指先の駆け引き
2011/01/02 Sun
m25
熱を吐き出したばかりだというのに、白濁を纏った掌の感触が鋭利な刺激となって腰を苛み、ジェネラルは掠れた吐息を天井に向かって吐き出した。
「お、オズ…ッ」
吐息に、狼狽の声を混ぜれば、オズワルドが至近距離で視線を合わせてくる。
欲に濡れた切れ長の瞳がジェネラルを覗き込む。まるで夜を溶かしたような色だ。
ジェネラルの胸を、酸素不足とは違った息苦しさが襲う。
赤く染まる体躯に舌と手を這わせながら、オズワルドは綺麗に笑みを浮かべて見せた。
ジェネラルが好む、蕩けそうな艶のある笑み。
「私の閣下は、本当に可愛いですね」
「―――〜〜〜ッ!」
その囁きに、ジェネラルは首筋までを朱色に染めて息を呑んだ。
うろうろと視線を彷徨わせ、言葉を捜すものの、吐息ばかりが量産されて声は出ない。
ジェネラルが口を開閉していると、白濁に濡れた掌が卑猥な水音を奏でて熱を弄ぶ。
咄嗟に静止を求めようとするも、まるで封じるように唇を塞がれ、万策尽きてしまう。
結局、オズワルドの手で、声で昂められ、空が白ばむまで熱に溶かされたのだった。
「閣下。朝食は用意しておきましたので、起きられるようでしたら召し上がってくださいね」
ネクタイを結びながらオズワルドが、口を開く。
オズワルドの視線の先では、昨夜の帰宅時と同じようにシーツの包まるジェネラルがいた。
昨夜、久方ぶりの情交でたっぷりと愛されたジェネラルは未だ起き上がれず、オズワルドが起きてからずっと小山を築いている。
多分、体力を回復できていないという以上に、昨夜遅くに帰ってきて、更に今朝も早くに出かけなければならないオズワルドを付き合わせてしまったという自責の念に駆られているのだろう。
変わらない不器用さが愛しく、なにより可愛らしい。
オズワルドは小さく笑んで、小山を優しく撫ぜた。
「それでは、行ってきます」
そう告げると、腕まくりをしていたシャツを伸ばし袖の鋲を留めてジャケットを素早く羽織り、コートと帽子を手に取る。
少し朝寝坊をしてしまったので、これ以上ゆっくりは出来ない。
手袋を嵌めてマフラーを首に巻きながら扉を開けると、背中に視線を感じて動きを止めた。
[7] << [9] >>
-
-
<< 誘導尋問
眠れぬ夜と緑の牧場 >>
[0] [top]