オールイン
2010/10/02 Sat
m25
受諾も否認も出来ずに立ち尽くし、声も出せない。
グラグラと思考が混濁に染まり、自力で立っているのかすら認識できず、懸命に冷静さの帰還を請うた。
オズワルドは心中で荒れ狂う感情を押さえつけるように静かに瞼を下ろし、小さく息を吸った。
今まで散々ジェネラルの意志を無視し続けてきたツケを払う時が来たのだ。
崩壊も終焉も覚悟をしていたが、如何に覚悟をしていたとしても欠片の痛苦も感じないはずはない。
オズワルドは、心の底から言いたくない是を返すために閉ざされた視界の中で力の入らない唇を開いた。
そして、次の瞬間、それを待っていたかのようにジェネラルの唇がオズワルドのそれと重なった。
余りの驚愕にオズワルドが目を見開くと、至近距離でジェネラルが瞼も下ろさず唇を重ねていた。
触れ合うだけのそれは短い間で離れたが、オズワルドの胸に驚愕と狼狽と疑問を多大に及ぼすことに成功した。
オズワルドにしては珍しいことに、驚愕を表情に表したまま離れていくジェネラルを見つめている。
「―――……好きと……私を見て、言って欲しい」
その視線を受け、ジェネラルは僅かに形の良い柳眉を顰め、青い瞳を苦しげに細めた。
「……それが出来ないなら……もう、触れないでくれ…」
紡がれる言葉はオズワルドの鼓膜を、心を、静かに、大きく揺らした。
耐え切れず、オズワルドは両腕をジェネラルへと回し、その身を強く掻き抱いた。
「―――ッ!?」
驚く気配が腕から伝わってきたが、衝動が強すぎて抑制が出来ない。
あらん限りの力でジェネラルを抱きしめ、整えられた金髪を乱すように指を差し入れ、
触れ合ったばかりの唇を何度も貪る。
角度を変えてキスを繰り返し、緩んだ口腔に舌を差し入れ、
逃げようとする腰を捕らえ、ひたすらに口付けに没頭する。
その猛攻に、ジェネラルは渾身の力を振り絞って痩躯を押しやった。
「オズワルド!私の話を…ッ」
「好きです」
聞いていたのか!と、いう怒声は、真摯な告白に奪われる。
吐息が濡れた唇をくすぐり、鼻先が付きそうな距離での囁きに心音が跳ね上がる。
カッと頬に朱を走らせたジェネラルに、切なげに目を細めてオズワルドはなおも続けた。
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