題「捨て猫」2.兆候
 今日は弓親が一緒に甘味処に連れてってくれた。
一角も一緒で3人でお団子を食べながら、いろんな話を聞かせてくれた。
「一護、『勇将の下に弱卒なし』って言葉知ってっか?」
「んーん、知らない」
「だろうな、強い人の下には強い者が集まるって意味だ。だからな、一護。十一番隊は強い奴ばっかなんだ」
「ほへぇ〜、そうなんだ!」
と目を輝かせながらも、団子をもぐもぐ食べている。
「そうだ!隊長は強い!だから強い奴が集まるんだ!俺みたいなな!」
と自慢げに自分を指差した。
「ふ〜ん」
「一護君も霊力高いんだから強くなれるよ」
「俺が?」
「そうだな、あの隊長に傷付けたんだからよ、見込みあんぜ」
「そうかなぁ?よく分かんないや」
とお茶で団子を飲み下した。
○月×日 はれ
きょうは、弓親と一角が、かんみどころにつれってってくれた。おだんごたべながらおはなしした。
一角が「ゆうしょうのもとにじゃくそつなし」っておしえてくれた。よくわかんなかったけど、剣八がすごいってことはわかった。
おだんごおいしかった。

その帰り道で一護は道の端に落ちてある箱の中から鳴き声を聞きとった。
「ん?」
「どうしたの?一護君」
一護がその箱を凝視していると中からもぞもぞと猫が顔を出した。親子のようで甲高い鳴き声も聞こえた。
「ねえ弓親、あれなあに?」
「あ・・!と・・・」
「あん?捨て猫だろ?気にすんなよ」
と一角が事も無げに言った。
「すてねこ?ってなあに?」
「え〜とね・・・」
「捨てられた猫だよ」
「なんで捨てられたの?」
「要らないからだろ?俺が知るかよ」
「要らないと猫は捨てられるの?猫だから要らないと捨てられるの?」
「一護?」
「一護君?」
「俺も・・・要らなくなると捨てられるの・・・?」
少し震えながら一護が問うてきた。
「一護君・・・」
弓親が否定しようと口を開くより一瞬早く一角が、
「あ〜そうだなー、わがままばっか言ったり、悪戯ばっかしてっと分かんねえぞ」
と言った。一護の身体がビクン、と揺れたのを見逃がさなかった弓親が一角の頭を叩いた。
「あいて!」
「そんなことないよ!一護君は良い子なんだから!それにもう人間になったじゃない!隊長が離すはずないよ!」
「ほんと?」
「うん!」
「俺、は、居ても良いの?」
「もちろんだよ!」
「良かったぁ・・・!」
漸く笑う一護。一角を睨む弓親。
○月同日
かえりみちで、すてねこをみつけた。いらないからすてられたんだって一角がいってた。ちょっとこわくなった。
はやく剣八のかおがみたいな。

隊舎に戻ると剣八は隊首室の椅子に座っていた。
「ただいま!剣八帰ってたんだ!」
すぐさま剣八の膝の上に乗り、顔を擦り付けて甘える一護。
「ああ、さっきな。なんだ、甘い匂いだな」
「えっとね、さっきまでお店でお菓子食べてたの。弓親と一角が連れてってくれたんだよ」
「そうか、良かったな」
ワシャワシャと頭を撫でてやると気持ちよさそうに目を細める一護。
「うん!美味しかった!」
剣八の首筋に顔を埋めると胸いっぱいに匂いを嗅いだ。
「くふん・・・、眠くなっちゃった・・・」
「んじゃ縁側で昼寝でもするか?」
「剣八は?」
「一緒だ」
「うん、する」

二人で縁側で昼寝していると一護の髪が剣八の鼻先で揺れていた。
「すう、すう・・・」
とあどけない寝顔の一護からは日向の香りがした。

夜になり、剣八は一護を組み伏せていた。
「あ、ん、剣八・・・」
「一護、気持ちよさそうだな・・・?」
「うん、すごく気持ちいいよ・・・」

お互いに身体を交える事に違う意味を持ち始めた二人。けれど口に出して伝えていなかった。

「ああう、もっときて?奥まで・・・んあ!」
「気絶しても知らねえからな」
グッと腰を抱えて奥を目指す剣八。
「ひあ!ああ!ああ!善い!うあ!あっ!あっ!イク!イク!」
パクパクと開閉を繰り返す一護の中心の先端。そこに親指の腹で抉った。
クチュクチュッと音を立てるほど濡れていた。
「いああっ!んふああーーっ!」
ぴゅく!ぴゅくん!と勢い良く自分の腹や顔に吐精した一護。
「くう・・・!」
その締め付けで中に熱の塊を注ぎ込む剣八。
「んああ!熱・・い・・・」
一護の身体が重くなった。
「一護・・・?」
気絶していた。
「しょうがねえな・・・」
と呟いて風呂へと向かう剣八だった。

寝室に戻り、新しくなった蒲団に一護を寝かせ髪を梳きながらポツリと、
「物足んねえな・・・」
だがこのまま襲うわけにもいかない、欲望のままに抱いて壊すなどもってのほかだ。燻ぶる熱を持て余し、
「くそ、店に行くか・・・」
と立ちあがり、出ていった。

「ん、さむ・・・」
ふと、夜中に目を覚ました一護。だがいつも隣に居る剣八が居なかった。
「剣八いない・・・、だからかぁ・・・厠かなぁ・・・」
と呟く内に眠りに落ちていった。

遅くに帰って来た剣八は一護の隣でもう一眠りした。

○月×日 はれ・くもり
きのう剣八とこうびしたあと、剣八がどっかにいってた。ちょっとさむくて、さみしかった。
あさ、おきたらいてくれたからうれしかった。

その晩から、剣八は一護が寝てしまうと遊廓に通い出した。


第3話へ続く



09/10/27作 剣八、他のオンナ抱いてしまいました。自分は割り切ってるので悪気0です。
一護にバレたらどうするんでしょうね?


大人のお部屋へ戻る