祭祀様は甘くない
2010/10/27 Wed
m25
みなまで言われては、グスタフに返す言葉もない。
わざとらしい物言いに反論できる筈もなく、グスタフは言い訳めいた言葉の続きを飲み込んだ。
一瞬だけ逡巡してみても、視界に入るゲーニッツの穏やかにしてにこやかな笑顔は強力だ。
グスタフでは太刀打ちも出来ない完璧な笑顔を見せるゲーニッツは心底楽しそうで、口を挟むことすら出来ない。
しばし、ゲーニッツの縦長の瞳孔を見つめ、やがて諦めたように頭を下げる。
「香りだけの代物で宜しければ」
その言葉にゲーニッツは青い瞳を撓め、音もなく双眸に笑気を浮かべてみせた。
緩慢な仕草でグスタフに掌を差し出し、芝居がかった仕草で以って唆すような低い声を出した。
「―――…さて、それでは悪戯しましょうか。お付き合い願いますよ、グスタフ」
念を押すように名前を呼ばれ、グスタフはほんの少しだけ構えてしまう。
ゆっくりと微笑んだゲーニッツの瞳は、キラキラと輝くような縦長の瞳孔を有していた。
ステンドグラス越しに月の明かりが差し込んで、ぼんやりと教会内を照らす。
中央路から外れた長椅子には二つの人影が重なり、一つの大きな影を生み出していた。
静謐な空気には似合わない淫靡で湿った水音が混じっている。
「……ん、……ふ」
「良いですよ、大分上手くなりましたね」
ゲーニッツの長い指がグスタフの黒髪を梳き、顔を無理やりに上向かせる。
いつも教えを説く教壇の目の前にある長椅子に腰を掛け、青い法衣の前だけを僅かに乱していた。
開いたゲーニッツの足の間に身を滑り込ませ、前に跪いて奉仕をしていたグスタフは小さく眉を震わせる。
喉の奥までゲーニッツの太い熱に満たされて、何度も失敗した吐息が熱源に絡みつく。
口を大きく開いて迎え入れる欲望は既に猛り、全てを飲み込めずにいた。
「は……、…く…っ」
舌を伸ばして裏筋を舐め上げ、先端から滲む先走りが粘液と口腔で交じり合う。
喉の奥へと滴っていく味に、喉を鳴らして唇を僅かに窄めた。
緩やかに前後へと顔を動かせば、擬似的な性交を思わせて、じわりと唾液の量が増す。
開きっ放しで顎が疲れ始めていたが、ゲーニッツを満足させずに止めるわけにはいかない。
器用な舌先で裏筋を擽れば、詰めたような吐息が頭上に降ってくる。
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黒龍の優雅な晩餐 >>
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