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Sleeping Baby

2010/11/01 Mon
m25



!注意

グスタフさんとオズワルドさんで師弟設定小話。
オズさんがナチュラルにグスタフさんに甘く、
グスタフさんがかなりの甘えん坊なので注意。


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冬の彼の記憶と言えば、まるで天使のような寝顔を思い出す。

いつも憎まれ口ばかり叩く口を緩やかに閉じて、此方を射殺さんばかりに睨んでくる瞳も伏せられて、穏やかに眠っている姿が蘇る。
幾ら虚勢を張って大人ぶっていても、彼はまだ年若かったし、何より可愛げがあった。
茶化せばすぐに噛みついて、叱れば猛反発して師である私に何度も挑んだものだった。
現在のように、僅かに目を細めて、鼻を鳴らすだけで通り過ぎるなどと言うような小憎たらしい真似などせず、真っ向からぶつかってきたものだったのだ。

そんな彼も昔は、こと冬季になると吠える率が格段に下がり、ミスも増えた。
人ではないと聞いていたから、野生の本性に引っ張られているのだろうとは予想がついたが、それにしても顕著だった。
日中はまだしっかりとしているのだが、日が傾くにつれ、彼の瞼も重みを増して、首がゆらゆらと揺れた。
本人は襲いくる睡魔に抵抗しようとするのだが、如何せん身体の訴えを却下できるほど精神が成熟していなかった。
何度も瞬きをして、白河夜船に頻繁に乗船していたものだ。
彼が修行途中で倒れるように眠ってしまったこともある。
幼いころから体力面だけが不安要素だったのは、それも関係するのだろう。
殺し合いの最中で意識を飛ばす事がどれ程危険か、懇々とした説教は何度したか覚えていない。
それでも眠気眼で聞きながら、温もりを求めて鼻先を押し付けてくる彼を無下に出来ず、結局何時もおぶって帰ったものだ。
なにせ、オズワルドは彼が見せる子供らしい顔など、それくらいしか知らなかったのだから。

だからこそ、ある日、彼が突然家を飛び出し、消息を絶った後も、冬になると眠そうにしている幼い顔を思い出した。
彼がその後、どんな人生を歩み、どれほど努力したかは知らないが、再会した時にはしっかりとした大人の男になっていた。
あのころはまだ、あやふやだったオロチ一族としての宿命も、何もかもを飲み込んで、一目で人とは別のものなのだろうと、理解できるほど大きくなっていた。


――――……そう、思っていたのだが。

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[Serene Bach 2.23R]