MAID IN LOVE
2011/03/30 Wed
m25
笑顔のまま、葛藤と逡巡を繰り返すオズワルドを咲夜はくすりと笑って、それを誤魔化すように細い指先をティーカップに通し、ゆっくりと曲に口付け紅茶を味わってから口を開く。
「最近は私とばかりティータイムを過ごしていますから」
「元々そう頻繁に通っていたわけではありませんが」
「…………、……ポーカーフェイスが形無しですよ」
「………これは失礼」
つい、必死に食い下がってしまい、仮面がずれていると指摘される。
らしくなく咳払いをして取り繕うも、何もかもを見透かしたような咲夜の視線が痛い。
「……喧嘩に発展するほどの仲ではありませんよ」
「―――…そうかしら?」
「慰めでしたらお構いなく、自分のことは十分に理解しているつもりですので」
「シングルでならそうでしょうけど、タッグはドラマチックなことが起こるものですよ」
「直死を避けられるとかですかね」
「………もう少し穏便なドラマが良いわね」
お互いにたまには神の国へ顔を出す身としては、身に覚えがあるドラマだった。
無論、修羅の国を超えた神の国で穏便で居られるはずもなく、お互いに肩で息と言うことも少なくなかったが。
わざとらしい軽口でかわそうとする様に咲夜は軽く肩を竦め、その仕草にオズワルドは瞳を細めた。
「……嫌われることの方が怖いんですよ」
「弱気だとツキを逃しますよ、オズさんらしくない」
「リスキーゲームで、根拠のない強気は破綻を呼び込むんですがね…」
「――…私なら勝ち越しに掛けます、根拠もなくはないですし」
「ふふ、こういったゲームは咲夜さんのほうが得意なのかもしれません」
茶化すつもりはあったけれど、誤魔化すつもりはなかった。
しかし、咲夜は少し考えるようにしてから、細く白い首をゆっくりと傾げる。
「そんなことばかり言っていると、本当に幻想郷へ御招待してしまいますよ」
「今度の変異は貴女が起こすと言うのですか?」
御冗談を、と軽く笑って首を振るオズワルドに咲夜は僅かに瞳を細めた。
彼女の主人が関わるならまだしも、咲夜自身が変異を自主的に起こすとは思えない。
けれども、咲夜の表情は変わらず、冗談です。とのフォローも入らなかった。
寧ろ、煽るように言葉を続けてくる。
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