QLOOK?A?N?Z?X????

深夜過ぎたら逢いましょう

2010/10/21 Thu
m25


同時に、背中を無防備に晒した現状を打破するべく、スプリングを軋ませながら飛び起きようとした。
しかし、強固な捕縛によって身動き一つ取れず、寝台を大きく軋ませただけに終わる。
両足は動くものの、腕が何かに取られ、上半身が全く動かない。

「……これは……」

漸く闇に慣れてきた視界で両手の自由を奪うものを写すと、ゲーニッツの視線が剣呑な光を帯びる。
闇の中でも光沢が分かる、細く鋭利な銀糸。
それが幾重にもゲーニッツの両手首から腕に掛けてを戒め、寝台へとくくりつけられている。
丁寧なことに寝着の上から巻かれているため痛みは無いが、
このまま暴れれば手首ごと落ち兼ねないのを見て取って、ゲーニッツは怒りでこめかみを揺らした。

「―――……中々に面白い芸当をしてくれますね…」

舌打ちしたくなるほど無様な体勢のまま、獣のように後方に位置する扉を見やる。
覚醒した意識は塗りつぶしたような闇の中に同族がいることを察知していた。
僅かの間ののち、ゆっくりとした足取りで闇がゲーニッツに近寄ってくる。

「……血迷いましたか?飼い主の手を噛んだ犬がどうなるか、など、言われずとも分かるでしょう?」

冷気すら纏うような視線と声で以って、視認できる距離まで近づいてきたグスタフを迎える。
ぴりぴりと夜気すら切り裂くような怒りが寝室を揺らす中、足音は寝台近くで止まる。
死角に入られ、感覚でしかグスタフの存在を確認できないでいると、空気が静かに動いた。

「グスタフ、何を―――…ッ!?」

冷気を纏う声は、驚愕で途切れる。
グスタフが寝台に乗り上げ、ゲーニッツの寝着を乱しに掛かったのだ。
常はワイヤーを操る器用な手が、確固たる意思を持って貞淑かつ簡易な衣服の上を滑る。
布越しに手の熱を伝えるように背筋から腰へと下ると、形を確かめるように臀部を撫でられる。

「っ、馬鹿な真似は止めなさい!」

素直に鳥肌を立てたゲーニッツに気付いているのかいないのか、
はたまた気にしていないだけなのか、グスタフは緩慢な動作で下着ごと下衣を取り払う。
途端、冷たい寝室の空気が肌を撫で、冷気が乱された寝着の中に滑り込む。
寒さに弱いゲーニッツは、こんな状況だというのに寒さに負けて身を震わせた。

[7] << [9] >>
-
-


<< 見知らぬ天井
Little by little >>
[0] [top]


[Serene Bach 2.23R]