題「変化」第5話
翌朝一護は、目覚ましが鳴る前に目が覚めていた。今日のお昼の事を考えるとドキドキしたが、
反面別れを告げる寂しさもあった。
朝食は一護だけで摂った。お昼に一緒に食べるのだから朝は別々にしようと昨日言っておいた。
今日はちゃんと食べれた。診察も終わり、病室で時間を潰す。
(ゴメンな、剣八・・・、最後まで我が儘ばっかりで・・・。でもあんたはちゃんと幸せにならなきゃな・・・)
シャワーを浴びて綺麗な身体になって、着る物を選ぶ。・・・剣八が贈ってくれた着物を選んだ。勇音に着付けてもらった。
時間が近づいたので、やちると自分たちのお重を持って十一番隊に行く。出る前に勇音に二人の分もあるから、と言っておいた。
 十一番隊に着くと派手な輿があった。誰か来てるのか?と呑気な事を考えながら隊舎に入る一護。
「来たぞー、剣八居るかー?」
「あっ、いっちーだ!」
やちるが飛びついて来た。
「危ねえなぁ、剣八は?」
「もうすぐ来るよ」
「そか。ああそうだ、これなやちるの分の弁当だ。今日の昼にでも食ってくれよ」
「ほんと?やったあ!」
桃色の風呂敷に包まれたお重を嬉しそうに受け取った。さわさわと人の声が近付いてきて廊下から剣八と女性が、
その後ろに数人の従者が歩いていた。
(見合いって今日だったのか・・・)
くらりとした時、剣八が一護の姿を認めた。近付いてきて、
「よお、時間通りだな一護。その着物にしたんだな、じゃあ俺も藍染めのやつ着るか」
と笑っている。
「では、更木殿良いご返事を期待しております」
「あ?ああ、分かった分かった」
煩わしそうに言いながらドスドス歩いて奥に消えた。ちろりと向けられた視線が何故か痛い・・・。
「貴方が噂の死神代行の黒崎一護ね」
蔑む様な目で見られた。こんな目を向けられる覚えは無いとイラついた。ふふんと、鼻で笑われて、
「今後、更木様の近くをうろつかないで下さいます?目障りだわ、その下品な髪の色」
「・・・言われなくとも、そのつもりですよ。ご心配なく・・・」
溜め息と共に言ってやった。馬鹿らしい・・・。
「ふふん、貴方如きが隊長格と釣り合う訳ないでしょう?人間風情が」
その人間風情を守るために命を掛けているのが死神じゃないのか?一護が首を傾げる。言いたい事を言って貴族の女は、帰って行った。
「やな女(やつ)〜、いっちーもう来ないなんて嘘だよね?あたしあんなやつ大嫌い!」
鼻息も荒く怒るやちる。そこへ一角と弓親が来た。
「な〜に喚いてんすか?」
「おや?一護君今日は綺麗な着物着てるね。こないだのも似合ってたけど」
「ああこれ、剣八がくれたんだ。に、似合うか?」
「うん、とても可愛いよ」
「ああ、似合ってんぜ」
「んん〜!もう!なんでいっちー怒んないの?あんな事言われたのに!」
「やちる、誰かの悪いとこを見るのなんか簡単だよ、だから良いとこを見ろよ」
「あんなやつに良いとこなんか無いよ!」
「そんなことないさ、やちるは剣八の良いとこいっぱい知ってるじゃないか。一角だって器用だし優しいだろ?弓親も良く気が付いて優しい。な?みんな良いとこ持ってるよ」
「う〜、でも!いっちーにあんなひどい事言った!」
「俺の事で怒る事なんか無いんだよ。折角作った弁当は楽しい気持ちで食ってくれよ?」
「うん・・・」
一護はやちるの頭を撫でた。
「お弁当はどんなのが入ってるの?」
「ん〜、剣八に見られない様に見ろよ?」
風呂敷を広げて蓋を開ける。
「わあ、すごい!何これ、たこ?かに?あっ、ウサギさんだ!すごいすごい!」
すごい喜びようだ。こっちの顔まで綻んでしまう。ドスドスと足音が聞こえてきたので蓋をする。
「待たせたな、おら早く行くぞ。腹減ってんだ」
「はいはいって、わぁ!」
一護は剣八の肩に担がれて瞬歩でこの間の川原まで走った。

「着いたぞ」
「あ〜、びっくりした・・・。なんか一言言え!」
「うるせえな、それよかメシ」
「はいはい」
風呂敷を広げて、お重を開けていく。
「ほお、なかなかのモンじゃねえか」
「そ、そうか?でも味は・・」
言いかけてるのに、箸を付ける剣八。
「いただきます。ぐらい言えよ」
「ふん、うめえな」
「っっ!本当か?」
「ああ?嘘付いてどうすんだよ、てめえも食えば分かるだろうが」
「う、うん。いただきます」
箸を付ける一護。
「あ、美味い。よかった」
「早く喰わねえと無くなるぜ」
「あっ、こんにゃろ!」
食後のお茶を飲みながらのんびり過ごした。
ここは気持ちが穏やかになるなぁ・・・。だから剣八もここに来るのかな?じゃあここじゃ言えねえな・・・。
お重を片しながら考えていると、
「一護、足貨せ」
「ん?ああ」
膝枕か。今日は髪が下ろされている。後ろで緩く束ねられているだけだ。
「剣八、俺あんたのそんな髪型見たことねえ」
「ん?ああ周りが五月蠅かったんでな。まあ寝やすくて便利ではあるな」
「・・・ばーか・・・」
「ふん、足、痺れたら言えよ・・・」
「ん・・・」
一護は何時間もそうして剣八を見つめていた。目に焼き付けたかった。
下ろされた髪も、藍染めの着物も剣八に良く似合っていて男の色香に惑わされそうだった。
「う、ん・・、おい、足大丈夫か」
「うん、平気」
一護が剣八の髪を撫でる。
「嘘付け、何時間たってんだ」
膝を触る。
「んあっ」
「ほれ見ろってか、そんな声上げんじゃねえよ」
「だ、だって・・・」
剣八が起き上がって、胡坐をかいた足の中に一護を納めた。
「あっ」
「痺れが取れるまでこうしてろ」
「うん、ありがと」
足の痺れも取れたので帰ろうと言うと少し渋る様子を見せたが、結局帰る事にした剣八。
帰りは歩こうと言うと少し笑った。俺も嬉しかった。隊舎が見えてきた。ああ、楽しかった時間も終わりだな。
俺は意を決して剣八に話しかけた。
「なあ、剣八?」
「ん、なんだ」
「あのさ、あの、その、お、俺ら別れねえか?」
「・・・はあ?何だあ、いきなり」
「いきなりじゃないよ・・・。俺は人間で死神代行、あんたは死神で隊長。そういう事だよ・・・」
「ふざけんな・・・。関係あるか、んなもん・・・」
「お前になくとも、周りにはあるみたいだけどな・・・」
「手前は!誰に何言われた?」
「なにも」
「嘘だな」
「・・・嘘じゃ」
「もしそうだとしても、逃がさねえよ・・・」
剣八の目に狂気が宿った。俺の本能が逃げろと警告するのに体は動かない。
「お前は、俺が今どれだけ怒ってるか分かってねえんだろうなあ?」
「うあ、あ」
「くく、良い顔だな、一護」

俺は担がれて剣八の部屋に連れて行かれた。何故かすでに蒲団が敷かれてあった。
「ふん、弓親あたりか。気の付くことだ、なぁ?一護」
噛み付くような口付けが降って来た。唇に歯が当たって血が滲んだのか、鉄錆の味がした。
「ん!んん!ふう、う!」
息苦しさに口を開くと舌が入ってきた。熱く長いそれに口中を犯される。逃げる舌を追い詰めては吸い上げる。
「んクッ!あふっ、あっ、ああ」
混ざり合った互いの唾液を飲み下して、涙の滲んだ目で剣八を見上げる。
「けん・・ぱち・・」
「覚悟はいいな・・・、一護、お前は俺を怒らせたんだ。ただで済むと思うなよ・・・?」
「あ、あ、あ・・・」
殊更に、ゆっくりと着物を脱がしていった。シュルシュルと帯が解かれる音が響いた・・・。
「いや・・・」
「嫌じゃねえよ・・・」

それから俺は嫌と言うほど犯された。泣いても許してはくれなかった・・・。何度も熱い奔流を受けとめた。
「あっ、ううっ、い、痛いよ、剣八ぃ・・・」
はぁっ、はぁっ、と息を乱しながら訴える。ぐちゅぐちゅと卑猥な音は部屋中に響いて耳を塞ぎたかった。
聞こえているはずなのに、何も言ってくれない。
「ふっ、う、あっ、ああっ、いやっ!いやっ!ああっ!ああぁー!」
ひくひくと痙攣しながらも達した。男の様に出る物が無いから分かりにくいけど、もう限界だ。剣八が動く度に引き攣れる様な痛みが走る。
「お願い・・・、もう・・、無理だから・・・!っ痛い!」
ずるりと中から抜かれた。ホッとした。じくじく鈍い痛みが走る。剣八が、
「ふ・・・ん、血が滲んでんな、しゃあねえな。後ろ向け一護」
「え・・・?」
「聞こえなかったか?後ろ向けつったんだよ」
強引に反転させる。
「何・・する気・・・」
「ああ?前が痛ぇんだろ?じゃあ後ろでやるだけだ。今までやってただろ」
「そ、そんな・・!やっ!もう無理!」
「元気じゃねえか、大人しくしろよ、久し振りなんだ切れるぜ?」
「ひっ!」
ぷつっと指を一本入れてきた。
「あ、ああ・・、んん、やだぁ」
「はっ!やだって割には、締め付けてくんぜ?やっぱこっちの方がイイのか?」
「やっ!知らなっ・・・」
クチクチとわざと音を聞かせる。
「いやっ!やだっ!やだぁっ!」
「さすがにキツイな、水気がいるか・・・」
「な、に」
振り向くと剣八がそこに舌を伸ばしている所だった。
「だっ!だめぇっ!」
ひたりと舌が触れるとぞくりとした感覚が背筋を駆け上がり、背が撓る。
「やあぁん!ああっ、ああっ、け、剣八ぃ・・・」
舐めながら唾液を送り込んでは、指を増やしていった。2本、3本と増やしていき、解していった。
「ああう、もっ、もういやぁ・・・」
「そうか?物欲しそうに食んでるぜ?お前のココ・・・」
グチュリと音を聞かせる。
「いやっ!ああっ!ああっ!んああっ!」
「何だ、まだイケそうだな」
ずるりと指を抜いた。
「うあっ」
ひくひくとヒクつくそこへ自身を宛がった。ヒクつく度に飲み込もうとするそこに一気に挿れた。
「うあっ!ああっあー!」
ガクガク震える一護の耳に舌を這わせながら奥を突いては、鳴かせる。
「ひい!ああ!やあ!もう許してぇっ!」
「はっ!まだコッチじゃ一回もイってねえだろうが、俺もお前もよ!」
ズンと一際強く打ちこんだ。
「ひゃああん!剣八っ!剣八っ!もう、だめ!だめ!」
「なんだ!もう!イク!のか?」
「うん!うん!も、イク!んあっあー!」
「うっ」
剣八も一護の中で達った。
「くくっ!相変わらず淫乱な身体だな・・・、一護」
「・・・・・・」
「?、おい、何も言わねえのかよ」
微かに震えているのに気付いた剣八。
「・・・泣いてんのかよ・・・」
「・・・っ、う」
「こっち向け、一護」
頑なに顔を上げようとしない一護。
「一護、顔見せろ」
強引にこちらを向かせた。やはり泣いていた。涙で濡れた目は自分を責めるでもなくこちらを見つめていた。
「悪かった、さっきの言葉は取り消す・・・」
「別に・・・、ほんとのコトだ・・・、気にすんな」
「一護・・・!何があった?何を言われた?」
「この体勢、苦しいんだけど・・・」
剣八は向かい合う形で抱き合った。一護は剣八の胸に甘える様に顔を埋めた。そんな一護の髪を梳く剣八。
「やめろ・・・、触るな・・・、もう俺の髪に触るな・・・」
「何でだ・・・?」
「何でもだ・・・、もうあんたは・・・」
「俺は?何だ一護ちゃんと言え!」
「初めから、俺のじゃなかった・・・」
「誰に言われた・・・?一護?」
「誰だっていいさ・・・」
早く終わらせろ・・・。
虚ろな瞳は何を映すのか?イラついた剣八は、
「一護、お前は俺だけ見てろ、俺だけを目に映せ、良いな?」
「・・・うん」
「動くぞ・・・」
「あ・・・、ん、剣八、おっきい・・・、奥まで来てる・・・」
「お前は可愛いな・・・」
「そん、なこと・・・、はんっ!」
剣八は一護の胸の飾りに舌を這わせ、転がした。
「一護、お前は俺から離れるな!絶対だ!離れるなっ!」
「う・・、うん!うん!側に居させて!」
お願いだから・・・、離さないで・・・。
「誰が離すかよ!覚悟しろ!」
抱き合って、口付けをした。剣八は一護の腰を持ち上げ、ギリギリまで持ち上げると奥まで突いては、何かを探した。
「んああ、な、にして・・」
「確か、、ここら辺に・・」
「んあっ!」
「そこか」
剣八がニヤリと笑った。
「な、何今の・・・」
「男で言うとこの前立腺みてえなモンだろ。お前はここらだったと思ってな」
「バカッ!」
「馬鹿で結構、さあてと、動くぜ?」
「あ、やだあ」
「聞こえねぇなあ」
「んあっ!ああっ!あああっ!はああん!いいっ!いいよぉ!けっ、剣八ぃ!大好き・・・、ああっ!んあっあー!」
「くう!」
「ん・・・、あつい・・・」
静かに呟くと意識を手放した一護。
剣八は、一護を風呂に入れた。
「ん、痛・・・」
「起きたか・・・」
「あ・・・、剣八、全部やってくれたのか?」
「あ〜、まぁな、ひでえ事も言っちまったしよ・・・」
バツが悪そうにしている。
くすっと一護が笑った。
「なぁ、俺はあんたが幸せだと自分も幸せだと思うんだけど、あんたの幸せってなんなんだ?」
「一護?」
すう、すう、と眠ってしまっていた。病み上がりにはキツかったか・・・。まあ丁度良いか。
剣八は風呂から上がると一護の身体を拭いてやり着替えさせた。自分も着替えてとある部屋に向かった。

第6話へ続く


08/11/08作 楽しいピクニックから、ちょっとした修羅場?になりました。まだ続きます。なげーよ。

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