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Open The Game

2010/09/07 Tue
m25


自らを律するように深くまで舌を差し込まず、唇ごと舐めるように吸い、酒精が染みた唇をあやす。

―――しかし、やんちゃな紳士がそんな生温いキスで許してくれるはずもなかった。
人が緊張に身を強張らせていると言うのに、オズワルドは腰を抱き寄せ、自ら唇を啄ばんでくる。
ぬるりとした舌が舌裏を辿って滑りを塗りつけ、歯列まで丁寧に濡らした。
口腔に溜まった粘液をわざとらしく掻き混ぜて、鼓膜を内側から刺激する。
オズワルドの齎す口付けは、いつも昏く甘い。それでいて酷く情熱的なのだ。
ハッ、と吐き出した短い息もオズワルドに飲み込まれて、熱に口腔を蹂躙される。
いや、口内だけではなく、身体の奥底、左胸までも性質の悪い毒が回っていく。
口付けの経験がないわけではないが、目の前の紳士に勝てる気はしない。
こんなにも甘く、淫靡な毒を垂らす接吻は、彼以外に知らない。

「……オ、」

自分自身でも相当聞き苦しい掠れ声を吐き出す。
そろそろ音を上げるつもりで出した声だったが、オズワルドにとってはアクセルだったらしい。
一瞬、強い引力を感じて、思わず懇親の力を込めて引き剥がした。
腕力だけで言うなら酔っていようとジェネラルに分がある。
胸板を上下させながら、間近のオズワルドを見れば、獲物を逃したのに残念そうでもない顔で笑っていた。
あまりににっこりと綺麗な笑顔を作るので、ぐ、と小さく息を詰めた。
彼のコレやらアレやらは全て酒席の戯れ、性質の悪い癖なのだと無理やり結論付ける。

「閣下、」

そう自分を納得させようとしても、オズワルドはしっかりと釘を刺してくる。
まるで視線を逸らすことを許さぬと言わんばかりに、赤いサングラスの向こうから鋭い視線を感じた。
ピリリ、と空気が張り詰めるような眼差しを受けて、顔を逸らしたままで居られるはずもなく、
ジェネラルは諦めたようにオズワルドと視線を交わらせる。

「なんだ、オズ」
「意識していただけましたか」
「君の一挙一動には注意を払うべき、というのは流石に学習したよ」
「では、そろそろ、癖になりそうですか?」
「――…君の酔狂のお陰で足を踏み外しそうだ、とでも言えば良いのかね」
「そうであるなら、今までキスだけで我慢した甲斐があったと言うものですが」

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[Serene Bach 2.23R]