Red it be
2010/09/23 Thu
m25
探しても探しても、たった一粒が見つからない。
たった一粒で良い、と、珍しくも殊勝なことを考えているのだから、
そろそろ見つかっても良い頃だろう。と、誰にともなく心中で呟いた。
「おい、私。そんな所で寝てると風邪を引くぞ?」
からかうような声音にカリスマは緩く目を上けた。
視界の中で、全く同じ顔、同じ声、同じ姿の男が穏やかに笑んでいる。
カリスマは鼻で笑った後に、口を開いた。
「地味なお前と一緒にするな」
「じ、地味じゃない!!心配してやったのにコレだよ!!」
カリスマの言葉に、瞬く間に双紅が潤んだ。涙を零すまいと、長い睫がふるふると震えている。
カリスマは透明感のある瞳を眺めながら、小さく呼気を吐いた。
早く至宝の一粒を見つけなければ間に合わない。
早く、あの涙に潤む瞳よりも美しく、心惹かれる宝石を手に入れなければ、心を全て奪われてしまう。
あちらの心を全て奪う前に、こちらの心を全て奪われるなど沽券に関わる。
「地味と言われたくらいで泣くな。お前は私だろう」
「うっうっ…な、泣いてない…!」
テーブルに未だ広がったままの紅玉は、頬を伝うあの涙以上に煌めいただろうか。
そう悩んでしまった時点で答えは出ているようなものだが、
カリスマは矜持を振り絞って気付かないフリをした。
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角砂糖一つじゃ足りません >>
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