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世紀末基準

2010/09/04 Sat
m25



その言葉には流石にバルバトスも炭酸を噴出した。

「うぉおっ!?汚ねぇなっ!行き成りなんだ、手前ェッ!」
「それはこっちの台詞だ!貴様ら全員、どんな目してやがるっ」
「見りゃわかんだろ、こんな目だよ」
「仮面が邪魔だ」
「おい、こら。何、どさくさに紛れて脱がせようとしてやがんだ」

炭酸を噴出した口元を拭いながらも、ジャギのメットに手を伸ばしてくるバルバトスの手を払う。
隙あらばメットを奪おうとするバルバトスの方が、ジャギは酔狂だと思わざるを得ない。
しかし、そんな抵抗にバルバトスは不満を隠さず舌打ちし、憮然とした態度で声を返す。

「俺は貴様のツラの方が好きだ」
「ばっ、こんなもんで酔っちまうとは腑抜けたかぁ〜!?」
「酔ってるのは貴様の方だろう」
「違ぇ!手前ェの顔は嫌いじゃねぇって話だろ」
「フン、」

バルバトスは酒気帯びの呼気を吐き出してから、酒を一気に煽って空の缶をテーブルに捨てた。
ゆっくりと立ち上がれば、大股でズカズカとジャギの隣まで歩み寄る。
思わず構えるジャギは片手でメットを押さえながら、絶対的な力量差のある相手を睨みつける。

「世紀末基準だがなんだか知らんが、俺は貴様のツラも嫌いじゃねぇ」

構えていたところにさらりと返されて、挙句、ジャギのコンプレックスを一言で吹き飛ばす。
グ、と言葉を詰めると、バルバトスは口角を持ち上げ、ジャギのメットに手を置き、
後頭部をソファに擦り付けさせるように顎を起こさせると凶悪な笑みを口元に浮かべて見せた。
間近に迫力のある顔が迫ってくるとジャギは思わずバルバトスに見とれてしまう。
本当にバルバトスは綺麗な、ジャギ好みの顔をしているのだ。

いや、本当は顔だけではなく―――、

「貴様はどうなんだ?」
「ぁあ?さっき言っただろうが」
「違う、……ツラ以外の話だ」
「……………」

丁度考えていたことを図星指されたようで、ジャギは思わず閉口した。
メットを固定されていても、視線だけが下がってしまう。
しかし、わざわざ言わせようとする悪趣味さも実は決して嫌いではない。

「ジャギ?」
「…………、………んなこたぁ、手前ェが一番良く知ってるだろうよ」

小さく吐き捨てるように告げて、熱い頬を隠すように更に視線を下らせる。

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[Serene Bach 2.23R]