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酔っ払いの作法

2010/11/26 Fri
m25



「――かっ、閣下、さすがに、それは――ッ」

制止の声と共に腕を伸ばして、ジェネラルの手を振りほどこうとしたが、逆に捉えられて頭の上で両の手首を纏めて押さえつけられる。
分かってはいたが、力量差は歴然だ。挙句、無慈悲に掌がゆるゆると動き出せば、肩に震えが走る。
異性ならまだしも同性に、しかも友人の手で性器をな弄られる経験などあるはずもない。
オズワルド自身、年老いてかなり淡白になっている自覚があったし、昔ならもっと別の感想を抱いただろう魅力的な女性を見ても今では可愛らしい、と純粋な感想が立つのみで終わる。
老い枯れた身には縁遠くなっていた行為だというのに何故、同性相手にこんな状況になっているのか。

「―――…ぅ、んッ」

無理やり他事に意識を逸らしていたが、ツボをよく心得た指に身体の方が先に反応する。
根元から指を絡め、硬さの足りない陰茎を労るように摩擦を繰り返す。
特に裏筋を引っ掻くように撫でられると、耳の裏をゾクゾクしたものが走った。
自分の中心に熱が溜まり、白いシャツをやんわりと押し上げているのがわかる。
たとえ、枯れていようが老いていようが所詮、オズワルドも男なのだ。
徐々に芯を持ち始める熱を否定出来る筈もない。

「――や、め…っ」

ささやかな抵抗の言葉を口にした瞬間、括れに指を強く押し付けられて、身体が跳ねた。
戸惑いを抱えながらも、何の抵抗も出来ないまま、酷くあっさりと吐精してしまう。
瞬間的にドッと身体が重くなり、途方もない虚脱感がオズワルドを襲う。
人の手を借りるどころか自己処理をしたのも久々だった身体にとっては、快楽よりも衝撃の方が大きい。
溺れる魚のように何度も息を吐き出し、胸板を上下させる。

「―――…ぁ、」
「気持ち良かったか?」

諸悪の根源がやたら腰に響く低音で問いかけてきた。今更だがジェネラルの声は酷く色気がある。
最中に良いかと聞く男にだけはなりたくないと常々思っていたが、ジェネラルの声なら有りかもしれないと、もみくちゃの思考が相槌を打つ。
オズワルドはゆる、と首を捻り、左右に振って見せた。

「あんな、…分かるわけ、ない、…じゃないですか」

口にした後でハタと気付いて後悔する。

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[Serene Bach 2.23R]