QLOOK?A?N?Z?X????

MAID IN LOVE

2011/03/30 Wed
m25


しかし、肝心のパートナーは珍しくお茶会の時間に遅れている。
どんどん冷めていく紅茶の熱が何処かで誰かに伝播しているようで、決して悪い気分ではない。
特に恒例と言うわけではないが、咲夜とオズワルドの間で、試合の前と後には茶会を開くことが慣習になっている。
無論、紳士たるオズワルドは茶会に欠席したことも遅刻したこともない。
そんな完璧な彼が、今は目の前に居ない。咲夜は笑みを堪えきれず、髪を揺らしてふふ、と笑気を弾ませた。

「子供じみたお伽噺が現実になったって」

音も立てずにソーサーにカップを乗せると、会場の方から新たなラウンドコールが流れてくる。
この声をパートナーもどこかで聞いているのだろうか。あるいは聞こえていても耳には入っていないかもしれない。
そう思うと笑みは一層深まって、二つ並んだカップに視点を合わせる。
近く、二つでは足りなくなるのだから、もう一脚揃えなくては。と心の中で呟く。

「懸命な努力は報われるものと、―――完璧な尖兵のお墨付きよ」

軽く小首を傾けて、細い銀髪がキラキラと輝いた。
きっと完璧な尖兵は紅茶を淹れるのもお手の物だろう。
ティータイムを常に欠かさぬ男の完璧な紅茶はどんな味だろう、と咲夜はゆっくりと目を伏せた。

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[Serene Bach 2.23R]