オーバーヒート
2011/07/01 Fri
m25
「……つまり、それが見たいからエアコンを付けんのか?」
「はい」
間髪いれずに肯定するオズワルドに目眩さえ覚える。
心配した私が馬鹿だった。と、再び首を振った。
掌に力が篭り過ぎてスチール缶がペコッと軽い音を立てる。
「おい、それならそれを直接ジェネラルに言えば良いんじゃないか?」
「そんな変態のようなことを頼めるわけないじゃないですか」
安心しろ、お前は既に立派な変態紳士だ。
―――と喉まで出掛けた言葉を飲みこみ、ルガールは溜息を吐きだした。
「大体、寝る時はもっと軽装じゃないのか?」
聞いてから、うっかり余計なことまで想像しかけたが、ジェネラルともオズワルドとも今後もまともな付き合いをしていきたかったので、懸命に打ち消した。
想像したら最後、自爆スイッチに手を伸ばしかねない。
缶コーヒーのプルタブを無意味にカチカチするだけで、衝動を抑えておく。
「夜は夜でシャツの釦を外す数が増えるんです」
(キリッと擬音の付きそうな理由に、もう言葉も無かった。
パキリ。と缶コーヒーのプルタブも飛んだ。
「ああ、勿論、会社に迷惑をかけるつもりありませんよ」
一応、立場は弁えているらしいオズワルドの発言も遠くに聞こえる。
ルガールはじわじわと痛む頭を押さえながら、一度爆発しろ。と弱りながらも何処か幸せそうなオズワルドに向かって呪詛を飛ばした。
きっとジェネラルはオズワルドの節電意識に遠慮しているのだろう。
本当はもっと邪で下らない理由だと言うのに。
早くオズワルドが倒れるほど、気温が上がればいい。
そして、完璧な尖兵にお灸を据えられればいい。
恋も人を馬鹿にさせるらしいが、暑さも十分人を馬鹿にする。
ルガールは僅かに周囲の温度が上がった気がして、今までで一番大きな溜息をついた。
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私のクローンがこんなに可愛いはずがない >>
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