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酔っ払いの作法

2010/11/26 Fri
m25


オズワルドは少しだけ考えてから、ジェネラルの足元に片膝をついた。
元はと言えば、ジェネラルを酒に誘ったのは自分なのだし、アフターケアの一つくらいしないと気が引ける。
せめて軍靴と手袋くらい脱がせて、前をあけておかないと見るのは悪夢だろう。
同じ寝台を使うのだから、なるべく穏やか且つ静かに在って欲しいのは当然の願いだ。
ジェネラルの足から靴を抜き、今度は寝台に上がって覆い被さるように腕を手繰る。
先ずは右手、次に左手。ジェネラルの大きな手を包む手袋を揃えて枕元に退けると、下から控えめな唸り声が上がった。

「う…ぅん、…オズワルド……」
「―――ああ、起こしてしまいましたか?ベルトを抜きますから、少し腰を上げてください」

酒と睡魔に犯された青い瞳が数度瞬いて、オズワルド。ともう一度呟いた。
そんな無防備な姿を見るのは初めてで、思わず口元に笑みを浮かべてしまう。
そこには凶悪なカイザーナックルの真のボスたる面影はなく、ただ眠たそうなに瞼をしばたかせるジェネラルがいた。
珍しい表情を垣間見て、オズワルドはうっかり青の瞳に見入ってしまう。
裏の世界では邪眼と恐れられているらしいが、ジェネラルの瞳はもっとずっと透き通っていると思う。
ゆっくりとジェネラルの身体が動いて腰が持ち上がる。
ブルーエストと言うに等しい瞳に吸い込まれていたオズワルドはハッと我を取り戻し、ベルトに手をかけ直した。
しかし、ジェネラルの腕は自らの身体を支えず、オズワルドの体躯に回された。
当然、ジェネラルの自重がオズワルドの肩に掛かり、上体が傾く。

「……閣下、誰とお間違えなのかは知りませんが重いですよ」

まるで甘えるように縋ってくる友人に肩を竦め、ジェネラルの顔の隣へ手をついた。
するとジェネラルは薄く開いた瞳にオズワルドを映し、そのまましばし沈黙を流した。

「…オズワルド、か?」
「オフコース、何か飲むのであればキッチンへどうぞ。私はそろそろ限界なので―――」

欠伸をかみ殺しながら、枕元の時計に視線を向けた。いや、正しくは向けようとした。

「――…ッ!?」

ジェネラルの太い指に阻まれて顎を取られ、抵抗する間もなく唇を塞がれる。

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[Serene Bach 2.23R]