祭祀様は甘くない
2010/10/27 Wed
m25
!注意
ゲーニッツ×グスタフでR18のハロウィン話。
祭祀様が絶好調でパワハラ&セクハラ、やや変態的。
キャラ崩壊、嘘設定などを受け付けない方は要回避。
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ボウルと泡だて器の軽やかな音が、午後のキッチンを満たす。
キッチンに立つのはこの教会に住む清楚で楚々とした少女ではなく、仕立ての良いスーツの上から黒のエプロンを羽織った長身の男――グスタフだった。
トレードマークでもある長い黒髪は結ばずに三角巾で隠していた。
本当は結んでしまっても良かったのだが、髪をまとめて見せたとき、この仕事を任せていった上司であるゲーニッツが眉を顰めたのだ。
その顔に逆らってまで、自分の利便性を優先させたいとは到底思えない。
故に、長い髪を持て余しながらも、細心の注意を払いながら大量の菓子を量産していた。
時は十月末日。世間は橙色と夜の色で彩られ、かぼちゃオバケが往来を飾っている。
今日は天国にある聖人らを祝う万聖節の前夜祭であるハロウイン当日であった。
ゲーニッツが切り盛りしている教会でも今晩、子供たちに菓子を配る催しを行うのだが、生憎ゲーニッツにもレアスにも揃って大会への招待状が届いてしまい、毎年31日の昼間に行われる菓子の量産はグスタフへとお鉢が回ってきた。
いや、正しく言うなれば、前日から徹夜でお菓子製作を敢行しようとしていたゲーニッツに頼んで仕事を譲ってもらったのだ。
グスタフはたかだか人間等の祭りごと如きで、敬愛する祭祀様の休息を邪魔されるのが許せなかった。
ゲーニッツ自身は仕事と使命は別物と割り切ってはいるが、愚かしい人間の子らのために、ゲーニッツの睡眠時間が充てられるなど、到底我慢できるはずも無い。
お陰で昼間からシャカシャカと軽快な音を立てて卵を泡立てる羽目になったのだ。
甘いふんわりとした香りが髪に纏わり付くのも構わず、砂糖とバニラビーンズをボウルに落とし、
良く掻き混ぜてから、焦がしバターと振るった粉をざっくりと混ぜて合わせ、生成り色の生地を作り出す。
生地の固さを確かめながら、銀色の型にバターを塗りつけ、八分目ほどまで満たしていく。
繊細な作業を淡々と行うグスタフの背中は、上司の傍らに仕えている時と何ら変わりないほど真剣な顔をしていた。
たかがお菓子、されどお菓子である。
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