祭祀様は甘くない
2010/10/27 Wed
m25
下から見上げるゲーニッツの表情は常の澄ましたものでなく、怪しい色が滲んでいた。
口腔で感じる微かな痙攣に堪らない充足感を覚え、浅く歯を立てて戯れる。
「……ん、」
ゲーニッツの低い声に鼓膜が灼けて、恍惚に瞳を撓めると、仕返しとばかりに前髪を掴まれて喉を穿たれた。
呻き声すら潰れて、瞳に生理的な涙が溜まったが、自らも棹に粘膜を絡めて摩擦を強めた。
前髪を強く引っ張られて、熱を深くまで飲み込まされるとグスタフはゲーニッツの足に掛けていた指先を戦慄かせる。
喉奥が熱く太い異物を拒むように、意に反して蠢動し、嘔吐感がこみ上げてくる。
吐き気を懸命に堪えるも、ゲーニッツは執拗に口腔の粘膜を苛めてくるのだ。
鼻から抜ける呼吸に悩ましく眉根が寄る。ゲーニッツの腰が僅かに震えた気がした。
「いきますよ、グスタフ」
「ふ……、ハ…ッ」
熱い楔が舌の上で踊ったのを感じて、反射的に瞳を閉じ、喉に浴びせられる粘性の飛沫を受け止める。
濃厚な白濁を飲み干すのは困難を極めたが、一滴も零したくなくて、呼吸を忘れて喉を上下させた。
一度では嚥下出来ずに、数度喉を鳴らして重い精液を漸く飲み干す。
丁寧に舌を這わせて、残滓まで舐め取り、ゆっくりと唇を離す際に先にキスを送って啜った。
胸板を浅く上下させながら、視線を持ち上げれば、ゲーニッツが嫣然と微笑んでいる。
「よく出来ましたね、グスタフ」
ゲーニッツは前髪を掴んでいた指を開いて、よしよしとまるで子供を褒めるように撫でた。
その手に因ってハラハラと視界の端を黒髪が散って落ち、グスタフは双眸を撓めて蕩けさせる。
飲み込んだ濃厚な精がグスタフの腹から、ジンと熱を広げはじめ、双眸に宿る色は濃さを増した。
己の浅ましい欲望を隠すように、革手袋に包まれたままの手背で口元を拭い、荒くなる息を努めて整える。
しかし、悪戯なゲーニッツは休む間を与えず、グスタフの内腿をツ、と足の爪先で撫で上げた。
ゾクリと背中を快感が這い、食いしばった唇から甘い吐息が零れてしまいそうだった。
「――…おや、硬くなっていますよ? そういえば、口の中にも性感帯は存在するのでしたね」
「…………ッ」
硬いブーツに足の間を弄られて息を詰める。更に言葉でも詰ってくるゲーニッツにグスタフは耳を赤く染めた。
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黒龍の優雅な晩餐 >>
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