題「白猫といっしょ!」2 | |
深夜寝ている一護は何やら擽ったいので目が覚めた。 「んん?なん・・・、あ!」 徐々に覚醒していく頭でパジャマの中に猫が入って来て一護の乳首を吸っていた。 ちゅっ、ちゅっ、と吸っては足で胸を揉んでいた。 「こ、こら!そんなトコ吸っても俺から乳は出ねえからやめろ!んあ!」 ざり、と舐められ変な声が出てしまい慌てて口を押さえる一護。 「こ、この・・・!」 ずるずると引っ張りだすと、 「にゃ〜」 と不機嫌な声で鳴かれた。 「にゃー、じゃねえの、俺は明日も学校があるんだから寝かせてくれ」 と子供を寝かしつけるようにぽんぽん撫でてやった。 「ああ・・・、お前の名前、考えなきゃな、後トイレとかも買わなきゃ・・・」 すー、すーと寝息が響いた。 一護の寝顔を見ながら猫は舌舐めずりをし、欠伸をすると一護の横で丸くなって眠った。 翌朝一護が起きると猫も同じ様に起きだした。 「ん?起きたのか、一緒に飯食いに下に行くか」 と着替えを済ませると突然ドアを蹴破られ一心が、 「グッモーニン!いっちぐぉー!」 と蹴りかかって来た。その蹴りを防ぐと、 「ったく、毎朝毎朝・・・!猫が驚くだろうが!!」 自慢の拳を叩きこんで床に沈めるとさっさと階下へと行ってしまった。 猫は冷ややかな目で一心を一瞥すると顔面から踏み付け部屋を出て行き一護の後を追った。 「ひ、ひどい・・・一護も猫も・・・」 「お兄ちゃん、朝から大変だねぇ」 「ホントにいい加減にしてほしいぜ」 朝食を食べながら話す一護の隣りで餌を食べる猫。 「ねえ、その猫の名前どうすんの?」 「んー、そうだなぁ・・・、分かりやすく白で良いんじゃねえかな。綺麗な毛皮だしよ」 と小さな頭を撫でながら言うと、目を細めて、 「にゃー」 と鳴いた。 「気に入ったみたいだね」 「良かったね、白ちゃん」 名前も無事に決まった。 「んじゃ、俺は学校に行ってくるわ。帰りに色々買ってくるから遅くなるかもしんねえ」 「分かった〜、気を付けてね。行ってらっしゃいお兄ちゃん!」 「行ってらっしゃい、一兄」 「行ってきます」 白は玄関まで付いていった。 靴を履く一護の横でちょこんと座り待っている。 「じゃあな、部屋で良い子で待ってろよ?」 「うにゃあ」 出ていく一護を見送る白。 放課後。 学校帰りに一護は近くのペットショップで猫トイレや砂、キャットフードを買い、目に付いたオモチャを買った。 「結構高価いな・・・」 と呟き軽くなった財布をポケットに捻じ込んだ。 「ただいま」 ガチャリと玄関を開けるとそこにはちょこんと座った白が居た。 「おかえり、お兄ちゃん!白ちゃんずっと待ってたよ」 「そうか、ただいま白」 なでなでと頭を撫でると嬉しそうに喉を鳴らした。 「ほら、お前のトイレとか買ってきたぞ。部屋に行こう」 「にゃあ」 とんとんとん。 とてとてとて。 階段を上り部屋に入ると、まずトイレを組み立てた。 「へえこうなってんのか・・・」 砂を敷き、カバーを付けて、ベッドの足元に置く。 「今日からここでしろよ」 そう言うと制服から部屋着に着替えた。 「え〜と、後はキャットフードとオモチャな。遊ぶか?」 がさがさと取り出したのは、プラスチックの竿の先にネズミが付いたオモチャ。 ベッドの上で動かすと、尻尾を振りながら捕まえようと襲いかかる。 「にゃっ!うっ!ううっ!にゃうっ!」 バッ!ババッ!バシッ! 「おお!釣れた!」 竿を持ち上げるとネズミのぬいぐるみに爪を食いこませた白が釣れた。 「うう〜!にゃあう!」 バッ!と爪を外すと今度は宙にあるぬいぐるみに襲いかかった。 「おお!結構気に入ったか」 ぶちっ!と紐が切れぬいぐるみに猫キックをしながら一匹で遊んでいる。 「さてと、俺は予習でもするか」 と机に向かって勉強していると代行証が鳴り響いた。 「またか。コン!後は頼むぞ!」 とコンと身体を入れ換わり、虚退治に出掛けた一護。 「へいへい、ったく、猫なんか飼いやがって。俺様のパーフェクトボディに毛が付いたらどうしてくれんだよ」 と白を見る。 今まで遊んでいた白がベッドに横になり、コンを見ている。 「なんだ?さっきまで遊んでたくせに」 ツン!とおでこをつつくと鼻に横皺を刻んでぬいぐるみの方のコンに襲いかかった。 「な〜〜!何しやがる!馬鹿猫!」 やっとの思いで引きはがすとそこかしこから綿が出ていた。 「ひ、ひでえ・・・」 シクシク泣いていると一護が帰って来た。 「何やってんだ?コン」 「あ!一護!こいつひでえんだよ!俺のパーフェクトボディを穴だらけに!」 「何やらかしたんだ?」 「何にもしてねえよ!デコつついただけだよ!」 「それが気に入らなかったんじゃねえのか?」 ぬいぐるみを見て、 「どうする石田に頼むか?俺が縫うか?」 「出来んの?一護」 「まあ、少しならな」 「んー、じゃあ、今日は一護に頼む」 そう言うと身体を返すコン。 身体に戻ると裁縫箱を遊子に借り、繕っていく。 「あ、結構上手・・・」 「まあな。ほれ」 と糸を切ると鏡の前に行き、確かめるコン。 「まあまあだな!それにしてもコイツ・・・、なぁ一護俺の事噛まないように言ってくれよ」 「んん、白、おいで」 呼ぶと膝に乗る白。 「コイツはコン。一応お前の先輩だな。あんまり噛んだりしないでやってくれよ、遊子が泣くしな」 「・・・にゃー」 気のない返事で返した白。 階下から、 「おにいちゃーん、白ちゃーん、ご飯だよー」 と呼ばれた。 食事が済み部屋に帰ると、 「あ、忘れてた。白」 「ん?」 と見上げてくる白。 「首輪も買ってたんだ、付けてやるよ」 と赤い革に金の鈴が付いた首輪を見せた。 「ここにな、名前と住所とか書いてあるから迷子になっても帰って来れるぞ」 と白い毛皮の首にそれを付けた。 「やっぱ赤が似合うな」 と喉を撫でると嬉しそうにゴロゴロと喉を鳴らす白だった。 第3話へ続く 10/07/10作 さてこれからどうなるのか。まだ猫被ってます。白様。 |
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