QLOOK?A?N?Z?X????

MAID IN LOVE

2011/03/30 Wed
m25



「閣下、お休み中ですか?」

出来る限り平静を装い、飄々とした声を出して問いかけた。
唾を引っ張って目元に影を作っていた軍帽をちょい、と持ち上げ、青の瞳がオズワルドを映す。

「少し考え事をしていた」

穏やかで低い声が鼓膜を震わせ、お互いの間にギクシャクとしたものを感じながらも、応じてくれたことに喜びを覚えた。
視線だけで隣を強請り、ジェネラルが浅く頷いたので音も立てず、長い身体をベンチに落ち着けた。
距離を測りかねたお陰で、不自然なほど間が空いてしまったが、会話に支障はないだろう。

「君こそ、こんな場所にいるとは珍しいな」

こちらをチラリとも見ずに横顔のまま、声を掛けられる。
まさか貴方を探して会場の端から虱潰しに歩いてきたのです、と真実を吐くわけには行かず、軽い苦笑で誤魔化した。

「急用が出来たらしく咲夜さんが紅魔館に出掛けたしまったので。控え室に居ても退屈なんですよ」
「そういえば彼女も二束の草鞋だったか、彼女も忙しそうだな」
「要職に就いていますからね。補佐らしい補佐も居ないようですし一人では大変なのでしょう」
「……………そうか」

一瞬、ギクシャクする前通りのラリーが続けられるのではないか、と期待するも何故かジェネラルが語尾を濁してしまう。
問いかけるのは無粋だと思ったが、思わず「閣下?」と疑問系が口をついて出た。
ゆっくりと、青い瞳がオズワルドに向けられる。少しだけ細められたそれは物言えぬ切なさを孕んでいた。

「…………ッ」

オズワルドが違和感を覚え、息を呑むと同時にジェネラルの大きな手に二の腕を掴まれた。
まるでこの場に繋ぎ止めたがるような力強さを以って。
人格者と名高いジェネラルにしては、唐突な行動だが、オズワルドに向ける真剣な眼差しが反論を許さない。

「どう、され…ました、か?」

動揺が浮き彫りになり、声が見っとも無く震える。
もともと無駄を削ぎ落としていた腕は、引退後更に細くなったような気がする。
それでも一般人と比べればしっかりしているが、ジェネラルに捕らわれて逆らえるだけの腕力は有していない。
ジェネラルの指先に力がこもり、圧力に腕が軋む。
何かを言いよどむようにジェネラルは言葉を選び損ねて、幾度も口を開いては閉じてを繰り替えす。

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[Serene Bach 2.23R]