指先の駆け引き
2011/01/02 Sun
m25
声は掠れて、語尾が揺れている。珍しいこともあるものだと思いながら、声に僅かな苦痛が混じっていることに気がついた。
致命傷には遠いものの、切羽詰ったような声に、オズワルドは小さく首を傾げた。
熱でも出したのだろうかと思いつつ、オズワルドの手がシーツから僅かに覗く金髪を梳く。
その時、金髪に隠れた耳を、オズワルドの指先が掠めた。
「―――ンッ」
オズワルドが指先に感じた熱を訝しがるよりも早く、押し殺した嬌声を耳が拾う。
それと同時にシーツの小山も顕著に震え、スプリングが控え目に啼いた音が響く。
ジェネラルが己の失態を呪うより早く、シーツが舞い上がり、外気の冷えた空気がジェネラルの肌を舐めた。
寒さに身を震わせる間すら挟まず、オズワルドがジェネラルへと覆いかぶさってくる。
「―――お、オズ…!」
「何をなさっているんですか、閣下?」
焦ったように名を呼ぶも、問いで切り返されて言葉が詰まる。
シーツで包まって下半身を露出し、挙句の果てには陰茎は誤魔化しようもなく反応しているのだ。
何をしていたかなど明白な上、言い逃れすら出来ない。
羞恥と狼狽で身の置き所がまるでないジェネラルを、完璧な笑みで黙らせると、はしたなく起立した熱に器用な指が絡んでくる。
皮手袋に包まれていたとはいえ、今まで外に居たオズワルドの掌は冷たく、ジェネラルは思わず身を竦ませた。
「―――――ん………ッ」
常はカードを操る手が繊細に動き、僅かな動きで最大の愉悦をジェネラルへと及ぼす。
鍛えてばかりの無骨な手とは違い、傷の少ない冷たい手は淫液を器用に陰茎に絡め、卑猥な水音を寝室へと響かせる。
素直に悦びを呈するジェネラルの欲を五指で以って摩擦し、熱の溜まる耳朶に柔らかく歯列を埋めてきた。
下腹部から上ってくる水音と、間近で聞こえる耳朶を弄る音に翻弄され、ジェネラルは背筋をのたうたせる。
「ぅ…オ、ズ…ッ」
ジェネラルは揺れる声を両手で押さえ、涙で潤んだ視線をオズワルドへと向けた。
渦巻く熱は限界が近く、解放を強請るように恋人の名を呼べば、視線を受けたオズワルドが思わず見惚れるような艶のある笑みを浮かべて見せる。
羞恥で溢れる胸が、条件反射のように高く跳ねる。赤みを増した眦にオズワルドは笑みを深めると、捕らえた陰茎から徐に手を離した。
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