題「媚薬・確信犯」前半 | |
明日は週末、死神代行の定期報告に一護が瀞霊廷を訪れる日だ。 自然と浮かれるのか、剣八は知らず知らず鼻歌交じりで歩いていた。機嫌が良いのはいいが目が合って剣八の剣の相手をするのはイヤなので十一番隊隊士は少し遠巻きにしている。 天気も良いので散歩をする事にした。少し賑やかな通りに出ると声を掛けられた。 「更木隊長!ど〜も、こんにちは!今日は機嫌良いんですね」 十番隊副隊長の松本乱菊。 「松本か、何か用かよ?」 「いえ特に?更木隊長の鼻歌なんて珍しくて、あっ、そうだ!良いモノあるんですけど」 「・・・?」 「コレ、阿近特製キャンディー!どうですか?」 「阿近特製・・・?要らねぇよ」 「まぁまぁ、明日一護来るんですよね?」 「あぁ、報告日だからな」 「だ、か、ら、コレ差し上げます♪コレ大きい声で言えないんですけど、媚薬なんですよぉ。十二番隊の隊長が作ったんですけど、危ないからって阿近が隠してたんですよ。でも面白そうだから、特製キャンディーにして貰ったんです。恋次とかにでも売り付けようかと思って」 「それが何で俺んトコくんだ?」 「あら、折角の逢瀬ですよ!楽しまなくちゃ!そういう訳です」 剣八と一護の事など周知の事実。 「ふーん、面白そうだな貰っとくか」 媚薬で乱れた一護を一度見た事がある剣八。楽しみが増えた。乱菊から特製キャンディーを幾つか手に乗せられる。 「じゃ、アタシはこれで。うちの隊長には内緒ですよ!」 そう言って雑踏に紛れていった。手の上の飴に目をやる。ピンクの包み紙に赤いハートマークが付いていた。 「変なトコ細けぇな」 呟きながら袖にしのばせ、隊舎に帰る。明日一護にどうやって食わせるか。昼間よりも機嫌が良い剣八に一角が、 「何かあったんスか、隊長?」 「おぉ、丁度良い明日一護が来たら、人払いさせとけよ」 それだけ言うと剣八は自室に帰った。 「あ〜、一護の奴ご愁傷様だな」 一角の呟きに、 「別に良いじゃない、半ば望んで来てるでしょ?彼。ま、壊されなきゃ良いけど」 さらりと弓親が言う。 「ま、それもそうだな、他の連中にも釘刺しとくか」 そうして十一番隊の夜は更けていく。 翌日、一護が瀞霊廷にやって来た。報告を終え、十一番隊に行こうとした道すがら、向こうから剣八が歩いて来た。 「おう一護、報告は終わったみてぇだな」 「あぁ、今な。てか珍しいな、お前がコッチの方に来るなんて。一番隊に用でもあったのか?」 「いや、用があるのは手前ぇにだよ」 なんかイヤな予感がする一護。 「用って何」 「ほれ、コレやるから食え」 それはあの特製キャンディー。 「おっ!サンキュー」 何の警戒もしない一護に剣八が包み紙を剥して、一護の口許に飴を持っていった。 「自分で食えるよ」 「いいからこのまま食え」 グイグイ押し付けて来るので、一護が口を開けると前歯にカツッと当たった。 「痛ぇな、あ、甘い」 同時に感想を伝えた。剣八の指先に暖かく軟らかい一護の唇が触れる。 「どうせこの後ウチに寄るんだろ、一緒に行くか」 「そうだな、迷子になられても困るしな」 飴をコロコロさせながら一護がからかう。 残り少しになった飴を噛み砕いてしまった一護が、 「あ、噛んじまった。もう飴ねえの?」 「なんだ気に入ったのか」 差し出しながら聞いた。 「まぁな。疲れてんだよ。あっ、なんだよ可愛い包み紙だな」 笑いながら剥して二つ目を口に入れる。 隊舎まで後、半分の所まで来た時一護に変化が訪れた。息遣いが少し荒く、汗をかいている一護の様子を見ながら剣八が、 「どうした一護?顔赤いぞ」 と話しかけた。 「ん、何でもねぇ」 と答えるが確実におかしいと感じていた。歩く度に擦れる胸の飾りが・・・、衣擦れだけで身体中が・・・、過敏に反応している。 「おい一護、すげぇ汗だぞ」 言いながら頬を拭う剣八。 「んん!」 自分で出した声に驚いて 「だ、大丈夫だから触るな」 剣八の顔を仰ぎ見ると笑いを含んでいる。そこで一護は思い至った。 「お、お前まさかさっきの飴に!?」 「気付くのが遅ぇよ」 くっくっと喉の奥で低く笑う。 「まだ歩けんだろ、歩くぞ」 一護の背中に指を滑らせ囁いた。 「あぁっ!し、信じらんねぇ・・・!」 潤んだ目で睨み付ける。 「歩けなくなったら担いでやるよ」 先を歩く剣八に必死に付いて行く。その内、身体を撫でる風ですら一護を追い詰める様になった。 「け、剣八、もう無理・・・!」 「後少しじゃねぇか」 「ムリだって・・・足、ちから入んねぇ」 先程よりも息遣いが荒い、剣八は近付くと顔を上げさせた。汗で髪が幾筋か頬に貼り付いている。髪を梳くと、 「ひ!あぁっ!」 ぶるぶると震える一護。 「お前まさか・・・、イッたのかよ」 真っ赤になって下を向き剣八を押し退ける一護に剣八が、口付けし、残り少ない飴を奪い噛み砕いて飲み込んだ。 「くそっ、俺が我慢出来ねえ」 一護を担いで、、瞬歩を使い一気に隊舎まで辿り着くと自室に連れて行く。 敷いてあった蒲団に一護を下ろすと、死覇装の袷をはだけ胸の突起に触れると既に固くなっていた。 「んぁあ」 甘ったるい声が漏れる。 「なんだ、もう固くなってんじゃねぇか」 「ん、ふぁん」 とろんとした熱っぽい目で見上げてくる一護に剣八は袴を弛め、自身を取り出して、 「舐めてみろ、一護」 剣八の羽織に縋りながら言われるがままに舌を這わす一護。 「咥えて舌使え。さっきの飴みてぇに噛むなよ?」 笑いを含む声が上から降って来た。一護は必死になって剣八自身に奉仕した。悩ましげに眉根を寄せて、吐息を漏らす。 「んっ、ふっ、んン、ふぁ、んっ」 固さと熱さを形作ったソレを丹念に愛撫する一護に、 「もう良いぞ、一護」 大人しく口を離し、唇を舐めながら剣八を見上げる一護を押し倒し口付けた。 いつもよりも激しい口付けに一護が逃げようともがくと首の後ろを掴み動けなくした。 「んっ!んん!」 苦しくなって酸素を求めて、口を開くと舌が滑り込んできた。熱く長い舌が自分の口腔内を犯す。舌を絡めて吸い上げられては、甘咬みされる。上顎をゾロリと舐め上げられ、お互いの唾液が行き来すると飲み込みきれない唾液が首筋を伝う。 今の一護にはそれすら快感で、声を上げた。 「ふぁっ、ん!」 くちゅっと音を立てて唇が離れ漸く解放された。息が上がって何も出来ない一護の首筋に剣八が吸い付き、舌を滑らす。 「ああっ!剣八、早く!俺、身体が、変・・・!奥が疼く・・・!」 自分で腰紐を解き袴を脱ぐ一護。それを見ながら剣八が、 「一護お前接吻だけで何回イッたんだよ?褌グチャグチャだぞ」 言いながら上から一護自身を弄る。 「やぁっ!やだっ気持ち悪い、脱ぐ・・・!」 「まぁ、脱ぐ前にもう一回イッとけよ」 剣八が指を動かし煽る。 「ん!あぁ!剣八!ヤッ!」 「嘘つけよ、こんなに濡らしてよ」 布越しのザラザラした感触に腿を震わせ、 「も・・・駄目、イク!」 「ほら見ろ、気持ち良かったんじゃねぇか」 下穿きをはぎ取りながらそう言った。 「うるせえ・・・早く・・・来いよ」 一護が言うと剣八の指が、蕾に触れてくる。 「いやらしいな、お前の此処ヒクついてるぞ」 周りを触るだけでそれ以上してこない。 「んぁ、あ、剣八、早く・・・おかしくなる・・・!」 「早く・・・なんだ?一護」 「此処に・・・剣八の、挿れて」 普段なら絶対言わないようなセリフを口にして一護は、自分の指を蕾に滑らせ、つぷりと指を入れていった。 「んんぁ、いい」 一護が自分でこんな事をするとは思わなかった剣八は、しばし成り行きを見る事にした。一護は指を二本に増やしながら、 出し入れし嬌声を上げていた。 「あっ!あっ!剣八っ!剣八!んぁあっ!あっ!」 自分の名前を呼びながら己を慰める一護の様子に剣八が、 「手伝ってやるよ、一護」 言いながら指を一本だけ入れてきた。そこはもう熱く蕩けていた。 「んぁ、え?あぁっ!」 細く長い中指を根元まで入れてきた。 「疼くってどこだ?ここか?」 指をくっと曲げると一護の弱い所を押さえた。 「ああっ!剣八!もうやぁ!剣八のが良い!剣八の入れて・・・」 言うや指を抜いて剣八に跨り、剣八の袴も下穿きも脱がせて、剣八自身を自分にあてがい腰を落としていった。 「あっ!ああ!剣八のが入ってくる・・・、あっ・・・、熱い、気持ち良いよぉ」 全てを飲み込んで、ビクビクと身体を震わせ剣八の身体にしがみつく。 「剣八、剣八も気持ち良い・・・?」 首筋に舌を這わせながら聞いてくる。 「あぁ、さっきから締め付けてくるからな」 「良かった・・・、い、つも、俺、ばっか、気持ち良いのかと、あんっ!」 剣八が腰を突き上げた。 「馬鹿、動くぞ」 「うん、きて・・・」 対面座位で抱き合いながら剣八が腰を掴んで一護の最奥に熱い楔を打ち込んだ。 「あっ!あっ!剣八!もっと強く突いて!」 あられもなく喘ぐ一護の腰を掴み、ギリギリまで抜いて一護の体重で奥まで貫いた。 「ああっ!イイ!それ気持ち良い!」 「ハッ!いつもは嫌だって言うくせによ・・・!」 「あぁっ!だって、奥が疼いて、んん!」 「じゃあ自分で動いてみろよ」 そう言うと剣八は、仰向けに倒れた。 「やっ、意地悪すんなよ・・・」 「ほら、気持ち良いんだろ?一護動けよ・・・」 胸の飾りを両方とも弄られ、我慢出来なくなったのか一護が自分で動き出した。一度抜いて一気に腰を落とし最奥を貫いた。 「あぁんっ!イイ!剣八が一番奥までいる!」 ガクガク震えながら言った。同じ事を繰り返すのかと見ていると、腰を前後に動かして貪欲に快感を貪る一護。 結合部から、淫猥な水音が響いた。締め付けが強くなった。 「ん、ん、もうイクゥ!」 剣八がいきなり腰を突き上げた。 「んあぁっ!熱い!剣八のが奥・・・に!」 一護が白濁を吐き出し剣八が一護の中に熱を放った。一護が剣八の胸の上に倒れ込んだ。 「はぁ、はぁ、はぁ、あ、剣八ぃ・・・ん、すき」 鎖骨に吸い付き跡を付けながら呟く一護。 「可愛い事を可愛い声で言うなよ、止めらんねぇぞ?」 「いつもの事じゃん・・・」 「まぁ、そうだな」 クスクス笑いながら軽い口付けを交わしながら、内に入ったまま剣八が一護を組み敷く体勢になりながら、一護の髪を梳いた。 「ん、剣八、重い」 「そうかよ、奥まで入って良いじゃねぇか」 「あん、馬鹿・・・」 少し腰を揺らしてくる剣八。 「もっと来て剣八。剣八のいっぱい出して」 長い舌で唇を舐め、一護の足首を掴み広げた。 「やっ!剣八何する・・・」 腰を動かす度、グチュグチュと音が響く。 「一護すげぇ音してんなぁ、丸見えだぞ?」 「やだっ、見んな!」 手で隠そうとしたが、剣八に阻まれる。 「隠すなよ・・・、こんなに濡れて俺のモン全部飲み込んで、可愛くてしょうがねぇよ」 一護の一番好きな良く通る低い声で言われて、一護は剣八を締め付ける。 「そんな締め付けんなよ」 「だって・・・、剣八がそんな事言うから・・・」 薬のせいとはいえ、こんなにも乱れた姿や可愛い事を言う一護を誰にも見せたく無いと思う自分がおかしかった。 「ど、したの?剣八?」 「何でもねぇよ、奥まで突いてやるからイイ声で啼けよ・・・」 剣八が腰を動かす度に鈴がチリンチリンと鳴る。 「んっふっ、剣八、鈴、すごい」 「こんだけ動いてりゃな」 剣八が一護の感じる所を攻め始めた。 「ひっ!あぁっ!剣八っ!ダメッ!出ちゃう!ひぁあんっ!」 一護がイクと剣八もまたイッた。 「おい一護?」 頬をぴたぴた叩いても返事がなかった。一護は達すると同時に気を失っていた。 「またか、取り敢えず風呂に入れるか」 言いながらまだ一護に納めていたモノを抜いた。 後半へ続く |
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