快感ディナーフルコース!

弟みたいなもんだ、……のハズが。何処でどう間違えたら、そうなるのか。人間の思考は筆洗バケツの透明な水、くるくると色を変える、それはもう簡単に。寝そべるブランクのベッドを、ジタンが憂鬱そうな顔で覗き込んだのが、始まり……。

いや、実はもっと前から始まっていたのか、その日の大体、朝くらいから。

「……何だよ」

「…………」

「黙ってちゃわかんねーだろ、何だ」

寝かかっていたトコロに起こされて、更に吃っていると来た、当然苛立ちを覚えはしたが、滅多に見せない複雑な表情に、ブランクは上半身を起こした。

「……どうしたんだよ」

ジタンはなおも口篭もっていたが、やがて少し紅い顔で、言った。

「……今朝……」

「なんだよ」

「……今朝、起きたら……その、下着、汚れてて……」

ブランクは、はあぁ、と大きく溜め息を吐いた。

「寝る前に水飲んだからだろ……ったく、十三にもなって」

「ち、違うっ」

「じゃあ何だよ……ったく、眠ぃんだよ、俺は」

苛立ちが立ちはじめたブランクの前に、ジタンは昨夜穿いていた自分の下着を、見せた。

「……なんか、白いのが……」

顔を赤らめて、ジタンはぼそっと言った。

――これが運の尽き、なんで俺になんかに相談しやがった。あとでブランクは何と

なく後悔。

場所移動、とりあえず外に出て人気のないトコロへ。

話題が話題だから、あんまり人に聞かれたりするのはよくない。この時間、路地裏のほうが安全だから。しかし、疲れているときに厄介ゴト、それは実は、一番疲れを増長させるように見えて、元気にしてしまう、不思議で不思議なメカニズム。

でも、結局あとで後悔することになる。

「……なんで、だろ……。夜、寝る前トイレ行ったのに……」

ブランクはポリポリと後ろ頭を掻き、何と言ったものか、女好きのくせにまだまだガキのジタンを前に、かける言葉が浮かんでこない。

「まぁ……その……、取敢えず寝小便垂れた訳じゃないから、安心しろよ」

何がどう安心なのか自分でもよく分からなかったが、ブランクはやっとそう言った。

「それからな、そのパンツ、もうパリッパリに乾いてんじゃねぇか。今更洗ったって多分もう無駄だ、棄てちまいな」

「……うん」

「……んで、……まぁいいや、聞け」

倉庫の隅の埃かぶった椅子に座って、くたびれたように。

「お前さぁ、『二次性徴』って言葉聴いたことねー?」

「……虹整腸……? ……ない」

「たまに、お前のココ、訳ワカンネェで、硬くなったりすることねー?」

「ある。あれって、何でだ?すっごい硬くなって」

「あれはな、……ま、簡単に言やぁ、アレだな、お前ん中のエロい部分が顔出して暴れてる時だ。……じゃあジタン君に質問、お父さんとお母さんと赤ん坊、赤ん坊はどうやって生まれてくるか知ってますか?」

ジタンは間髪入れず応えた。

「コウノトリが運んでくるんだ」

「……ホントに何も知らねーのな」

臨時保健授業開始。三分もしないうちにジタンの顔が真っ赤になる。女好きのくせに以下同文。最も、ブランクのいい加減かつラディカルな言葉づかいもそれに拍車をかけてはいたが。

「だから、お前のソコからセーエキが出て、女の体ん中に入って、ランシと結合してジュセイして、赤ん坊のタマゴが出来る訳だ。OK?」

「……おうけい……」

ちっともOKな表情はしていないが。

「……で、でも、どうしたら?俺、……お、女の人は好きだけど、せ、せ、セックスする相手なんていないし。……一週間に一回くらい、出てきちまうんだろ?」

「……出てきちゃうって言うか……、まぁ、そうだな、夢精するとしたら、それくらいの周期だろーな。……でも、ほら、気持ちよかったんじゃないか? 何か聴いた話によると、夢精が一番気持ちいいって言うし」

「覚えてない、そんなの……。っていうか、また……夢精?……するの、嫌だ。朝起きた時、気持ち悪いし、恥ずかしいし。何とかならないのかよ」

「そりゃお前、自分で一発抜いてから寝りゃ、夢精なんてしたくても出来ねえよ」

「い、いっぱつ、ぬく???」

「………だから」

随分眠かったはずだが、この物知らずに物を教えていくうちに、次第に目がさせてきてしまったブランクは、数冊の、そういう(どういう?)本を取り出し、ジタンの前に放り出した。

「って、おいっ、ジタン!?」

つー、とジタンの鼻から紅いものが。ブランクは慌ててティッシュを取り、ジタンの鼻に押し当てた。どくどくドクドク、物凄い勢いで鼻血が溢れる。

「う、うぅ……」

「……自称女好きが表紙見ただけで鼻血吹くなよ……」

鼻に詰め物をしてやり、ぼーっとした表情のジタンに苦笑する、下半身に触れる。

「あ……っ」

「な? エロいの見るとココ、こんな風になっちまうんだよ」

ブランクは手ごろな一冊を開き、見せる。モデルの女が足を広げ……もちろん、肝心な部分にモザイクは入っているが、かなりのキワモノだ。ジタンは一部分のみならず、全身が硬直した。

「心臓がすっげースピードで動いてる、コーフンしてんだろ」

クックックッと笑って、ブランクはジタンの右手を取って、ズボンごしに彼自身の怒張に触れさせた。

「ん……んんっ」

「気持ち良いか? ……ズボン脱いじゃえ。自分の握って、上下に動かしてみな」

熱に浮かされたようにズボンを下ろし、硬くなった自分のそれを握り込んだ。

ただ不思議な気持ち良さに浮かされたように、言われるがままに。

広げられた雑誌を見ながら、ゆっくりと性器を扱きはじめた。

途端、ピクンと身体に震えが走る。次第次第に、手のスピードが上がっていく。

「あ……ああっ、あ……ぅ」

「気持ち良いだろ?」

こういう光景、見る奴が見たら相当良いんだろうな、とふと思い、改めて眺めて見ると、確かにジタンは顔を顰めて、甘い息を上げて、酷く無防備で壊れそう。

「ん……っ、あっ、あ、いい……っ、あ、あぁあっ」

一際激しく身体を震わせて、ジタンは精液をばら撒いた。シャツにも飛び散ってしまった、ブランクは苦笑して、それをティッシュで拭き取ってやった。

「タマってるなーって思ったら、自分でそうやって抜けばいいのさ。ただ、あんまし過ぎると、疲れるし、身体にもよくねーって聴いたことあるな、節度を守ってやりな」

陶然となっているジタンには聞こえているのかいないのか。ジタンは清潔ではない地面に沈み込み、はぁはぁと浅い呼吸をくり返し、未だ内に残る快感の余韻に全身を翻弄されているようだった。ここが路地裏であり、天空に星が瞬いていることなど、忘れている。

「ったく……しょーのねーガキだな。……ムケてもいねえのに変なこと教えちまったかな」

苦笑して、ティッシュの箱を渡す。

「ほら、自分の拭いてキレーにしな」

ジタンはのろのろと起き上がり、自分のをティッシュで拭いた。力を無くしたそこを、じっとブランクに見られているのに気付き、隠した。

「何だよ、今更。いくとこ見せといて、今になって隠したって遅いぜ。それになー、お前のチンチンなんて見飽きてるから別に何も感じやしねーよ、俺ホモでもねーしさ」

ケラケラ笑って家の壁に頭を預ける。また少し眠くなってきた。

「……ブランクは」

「ああ?」

「……せ、セックス、したことあるのか?」

ズボンを上げたジタンが訊ねた。

「そりゃあ……あるよ。最近はしてねーけどな。なんで?」

「……気持ちよかった?」

「どうだろーな。気持ち良いっちゃ気持ち良いけど、オナニーのほうがいいかもしんない。結構シンドイっていう印象しかねえな。疲れる」

「ふーん……」

ジタンは深く溜め息をひとつ落し、じーっとエロ本を眺める。

「……こーゆーの、いっぱい持ってるんだな」

「欲しかったら何冊か持ってっていいぜ」

「……別にいい。何か、グロい写真ばっかりだな、ブランクはこーゆーのが好きなのか」

引っ掛かる言い方に苦笑。

「別に。こーゆーのでなくても、どーゆーのでも、一応、美人の裸だったら良いな、俺は」

「ふーん……」

ジタンは腕を組んで、少し考えて、思い付いたように言った。

「ブランクも、して見せろよ」

「あ? なにを」

ジタンはその思い付き、口に出すと意外と楽しそうに思えてきたのか、笑って言った。

「俺がやったやつ、やってみせろよ。俺、見られながらやったんだからな、ブランクも俺に見せてみろよ」

ドッと疲れを感じて、ブランクは大きな大きな大きな溜め息を。

「お前なぁ……、悪趣味だぞ、かなり。何で見たいなんて思うわけ。見たって何の得にもなりゃしねぇのに」

「恥ずかしいことに気付いた。普段おしっこしてる時に覗かれたりしたらヤだろ、それと同じだ」

威張って言うジタンに呆れて、エロ本を全部重ねて押し付けた。

「阿呆なコト言ってねーで、ガキはそれ持ってとっとと帰んな。ったく、何言い出すかと思えば」

ボケ、と一言言って、くるりと向こうを向いた。

「なー、ブランクッ、お前もしろよっ」

が、ジタンの手が、右足に回される。咄嗟に逃げようとして、転んで頭を打った。

「な、なっ」

「ズルイだろ、俺は恥ずかしかったのに、ブランク見てるだけなんて、絶対おかしい」

「ってぇえ〜………、だ、だって、俺はお前に教えてやったんだから、いいだろうがよ、お前はこれで、抜きてえ時に抜けんだから、文句ぁねえだろ、……痛ぇ〜」

「言い訳するな、ほら、これ見て、ブランクも抜けッ」

言って、ジタンは適当なページを開けてブランクの前に押し付ける。

「イヤだ、何が悲しゅうてお前の前でオナニーなんぞせにゃならんのだっ、しかもココ外だぞっ、一昨日来やがれっ」

「悲しくないのに、外なのに俺はしたんだぞ、不公平だ!このアンポンタンのオプティミスト!」

「何を訳の分からん事を……」

「いいからッ」

「……」

エロ本をおおっぴろげに示すジタンと暫しのにらみ合いの後。

……折れたのはブランクだった。

「……見てどーしよーってんだよ」

「別に。俺だけ見せたのは恥ずかしいしズルイからだ」

「……」

「それ以外、見たいのに理由なんてない」

「……お前、念のため聞いとくけど、ホモじゃないよな」

「まさか」

でも、この世に、純粋に同性のオナニーを見たがるノン気なんているだろうか。

考えてすぐに答えは出るけれど、収まりそうも無いジタンの眼光に、仕方なくブランクはズボンのベルトを外した。

「……すっげ。ブランクの、でかいな」

ごく、とジタンが唾を飲んだ。もちろん、下半身にブラ下がるモノについてだ。

でかい、と言われて嬉しくないはずは無いが、普段、風呂その他で見かけるジタンの性器からしたら、大抵の奴のは「でかい」と形容されてしまうのではないか、ブランク自身は標準だと考えている。

「……俺のと、形違くないか?」

「そりゃ、俺のは剥けてるけど、お前のは剥けてないからな」

「むけ……?」

「下脱ぎな」

「エッチ」

「……どっちがだよ」

再び下半身を露出したジタンの未発達の性器を摘み上げた。

「お前のは、ここ、先っちょ、皮被ってるだろ。そのうち剥けるよーになる、まぁ、お前はまだまだお子ちゃまってことだな」

ムッとしてジタンはブランクを睨んだ。

「お子ちゃまとは何だ」

「覚えときな、男は剥けて一人前になるんだ。よくゆーだろ、『一皮剥けてオトナになった』ってな。お前はまだ皮被ってるからガキなんだよ」

そう言いながら、何となく自分が誇らしいのは阿呆か。ムーッと膨れて、ジタンは自分のに手をかけた。

「こんな皮くらい!」

「あ、馬鹿ッ」

「ぎゃー」

「言わんこっちゃない。無理に剥いちゃ駄目なんだよ。ったく、時期が来ればそのうち自然と剥けるよーになるから」

股間を押さえて撃沈したジタンの頭をポンポンと撫でる。痛みが分かるから、ブランクも何気に辛そうだ。

「もう帰ろう。夜も遅えし」

「嫌だ、ブランクが抜くところ見るまで帰らない」

復活する。さすがにこれにはちょっと引いた。

「ほら、早くしろよ」

「……」

また暫し睨み合ったあと、再び敗れたブランクは、ちっともやる気無くダレている性器を握った。

「……一発抜いたら、とっとと帰れよ。それから、このことは誰にも言うんじゃねーぞ」

「解かったよ」

チッ、と舌を打ち、ジタンが開いたページを見ながら、性器を上下に動かす。ジタンはただじーっとそれを見て、何を言うでもなく、意識をブランクの姿に奪われたかのように、ズボンを穿くのすら忘れて。

「ッ……は」

見られながらという異常な状況、しかし、それはとりあえず頭から排除して、目の前の、偽物の裸で自分を追い立てていく。勢いづいた下半身に、……しかし、どこかで見られているから、という理由を感じつつ、ブランクは自慰に集中した。

と。

「あ……」

「って、おいっ、ティッシュティッシュッ」

ジタンの鼻から、また、つーっ。ブランクは慌ててまたティッシュでジタンの鼻を押さえて抱きかかえて首の後ろをトントン叩く。

「そ、それやめろよ、はなぢ、とまんなくなるんだぞ」

「いーから黙っとけよっ、ったく……この色ボケ馬鹿ガキが」

鼻の付け根の血管のトコロを抑え、漸く鼻から抜いたティッシュは真っ赤に染まっていた。

「……初めて見たぜ、男のオナニー見て鼻血吹く野郎なんてよっ」

半裸のまま、まだ少し湿っぽい気がする鼻をしきりに気にしながら、ジタンはしかし、無意識的に下半身を隠していた。

「もういいだろ、じゅーぶんだろ。早く帰って寝ようぜ」

「……うん」

「そうそう、人間素直が一番」

「で、でも……ちょっと、待って……」

「なんだよ」

ジタンは俯いたまま、それ、が去り行くのをただ身を硬くして待った。目を硬く閉じて、忘れようと努める。しかし違うことを考えようとすればするほど、頭の中には勃ち上がったブランクの性器と、少し歪んだ表情が。

「どうしたんだ? ……ははーん、あれだろ、やっぱ男のオナニーなんて見たから

気分悪くなったんだろ。だーから言わんこっちゃねえって。待ってな、今水持ってきてやるから」

「……う、ん」

呼吸が上がる。ブランクはズボンを上げて、ベルトを締めて、部屋を出ていった。

取り残されて、熱い熱い体を持て余す。この熱の原因は、絶対に、ブランクの広げてたエロ本のせいだ、そうでないはずがない、絶対にエロ本が悪いんだ……!

そう思いつつも、自分のからだを包み込む、全ての要素がウソにする。「ブランクに見られながらエロ本で」したんじゃなくて、ひょっとして「エロ本を見ているところをブランクに見られながら」したんじゃなかったのか。どっちもそんな差はなさそうに思えるけれど、実は。

ぞっとする、とんでもない事実に苛まれる、けれど熱い熱い自分の性器は痛いくらいに硬くなって、解放を望んでいる、理由も分からず、さっき教わったばかりの、自慰行為、そこへの扉を開いたのは、ブランク……?

堪えきれずに、ジタンは完全に勃起した自分の熱の中心に指を絡めた。埃っぽい床に横になり、ブランクの顔を想像しながら、扱く。

「あ……っ、……っ、ああ」

考えてみれば、何で自分はブランクのオナニーしているところを見たいなんて言い出したんだろう、純粋な好奇心では、なかったはずだ。いや……始めはそのつもりだった、けれど、いつしか。

唇から、恥ずかしくなるような声が零れてくる。けれど、体中、空白に支配されてしまった身体は完全に蕩けて、もう何も感じない、ただ快感が溢れてくる。

「あ……んっ、あ……ふっ、んぅ……」

そんなジタンのやらしい姿を見下ろして、ブランクは相当の眠気に襲われた。

「……何から質問したらいいのかな……」

「……ぶら、んく?」

「オナニーならテメエの部屋でやれよ。さっきのは特別だかんな」

完ッ全に呆れ果てた表情のブランクが見下ろしていた。ジタンは恥とか驚きとか、そういう表情全くなしに、ただ快感に食われた後の色で、呟いた。

「……見せろよ」

「ああ?」

「ぶらんく、の、してるところ、みせろよ……。俺、見たい……ブランク」

「……やっぱホモかよ」

「ちが……」

グラスを置いて、ブランクはジタンのみっともない姿を見下ろして、言った。

「何、俺のことオカズにしたいわけ?」

「……わからない」

「俺に感じちまったわけ?」

首を振り「わからない」、そして言葉を繋げる。

「でも、ブランクのを見たら、もっと硬くなった。解からないけど」

「……とんでもねぇ」

ぽつり、呟いて、ブランクは立ち尽くす。ジタンは、何とか起き上がり、ブランクに哀願した。

「お願いだ……、俺……変、なんだ、今、なんか、身体、熱くて、……あんたのこと考えると」

「お前が変なのはどっからどーみても判るけどよー」

お手上げだ、とブランクは両手を挙げて、苦笑した。

けれどブランクは、ジタンのその、切なげな瞳に、捉えられて一部分から麻痺が広がっていくのを感じていた。

ジタン、っていうか、嘘みたいなくらい、生ジタン。

そりゃあ、可愛いとは思うよ、コイツは、結構顔もキレーだし。

何となく危なっかしカンジ、そーゆーのを守って、これまで来たけど、なんかそういうのって、あれだろ、ほらやっぱ、兄弟に近いような感情。

男だろ、どうみても、なぁ?だって、ちゃーんと、生えてるもんは生えてるし、小せえけど。

でもさあ。

何で、其の瞳に俺、感じちゃってるの?

さっきコイツのオナニー見てた時もだけどさ。

「……生涯五回くらい、ゲテモノ食っても」

五回、という回数に根拠はない、それくらいなら我慢出来るか、という感じ。

「食中毒で死ぬこたぁねえかなあ……」

何だかんだ、よく解からない。少なくとも、目の前のジタンがゲテモノかどうか、それは食べてみなければ解からない。食べる必要性にも事欠くし、実際、寝そべるジタンの回りに散乱するエロ本で充分腹は膨れるけれど。ゲテモノで中るかもしれない例えばキノコやフグの方が、絶品だったりすることも。

でも、美味いものかもなどと考える自分が不思議だ。恐らく……身体の隅々まで知ってるジタンが相手だから、そう考えてしまうしかない。別に、そうだ、ホモじゃなくっても。

けれどなぁ? ……ブランクは内心、また少し逡巡、ケツの穴ん中にモノ入れるっつうのもなぁ……。ジタンだって死ぬだろうし? っていうか何俺すること前提みたいな考えしてるんだ?でも、ジタンなら……。

 いや、別に入れなくたって……、っておいおい。

ジタンなら、いいかなぁ。

「……知らねえぞ、あとで腹こわしても」

それは、自分に、そしてジタンにかけた、死刑宣告、食した瞬間、中って死ぬであろう、危険な危険な危険な、危険な、毒キノコ、……剥けていない毒キノコ。

「しっかし、エロガキだな、お前は」

苦笑して、エロ本を全部ベッドから落とした。ジタンの身体を仰向けに横たえて、見下ろす。

濡れた瞳と唇に、胸が高鳴っている自分が居た。エロはどっちもいっしょ。

「わかんないんだ……、あんたが、してるところ見てたら、……身体熱くなって」

裸のセリフに、裸になって答える。

「ああ、そりゃもう、立派なホモだよ、よかったなジタン」

まだ「ホモ」という言葉に嫌悪があるらしいジタンは顔を顰めたが、ブランクはフッと笑って、ジタンの唇に唇を重ねた、――何だよ、毒のくせに苦くねえ。

あ……。

でも間違いなく毒だわ、これ。早くも中毒症状。

「よろしくな、俺も、多分もう……」

自分で認めるのは結構勇気が要るもので、言うのは辞めた。その代わり、ジタンの上着を全部剥いで、それもベッドの脇に落とす。仄かに色づいた肌が……また、

毒気を持って、美味そうだ。毒キノコは、実際人目で解かるくらい、派手な色をしてるもの、確かにジタンの身体、毒の有りそうなところは、紅、というかピンクに染まっている。

胸の先と、下の方、勃起してるせいで、完全に剥けているわけではないけれど、少し亀頭の先っぽが覗けた。

「お前、すっごい光栄なことだぜ? 精通したその晩に、セックス出来るなんて」

ブランクは耳元でそっと囁くと、昨日まではただの弟分だった少年の首筋に、強烈な支配慾を覚え、唇を落し吸い上げた。

「ああ……」

「さっきから思ってたけど、お前すっげ、色っぽい声で鳴くのな。可愛いぜ」

ブランクはクスクス笑って、最初の毒を啄ばむ。

「あっ、やあぁ……、あ、あ」

軽く歯を立て、舌で味わって、芯まで飲み込むように吸う。開いた方は、その指先で味わわれる。微かな塩の味に小さく妖しい笑みを浮かべ、ブランクは下半身に手を伸ばした。

毒の皿、肉の塊、でもまだ、メインディッシュじゃない。

「そーいや、お前、毛も生えてないんだな。……犯罪臭するなあ……」

優しく舌先で、少し覗いた亀頭を舐める。ぴちゃぴちゃと、とんでもないところを舐められて泣き出して、ジタンがブランクの頭を抑える。

「ぶ、らんくぅ……あっ、あぅ……や、やだぁ、そんなとこ……ひぃ……」

「でも、気持ち良いだろ。いいぜ、いつでも、出して」

そうしてまたチロチロと先端を舐める。ジタンはぶるっと身体を震わせて、ブランクの口の中に精を放った。

「……何だ、さっき抜いたくせに、濃いな、お前のセーエキ」

男のこんなの、飲んで大丈夫かな、一瞬そう想ったけど、毒を食らわば皿まで、クリームソースだと思って、気付いた時には飲み込んでた。

ちょっと……しつこいな、味付けクドイよ、シェフ、とんでもなく興奮しつつも、シェフって誰よと自分で突っ込んでみる余裕があった。

セーエキの味の唇で、また唇を重ね、口の中に残っていたのを流し込む。

ジタンの唇を暫く塞ぎ、ごく、と飲み込む音が聞こえてから口を放した。

「どーだ? 自分で出したんだぜ、男の口の中に」

呆然とするジタンを、今度はひっくり返す。

「あ、あっ、な、なに……?」

完全にイノセント、ジタンはこれからの見通しが全く立たない、何をされるのか……もちろん、

ナニしかないのだが、聞いたとしたら泣いて嫌がられるだろうから、ブランクは言わない。

「イイコトだよ、イイコト。もっとセーエキ出させてやるからな」

ブランクはうつ伏せにしたジタンの腰だけを高く上げさせると、置いたグラスに指を入れて濡らし、ジタンの肛門に触れて濡らした。

「いやだ、そんな、ところ……ぉ……っ」

「聞く耳持たん、だってお前が誘ったんだからな」

フツーは舐めないだろこんなとこ……でも、あれだ、うん、クリームソースがくどかったから、言って見りゃ口直し……って、何処がどう直るんだか教えてもらいたいね。

「やぁん……、いやあ……」

普段はもろ軟派でガキだけどそれでも男っぽいジタンが尻の穴を舐められて女みたいな声で喘いでいる、そう考えると、意図せざる快感が体の中にじわじわ広がっていくのを停められない。

さっき、ジタンの眼前で己を引っ張り出して無理矢理始めたオナニーの際の快感が、未だ体の中で燻っているせいもある。そのあたりが攻撃的な自分を後押しする。

舌先でジタンの蕾の中心部を付き、聞こえてくる泣き声を楽しむ。そして、充分濡らした肛門に人差し指をそろそろと沈めていく。

頑なにブランクの指を拒むそこだが、構わずに奥へと進んでゆく。

「ひっ、いて……ぇ……えっ、いた……っ、ブランク、痛ぇ……」

「力抜けよ。それに、男なら黙って耐えてろ」

無慈悲にそう言い、ジタンの尻を抉っていく。身体の芯からちぎれそうな感覚にジタンは悲鳴を上げた。

「やだ、もう、……おれ、……しぬ……」

これっくらいで死ぬかよ、ブランクは言いつつも、開いた方の手であやすようにその形の良い尻を撫でる、それだけでも気持ち良いのか、ジタンはひくひくと、咥え込んだブランクの指を締め上げた。

「まだまだだぜ、ジタン。こっから、こっからがメインディッシュなんだから」

二本目の指を挿入させる。

「あああ……」

快感というより痛みで身体を引き攣らせる。ゆっくりその二本の指を出し入れし、入念に慣らしていく。どうしたって無理の出ちまう男同士のセックス、阿呆なコトは、本当にするもんじゃねえ。

それでも、アレだな、コイツ……もろ男の身体だし、ずっとそばに居たのに、なんでだ?

俺、どうなっちゃってんだ? ……冗談抜きに、ホモなんかな……これ一回じゃ終わんなかったりして……って、まじヤバイじゃんそれって。

考えは波のように浮かんでは消えた。適当な、猥褻なセリフは防波堤。

「なー、ジタン、嫌がってるくせに、お前のチンチン、また硬くなっちゃってるぜ、お尻で感じちゃってんのか? 女みてぇだな」

健気に首を振って否定する、けれど、最早二本の指に慣れつつある尻は、ジタンの意識とは無関係に指に食い付き、摩擦を求めて自分から腰を揺らしていた。

「そろそろ、いただきますか?」

ニヤリと笑って、ジタンの中から指を抜き、身体を再び仰向けに戻す。

「残念だけど、やっぱり俺のオナニーは見せるわけにゃいかねえな。そんかわし、お前の身体全部使って、オナニーしてやるよ……、んで、ついでにお前のもいかせてやる。良すぎて小便チビんじゃねーぞ」

実際、失禁するとしたら良すぎてというよりも痛すぎて、の方が原因として相応しい。

「じゃあ、入れるぜ……、お前が『でけえ』って言ってくれた奴をよ」

肛門に先端を押し当てて、そろそろと押し込んでいく。

「いっ……っ、いてぇ……」

「まだ先っぽだけだ。……頑張って力抜け」

「む、り……いっ、いってぇええ……あっ、いっ」

「痛がってるくせにお前のここかなりキてんじゃねーかよ」

言葉通り、二回――昨夜から数えると三回射精したあとにもかかわらず、ジタンの性器はまた勃起し、余韻と先走りの混じった液体を浮かべている。ジタンはブランクの悪趣味な言葉に何も反抗出来ぬまま、ただ足をみっともなく広げ、受け容れていくことしか出来ない。

「い……て、……痛ぇよ……、ぶら、んく……ッ……いてぇ……」

「嘘つけ。美味しいだろ、俺の」

「ひっ」

膝の上に乗せた身体は意外と重量感があって……いや、もちろん太っているわけではないのだが、昔からおぶったりして、簡単に持ち上げていた印象があるから意外だった。その重量を持ち上げて、再

び直腸の奥まで引き裂く。

「ひいぃ……っ」

「情けねぇぞ、男だろーが」

男をある意味女扱いしているのはどこの誰か。しかし入れられているわけじゃないから好き勝手言える。ジタンは痛みの余り、ただブランクにしがみ付いて身を硬くして震えている、同じように下半身のモノも硬くなって震えている。快感の証拠を抓まれて、ぴくん、ひとつ震え、動かされると、さらにぴくぴくと震えながら、だらしない声を上げはじめる。

「ひょっとして……痛くて感じてんのか? ……ふふ、お前、マゾっ気もあるんじゃないか?」

「そ、そんな……あぁん……」

或いは、ケツの穴ん中入れられるのがそんなにイイか、だよなぁ。まぁ、どっちにしてもいいや、関係ねぇ、好都合だし。

「あん、あ、んっ、んっ、んぁ、っ、も、もう、駄目……ッ、出る……出るっ」

激しくブランクを締め上げて、射精、少し力が緩んだところを見計らって、ブランクは下から突き上げた。

「あああっ」

半分ほど艶を含んだ声が上がる。

「俺はまだいってねーんだからな、満足するまでさせてもらうからな」

低く囁いて、耳朶に歯を立てる、「あん」と声を上げ、また小さく震えた。

コイツ……なんか、トータルで見ると……ひょっとして、いや、ひょっとしないでも、可愛くないか?

ちょっと待て、正気?俺、いや、正気、っていうか、本気? っていうか、大丈夫か?

っていうか……オイオイ、おいおいおいおい、マジ?

考えてみたら、ウェイターいねえじゃん、ひょっとして、なに、俺が全部お膳立てしちゃってたのかなあ、このフルコース、後片付けまで俺の責任?

言って見りゃシェフはジタンか?

おいおい。

「……ジタン、……もっと、激しくするからな」

「いやだ、もう、嫌だ……痛いから」

「痛いだけじゃねえだろ、お前のケツ、俺のチンコすっげー美味しそうに咥えこんで。イイならイイって言っちまえよ」

好きなのか? だとしたら何で、気付かなかったんだろーな、危うく、チャンス逃すとこだったじゃん。

……据膳食わぬは男の恥、って、据膳、食ってなかった俺。

ブランクはジタンの太股を支え、激しく揺すりはじめた。

「ひっ、あっ、んんんっ、いあっ」

すがりつくジタンに密かに感じ、その狭苦しい胎内を占有する。片手でジタンの頬を押さえて、口付ける。舌を忍び込ませ、思いきり絡み付けて。ジタンって、こーゆー味するのか、美味しいな、本当……。

「……ジタン……俺のこと、好きか?」

揺らしながら、キスの合間、ブランクは聞いた。揺らされて、痛みと快感がごちゃまぜになって、理性など何処にも残っていないジタンは、掠れた声で、泣いた。

「も、もぉ、いらない……、いっ、いやぁ……」

「……肯定と受け取るにはちょっと物足りないな」

まぁいいか。

「ジタン、中に出してやるよ、お前ん中、すっげぇやらしくて、気持ち良いから、せいぜい俺からのデザートだ」

といっても、アイスというよりホットなクリームだけどな。

「だから、……お前も、テメェのはテメェで弄っていきな」

ジタンはその言葉に、二人の身体に囲まれて、ギンギンに勃起した自身を握った。

「あ、あんっ、んんっ、はっ」

喘ぎ声を飲み込むようなキスをして、訊ねる。

「気持ち良い?」

喘ぎと共に、最後の理性も呑み込まれてしまったジタンは、もっと、もっとと唇を請いながら、濡れた声で。

「いい……気持ち良い……っ、いっちゃうよぉ、も、俺、いくぅ」

「いいよ、……俺もそろそろ、だから」

「いく…………いくっ、んっん、んんんっ」

もう一度深い深いキスをされ、全身、それこそ頭の天辺から足の指先まで全部でブランクを感じて、いった。

といっても、もうセーエキはあまり出なかったけれど。

ジタンがいって、激しく締め付けられた中、少し遅れて、ブランクが精液で満たす。脈打つ熱にジタンがまた震えた。

「はぁ、あ……っ、は…………」

素肌の擦れ合う感触に酔い、ジタンはブランクに抱き付いたまま、暫く動けなかった。ついさっきまでの自分、あんな風に、やらしい声を上げて無我夢中で快感を貪っていた事実が、戻ってきた理性とともに突きつけられる。

恥ずかしい。

……しかし、それだけならきっと、とっくの昔に今尻の中に入っているモノから逃げ出していただろう、こういう顔が熱くなるような感情が芽生えるだろうとは、解かっていたはずだ。

「抜くぞ」

耳元でブランクの低い声、仰向けになり、腰を引かれ、開かれていたところが閉じていく、繋がっていたところから、ブランクの放ったセーエキが零れて、やはりかなり恥ずかしい。

「ん、やぁ……」

「今拭いてやるから」

溢れたものをティッシュで拭かれている間も、ジタンの中には不思議な、恥ずかしくて痛くて、哀しい気持ちが充満していた。内部に溜まった、ブランクのセーエキを全部外に出してしまえば、きっと楽になる、そう思っていたけれど、「済んだぜ」とブランクの声を聞いても、その、寂寞とした気持ちは消えない、寧ろ余計に増したような気がする。

砂埃だらけの体を適当に叩いてもらいながら、ぼんやりと。

「……どーだったよ、セックスは。つっても男同士のだけどな」

笑って、ブランクが顔を覗き込む。

「何だよ、顔もいっちゃってるな、ある意味。だいじょーぶか?」

って、かなり無理させちゃったからな……内心、少し心配になる。

「ブランク……」

漸くクリアな声で名を呼ぶ事が出来た。ジタンはブランクの顔を見詰め、目を閉じた。瞼の裏にも、もうブランクしか居なかった。

「なんだよ、キスして欲しいわけ?」

「………」

ムードもへったくれもない科白、と言ってもその辺がブランクのブランクらしいところかもしれない。女を見ると、未熟なくせにカッコいい科白を考えてしまう俺よりかいいよな、急に自分を卑下してしまう自分に内心苦笑してしまう。

「……しょうがねえなぁ」

言いながらもまんざらではない。ブランクは右手をジタンの頬にかけ、優しく、唇を重ねた。ジタンの腕が首に回される。

「何だよ」

「解かんねー」

「解かんないってことあるか」

「解かんねーもんは解かんねー」

そうして、また、キス。

立ち上がりかけたジタンが、ぺたんと床に座り込む。

「おう、何やってんだよ、俺部屋戻るよ」

「……戻んな」

不貞腐れたように言う。

「何バカなこと言ってんだよ、もう眠い」

「帰りたくない、ここで寝たい」

「……あのなぁ」

「ブランクの隣で寝たい、悪いか!」

そんなこと、開き直られても困る。……そうか……、ブランクは微かな頭痛、

……後片付け済んだけど、皿洗いがまだだったか。

「ブランクの側にいたい」たしかに、アジトに帰って一緒に寝るわけには、いかないけどなあ。

聞く奴によっちゃ、相当トロける科白なんだろーけどなぁ……。苦笑……。俺もちょっと、トロ、けて。

「……完全にホモじゃん、お前」

「ブランクが悪いんだ、俺に変なことを教えるから」

「そうかなぁ…………」

ブランクは扉のところで駄々を捏ねるジタンに溜め息を吐き、其の隣に座った。ご機嫌斜めの表情、だけど、やっぱり嬉しいのかもしれない。唇の端が少し、動いた。

「そんなに俺の隣で寝たいか」

「寝たい」

「……なるほどね」

片手で簡単にジタンをうつ伏せにするとその上に圧し掛かり、ズボンのウエストから手をするりと忍び込ませる。

「な、なにやって……」

突然の事に狼狽してジタンが不平の声を上げる。ブランクは、――かなり楽しそうに、言った。

「悪いな、俺の側だと、寝れないぜ。お前は出なくなるくらいいったからいいかも知れんけど、俺は一回だけだからな。俺の事満足さすくらい……よーするに、お前の腰とケツがガッタガタになるくらいまで相手知てくれんなら、側に置いてやってもいいぜ」

ぷるん、と柔らかな尻を手のひらで味わう。

何だか、これって……あれだな。やっと全部片付け終わった後に、冷蔵庫開けたらまたオイシイもん見つけちゃった、みたいな。

「ジタンのケツ、すっげー触り心地いいな」

「あん……んんっ、いやぁ……」

「嫌なら、部屋に戻るか?」

「やだ、側、に、いる……はぁん……」

おいおい。

「……側に居ろよ」

苦笑して、命令、絶対、逆らっちゃ駄目な、命令を。

「俺の事、好きって言え、ジタン。どんな理由でもいいから」

「ブラン、ク……」

「な、お前のこと、なんか解かんないけど、俺、好きみたい。今更気付いたけど……、お前、こうして見るとすっげー可愛い。肌も白くてキレイだし、お尻も可愛いぜ。なんか、抱いてる最中から、なんか、……なんか解かんねーけど、お前でいっぱいになった」

ちょっと赤面して、でも誤魔化すように、ズボンの中、散々可愛がったジタンの蕾を指先で撫でる。

「あっ」

「早く言えよ」

「き、嫌いだっ、ブランクの事、俺、嫌い、痛いから、嫌だ」

「嫌いか、じゃ、しょーがねーか」

フッと笑い、耳をペロリとひと舐め。

「でも、覚えとけ、もう俺はお前の虜だ。俺もお前の事、嫌いだけどな」

「あ……お尻、もう、いやだ……、恥ずかしい……、離せ馬鹿っ」

だって、もう逃げようがないじゃない、男としてケリと責任とセーエキ出せるだけ。

快感を覚えてしまったらしいジタンは、もう足腰立たないくらいであるのにも関わらず、ズボンを脱がされると、尻を高く上げて、ブランクが愛撫しやすいように、誘うようなポーズ。ブランクの舌が再び蕾に触れると、悦楽に溺れた声を上げる。まー、いつか解かる時がくるさ、そん時、喉が掠れるくらい言ってもらおう、「ブランク、大好き」って。濡れた可愛い、声で。

それに執着はしないけどな。馬鹿馬鹿しいから。

キョウノトコロハキモチヨカッタ、そんな感想でいいか。

向こう見ずの阿呆ジタンに振り回されて、ついでに俺もまあ、よかったし。この、男のケツ、意外といいんだな。よほどキレイな奴でないと入れたいと思わないけど。

例えばジタン、とか。……あーあ、ハマってるな。

とりあえず、だ。

「あ、あ、っ、いく……いくっ、いくっ」

「俺も、……っ、いく……ッ」

……ごちそう、さまでした。

ブランクの小さないたみとなやみは始まったばかりだ。


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