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Open The Game

2010/09/07 Tue
m25



のらりくらりとジェネラルの皮肉を交わすオズワルドのほうが一枚上手だ。
年の功なのか、前線一辺倒だった軍人と夜の駆け引きを生業にしていた暗殺者の違いなのかは分からない。
案外、性格の差だと言われても納得できる。

「君には勝てる気がせんな」
「それでも酒席を共にしてくださり、痛み入ります」

完全にオズワルドのペースだ。
本当のところ、自分の気持ちなどとっくに気付いていて、その上で遊んでいるのではないだろうか。
彼のそういった稚気を知らないわけではない。そうだとしたら酷い茶番だ。
思わず胡乱な視線を投げかければ、オズワルドはまるで悪びれることなく足を組み替え低い笑気を漏らした。

「もう、お互い、簡単に素直になれる年ではないのでしょうね」

知ったような口を利く、とジェネラルは溜息を漏らしながら、自分の席に落としてきた軍帽をひょいと摘み上げ、
乱れ気味の金髪を掌で撫で付けながら軍帽に隠す。
オズワルドが少し残念そうにした気配を感じたが、あえて背を向け、気付かないフリをする。
その態度に今度は密やかな笑い声が聞こえてきた。
仕方あるまい、貴方を意識せずにはいられんのだ。と、彼曰く素直になれない左胸で相槌を打つ。
そんな心境を知ってか知らずか、オズワルドはゆっくりとジェネラルに向かい掌を差し伸べる。
さながら、円舞曲にでも誘う紳士の如く。ジェネラルは振り返ることもなかったが背中に気配を感じていた。

「はやく、ここへ来たまえ。――…ジェネラル」

全く、と息を吐き出し、誘うような声に心音が加速する。
被りなおしたばかりの軍帽の庇を引き寄せ、
見られていないと分かっていながらも熱い目元を隠さずには居られない。

(本当に最近の紳士はやんちゃな上に駆け引き上手で困る…)

果たして何時まで見ないフリが出来るのか、
果たして何時までその声に抗えるのか、

全てはやんちゃな紳士の掌の上。

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[Serene Bach 2.23R]