ラウンド・コールは高らかに
2010/10/09 Sat
m25
!注意
某主ボスランセレ大会のゲーニッツ×ヨハン。
ゲニがいじめっ子でフラグ折り職人、
ヨハンがいじめられっ子で泣き虫。
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震える身体、怯える眼。
赤い髪の男が涙を浮かべて、その瞳に映すのは唯己のみ。
ゲーニッツの口元が満足げに歪む。
「おやおや、随分嫌われたものですね」
笑いを含んだ声に、男……ヨハンの肩が震え上がる。
ずり、と足が後ろへと下がり、逃げようとするが、構わず距離を縮める。
すくんで鈍った動きは、目的を持って進む速さに即座に追い詰められた。
「…………っ」
狭まった距離と、至近距離で感じる威圧感に、ヨハンの顔が泣き出しそうに歪む。
力自体は拮抗しているだろう相手に対し、完全に逃げ腰になってるその様子に、ゲーニッツは低く哂う。
もっともっと怯えればいい。
その瞳に、自分だけ映せばいい。
全身全霊で、自分を畏れればいい。
深く、深く。自分の存在を、魂に刻み付けるといい。
笑みそのままに風を操る手で、ヨハンの頬に触れる。
指先に涙が触れた。―――悪くない。
唯の水であるはずなのに、その感触はゲーニッツの琴線に触れた。
親指で水を嬲り、頬に擦り付ける。
それは、傍から見る第三者がいれば、零れる涙を拭ってやる仕草に見えただろうが、
この場には色んな意味でお互いしか見えていないゲーニッツとヨハンしかいない。
されるがままになっていたヨハンは、ゲーニッツの瞳に映る自分の姿に、
肌が泡出つほどの違和感を覚え、咄嗟に手を払った。
バシッ!
お互いの手が触れ、払われた音は、ヨハン自身が驚くほど大きく響いた。
「わた、私にっ触れるな………っ」
思いがけず強く払ってしまったことに軽い罪悪感を覚えたが、
今まで自分が受けてきたアレコレを思い出し勇気を奮い立たせゲーニッツを睨みつける。
睨みつけられたゲーニッツは、ヨハンの行動に些か驚いていた。
別段、この程度の軽い抵抗を受けただけで興ざめするほど、ヨハンに対する執着は生易しくはないが
たかだが手を払ったぐらいで一瞬、ヨハンの瞳に浮かんだ申し訳なさそうな色が意外だったのだ。
自分も周囲も忘れがちではあるが、この男とて悪事を働き、破壊活動に勤しむ立場にいたはずだ。
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