QLOOK?A?N?Z?X????

保健室へようこそ

2010/08/28 Sat
m25


間近にはゲーニッツの微笑み、背中に冷たいものが流れて額に青筋が走る。

「眼も――…、濁り一つありませんね。良いことです」

ぶつかる視線から嬉々としたものを感じ、口角がヒクついた。
思わず身を引きかけるも、ゲーニッツの顔が近づく方がいくらか早かった。

「な…っ」

まだ口に指が入っているせいで可笑しな音階の声が出たが、それ以上にヨハンの意識は目の前のゲーニッツに捕らわれる。
こともあろうにゲーニッツの長い舌がヨハンの右目を舐めたのだ。
眼球を生温い軟体で舐められて、恐怖と居心地の悪さはピークを迎える。

「ふむ…、少ししょっぱいで――」
「……っ、……ゲーニッツ!!」

事も無げに口腔でヨハンの味を確かめるゲーニッツに、
とうとう叫び声をあげながら、ヨハンは顔を振って指を振りほどいた。
ヨハンの舌とゲーニッツの指の間で細い銀糸が引き、それが異様に卑猥に映った。
片手で右目を押さえながら、涙目になってしまう自分を叱咤し、上体を大きく反らして更に声を荒げた。

「普通にやれ!!こんなこと健康診断でやるかぁっ!!」
「二度手間かけさせてる貴方が何を偉そうにしてるんですか」
「それが仕事だろうがぁぁぁぁぁ!!」

そもそも私に落ち度は無い!飄々とするゲーニッツにツッコミの声は絶叫へと変わっていく。
ゲーニッツはヨハンの正論に何処か楽しげに首を緩々と振ると、ヨハンの手首に指を絡めて捻りあげた。
ギシッと肩の関節が不穏な音を立てて軋む。

「ひぃっ!? 痛い痛い痛いーッ!」
「痛いのが嫌なら協力しなさい、仕方ない人ですねぇ」

人の腕が曲がるはずの無い方向へ捻られて、ヨハンは思わず大声を出す。
仮にヨハンが仕方ない生徒だとしたら、ゲーニッツはどうしようもない教師だろう。
ギリギリと筋肉と骨が引き攣れる音が危機感を煽り、それなのに恐怖感から振り解くことは出来ない。
既にヨハンの身体の中にはゲーニッツの暴力が染みこんでいた。
この後、更に酷い行為が待っているのだと簡単に予想出来るのに、抵抗出来ないとは情けなくて頭が痛くなる。
それでもなんとか身を捩じらせて微かな抵抗を示すと、一層極める腕の力が強くなり、呻き声が喉から零れた。

[7] << [9] >>
-
-


<< カタストロフィ
祭祀様は夢を見ない >>
[0] [top]


[Serene Bach 2.23R]