夢に見るほど甘い生活
2011/02/28 Mon
m25
条件反射のように細い腰に腕を回せば、互いの距離を埋めるように抱きつかれた。
今までシーツに熱を奪われ続けていたオズワルドの体温はジェネラルよりも低い。
湯冷めをしたのだろうかと、毛布を手探りで引き寄せると、拗ねたような声音が耳を打った。
「けれど、その為に閣下に触れられない上に触れて頂けないんですよ?」
ぴたり、と。
まるで時が止まったように、毛布を引き寄せようとしていた手が止まる。
それに気づいているのかいないのか、オズワルドは一層ジェネラルへと擦り寄り僅かの距離も許さないように身体を密着させてきた。
「―――…本当に、『歓迎すべき能力』とお思いですか?」
不貞腐れたような声が、本当に不本意さを醸し出していて、ジェネラルは心中で大きく白旗を振った。
漸く探り当てた毛布を引き寄せ、オズワルドの背に掛けながら、小さく顎を引いて皺の寄った眉間にキスを乗せる。
柔らかく当たる唇の感触にそっと瞼を下ろしながら、切なげな吐息が漏れた。ただの夢だとは理解している。
それでも、ジェネラルに触れられないこと、そして、ジェネラルに触れてもらえないことを歓迎すべき能力などとは絶対に思って欲しくはない。
「夢ではありますが、例え夢の中でも行動を制限されるのは不本意です」
「…すまない。軽率な発言だった」
拗ねてしまった恋人の機嫌を取るように、ジェネラルは細い身体を抱きしめた。
すらりと伸びた背を撫でて、閉じてしまった瞼に口付けを贈ると、そろり、と切れ長の瞳が開かれる。
下降していた機嫌が少しは上向いたのか、オズワルドは小さく笑んでジェネラルの肩に顎を乗せてきた。
そうされると、必然的にオズワルドの唇がジェネラルの耳元に近付く。
オズワルドはまるで内緒話をするかのように声を潜めて間近にある耳へと囁いた。
「…それで、こんな夢を見たのには、訳がありましてね?」
「心得ている。もちろん用意はしてあるが―――」
ジェネラルは枕元のアナログ時計を指差すと、悪戯を仕掛ける子どものような笑みを浮べた。
細められた青い瞳は楽しげで、至近距離のオズワルドは小さく胸を弾ませる。
「あと五分だけ待ちたまえ」
「―――閣下が触れて下さるのなら、待ちましょう」
オズワルドはちらりと時計に視線を飛ばした後、ジェネラルの首へと回した腕に力を込めた。
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