君の瞳に乾杯
2010/10/17 Sun
m25
そんな心情はきっとお見通しなのだろうジェネラルが、思わず見惚れてしまいそうな笑みを見せる。
どくり、と跳ねた心臓は忌々しいほど正直で、オズワルドは心中で舌打ちをした。
「オズ」
「…なんですか?」
「私はな、少しでも貴方との時間を共有したいのだよ」
「……はい?」
言われた言葉を受け取り損ねて、オズワルドは僅かに首を傾げた。
その隙に、頬に当てられたジェネラルの手がすべり、オズワルドの手からグラスを浚っていく。
カタン、と、テーブルにグラスが置かれた音が、嫌に大きく聞こえた。
「可能ならば、どんなことであっても貴方と同じことをして、同じ空間にいたい。
貴方が一人で酒を呑むのを見るのも良いが、貴方が好む味を私も味わいたい。」
「……それを閣下が好きじゃなくても、ですか?」
「貴方が飲む酒は不思議と口に合う」
酔っているとは思えないほどの真剣な目と声に、一瞬オズワルドの息が詰まる。
酒精に侵されたジェネラルの言葉は軽いが、その口から虚言が出たことはない。
本人曰く、普段押さえている枷が緩むのだとか。
ならば、この言葉はジェネラルの本音で、好きでもない酒でもオズワルドと飲みたいのだという本心なのだろうか。
そう思い至ってしまったオズワルドは思わず口を噤んだ。
今、口を開けば、聞き苦しい揺れた声が出てしまいそうだったからだ。
「オズ。酒より深く、強く、私を酔わせておくれ」
「―――…ッ」
ジェネラルはオズワルドの手を取り、そのままゆっくりと身を起こした。
抵抗する間もなく唇を奪われ、リップノイズに混じり、ネクタイに手が掛かる。
手馴れたようにソファに押し倒され、ジェネラルの顔が緩まされた首筋へと埋まる。
熱い舌にぞろり、と舐められると、痺れるような感覚が広がった。
「……閣下…ッ」
咎めるような声を出しながらも、オズワルドの手はジェネラルの服の裾を掴んで縋ってしまう。
結局、ジェネラルであればオズワルドに否やの声はないのだ。
じわじわと熱の広がる身体を持て余し、オズワルドは観念したように息を吐いた。
裾を捉えていた手をジェネラルの広い背に回して抱き寄せると、思っていた以上に簡単に身を引けた。
同時に、圧し掛かってくる重さも増して、ジェネラルの体躯がオズワルドに落ちてくる。
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