゴメン迷惑ばっか掛けて、見た事もない見合い相手に嫉妬して、この身体は醜い俺の心そのままなんだ・・・。俺は誰ひとり幸せに出来なかった・・ん・・だ・・、う、あぁあああ!あぁあああああん!」
「一護、俺はお前が男だろうが女だろうが気にしねえって言っといた筈だがな」
「でも、それで、お前の立場がっ」
「そんなもん屁でもねえよ」
「やちるは?一角と弓親は?他の隊士達は?お前の肩にはたくさんの物が乗ってるんだよ。だから、お前の中にある俺の記憶を消してもらうんだ」
「なっ!ふざけんな!それでお前はどうすんだ!」
「俺は、忘れない。どんな小さい事も、忘れない。お前の分も、覚えとくよ。じゃなきゃ何のために出会ったのか分かんねえじゃねえか」
両手で剣八の顔を包んで言った。
「お前は!この指の跡は!どうすんだ!何のための誓いだ!」
馬鹿野郎が・・・!
絞り出すような声で剣八が呟いた。
そこへ、
「ここに居たのね、この淫売!さっさと更木様から離れなさいよ!まったく気味悪いわね」
見合い相手の貴族の女が、喚いている。全員の目が集まる。
「てめえ・・・、今何つった?ああ?」
地を這うような剣八の声が響いた。霊圧も上がっていく。
「で、ですから、淫売、と」
「てめえに言われるこっちゃねえんだよ・・・、こいつを抱いたのは俺だけだ。大体お前誰だよ?」
「は?見合いの・・・」
「ああ、お前か。消えろ、目障りだ。殺すぞ」
「な、な、なんて事を!貴方なんて、流魂街の出の癖に!」
「それが本音か?」
「ひっ!」
「やめろ、剣八、記憶置換って寝てても効きますか?」
「む、ああ」
「そうですか、誰かこいつに縛道掛けてくれますか?」
隣りの浮竹が掛けてくれた。
「てめえ、一護!なにする気だ!」
「子守唄でも、歌ってやろうかと思ってよ。寝てる内に忘れろよ、俺のことなんてさ・・・、お前が忘れても俺がずっと忘れないから・・・。お前の事だから霊圧が戻ったら、追いかけ回すんだろうけどな・・・」
ふふっと、笑いながら歌い出した。
 愛し子は眠る、愛しい人の腕(かいな)の中で胸の太鼓を聞きながら。おやすみなさい、愛しい子、目覚めたならば一人きり・・・。せめて夢の中では幸せを・・・、おやすみなさい、おやすみなさい。
 愛しい人は眠りに落ちる。愛し子を胸に抱き、その寝息を聞きながら。おやすみなさい、愛しい人、目覚めた時に愛し子は、腕(うで)から消えて一人きり。せめて夢の中では離さずに居て・・・、おやすみなさい、おやすみなさい・・・。
 愛し子は眠りに落ちる、愛しい人の腕の中、そこはまるで温かな翼の中、目覚めて待つは孤独な現実。ならばせめて夢の中では温かな幸せを・・・、おやすみなさい、おやすみなさい。
 愛しい人は眠りに落ちた、愛し子を腕に抱き、髪を梳く。目覚めるまでは、腕の中。抱き締めながら眠りに落ちた。おやすみなさい、おやすみなさい・・・。
剣八の頭を抱き、髪を撫でながら、繰り返し唄った。その内、寝てしまったようで規則正しい寝息が聞こえてきた。
「記憶置換を貸してくれますか?いまのうちにこいつの記憶消したいんですけど?」
「・・・、もう良い・・・、見合いは破談じゃ。そやつの手綱はどうもお主しか操れんようじゃ。すまんかったのぅ、黒崎一護」
「え・・?いやあの、でも俺こんな身体で・・・」
「一護君?貴方、霊圧が戻ってませんか?」
卯ノ花隊長が話し掛けてきた。
「へっ?」
確かに言われてみれば、じわじわと漏れ出ている。
「先ほど感情が高ぶった時に抑えつけていたモノが壊れたのでしょうね」
「じゃあ、俺、男に戻れるんですか?」
「近日中にでも」
「良かったあ・・・、現世に帰れなくなるかと思ったのに」
自分の膝の上の剣八を起こすと、かなり不機嫌だったが、男に戻れる旨を伝えると一言、
「ふーん」
と言って帰っていった。
「なんだ?あいつもっと喜べよな」
「まあ、いいじゃないの。それより早く着替えたほうがいいんじゃないの?一護君」
京楽に指摘されて自分の格好を思い出した。
「うわっと、じゃあ俺帰ります!」
「いいの?山爺、あんな事いってさ」
「お主はどうじゃ?あの二人を引き離せるかの?それに相手の本音が見えたからの・・・」
「そうだねぇ、引き離せないね。最近指に傷跡あるから何かと思えば、まったく羨ましい事で・・・」

 十一番隊。
「じゃあ、いっちー、元に戻れるの?」
「おう、時間は掛かるみたいだけどな」
「良かったじゃない、おめでとう一護君」
「おう、良かったじゃねえか」
「あんがと」
「で?なんで隊長の機嫌悪いの?」
「さあ?俺のせいなのかな?」

剣八の部屋を訪ねる一護。
「入るぞ?剣八」
「ああ」
「あのー、なんか怒ってる」
「別に?怒ってねえ」
「怒ってんじゃんよ」
「身に覚えあんのかよ」
「ない・・、けどさ、なんかおかしいぞ」
「・・・怒ってるとしたら、俺を他の女とくっつけようとした事と、あんな姿見られた事だ」
「あんな姿?寝てるとこなんてしょっちゅうだろ?」
「お・ま・え・だ!襦袢のままの格好で何人に見られた?ったく」
「やきもちか?剣八」
「知らねえ!」
一護は思い切り剣八の背中に飛びついて言った。
「けーん八?大好きだよ?怒んないでよ、まだ完全に治って無いからここにいるけど、どうする?」
「あん?」
「今日、泊まってもいいの?それとも四番隊に帰る?」
「・・泊まってけ」
「はい、旦那様 ♪

次の日の朝から、しばらく「お母さん」「お父さん」と呼ばれた二人。勿論、愛娘はやちる。

オマケに続く




08/11/15作 ようやく完結しました。パキパキ割れてるヒビから霊力が溢れてます。
書き足りない気もしますが、追々加筆修正するかも。
貴族の女はどっかに消えました。怖っ!

08/11/19 加筆修正。

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