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2011/01/13 Thu
m25
「―――姫始めでもするつもりか?」
熱の篭った吐息を耳に吹きかければ、ぴくり、とオズワルドの肩が跳ねた。
低音での囁きにも、情事を仄めかす言葉にも弱いオズワルドは、こうすれば必ずと言って良いほど素早く寝室に逃げ込んでしまう。
今夜もそれに乗じてしまえと、ジェネラルはこれ見よがしに腰のラインをなぞった。
けれど、返ってきたのは予想外の反応だった。
「お待ちしておりましたっ」
「え」
酒精で僅かに火照った顔に嬉しげな笑みを敷くオズワルドに、ジェネラルを度肝を抜かれる。
全く想定していなかった反応に、思わず間の抜けた声が漏れた。
オズワルドはそんなジェネラルを気にした風もなく、いそいそとソーサーとグラス、今まで味わっていたワインの瓶も片付けてしまう。
事態が把握出来ず固まっているジェネラルの手を取ると、そのまま寝室へと向かっていく。
そこで、漸く、ジェネラルが考えていた以上に呑み過ぎていたのだと理解した。
今まで酔ったところは幾度か見たが、此処まで顕著な酔い方は初めてだった。
心中で混乱の嵐を巻き起こしているジェネラルを尻目に、オズワルドはキングサイズのベッドへと乗り上げる。
手を引かれるままにジェネラルも乗り上げ、オズワルドの向かいへと座り込むと、主むろにオズワルドが居住まいを正した。
ピン、と伸びた背筋はそのまま傾き、ジェネラルに向かって頭が下げられる。
「今年―――とは言わず、今後も末永く宜しくお願い致します」
酔っているとは到底思えないほど、しっかりした声と、強い言葉に、ジェネラルは一瞬呼吸まで忘れる。
すぐさまジェネラルも居住まいを正すと、未だ頭を下げたままのオズワルドに倣った。
「こちらこそ、宜しく頼む」
お互いが頭を下げたまま、何とも言えない沈黙が流れる。
頭を下げながら、堪らない気恥ずかしさがジェネラルを襲い、緩々と頬に熱が溜まる。
言葉に込めた思いは本意ではあるが、こうも改まって向かい合うと羞恥が顔を覗かせる。
熱を上げているジェネラルと同じ感情に襲われているのか、オズワルドも頭を下げたまま小さく笑気を零している。
常の余裕とは掛け離れた羞恥を誤魔化すような笑みは密やかで、ジェネラルも釣られるように笑みを浮かべた。
暫く、そうして密やかな笑気が寝室を満たしていたが、オズワルドの長い腕がするり、とジェネラルの首へと回ったことで笑気が途切れた。
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夢に見るほど甘い生活 >>
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