2人ぼっちの誕生日


わーいわーい




 聖遼学園に古くから語り継がれるこんな伝説がある。

	古の盟約を結びし妖精
	聖遼学園に災い導く者現れし時
	天空の泉より悠久の旋律と星辰の神器を用いて
	かの者を封印せん
	永遠の音を司りし精霊
	かの者の結界守りし時
	成人の儀を行ないて
	その力を貯えん

 その妖精の発する美声は森の木々に安らぎを与えるという。
 その妖精の奏でる音色は湖畔の小鳥に囀りを授けるという。
 その妖精の捧げる祈念は人々に幸せをもたらすという。

 しかし、未だかつてこの妖精の姿を見たものは誰もいない。
 年に一度だけこの妖精は聖遼学園に姿を見せ成人の儀式を行なうというが、
この妖精の姿を見た者はその美しい旋律に魂を奪われるという。

 誰もいない聖遼学園・・・
 静まり返った学園内を、うっすらと月明かりが照らしている。
「わーいわーい♪」
 そんな静寂を打ち破るかのごとく、にぎやかな声が辺り一面に響き渡る。
 ここは聖遼学園家庭科室。
 古の伝説より、妖精が舞踏を披露する神聖な場。
 今宵、太古より受け継がれし儀式が行われようとしていた。

「イチゴだイチゴだ♪」
 目の前に自分の体の何倍もある、大きなイチゴが置かれてその妖精は狂喜乱舞していた。
「どうだ嬉しいか?今日はお前のために奮発してやったんだぜ」
「嬉しい嬉しい♪桐生だ〜い好き!!」
 少年の言葉に少女は満面の笑みを浮かべ、イチゴにかぶりついた。
「うぐぅ〜……なんだかすっぱいの〜」
「そうかぁ?そういえば店のオヤジがそんなような事いってたなぁ……」
「う〜っ!!桐生のバカバカバカ!!こんなすっぱいのイヤなの!!
甘いイチゴがいいの!!ミルクかなんかないのぉ?」
「ミルクか?ある事にはあるけど……」
「じゃあそれ頂戴♪」
「ホントにこんなんでいいのか?」
「うん♪」
「わかったよ」
 少年は不敵な笑みを浮かべると、イチゴがのっているお皿に白濁の液体を垂らした。
「なにこれ〜。なんだか苦いの……」
「文句いうな!大体こんな時期にイチゴが手に入る方が奇跡なんだぞ!少しは感謝しろ」
「わ、わかったの……桐生、ありがとう♪」
 少女はにっこり微笑むと、再びイチゴをかぶりつきはじめた。




 え〜……このイラストはPentaさんから頂きました。 でもってみなさん、読んでいてお気づきかもしれませんが…… なんだか文章にまとまりがありません……というか内容が支離滅裂です(^^;  ……というのも、実はこのイラスト貰ったのが4月……(^^;  あー!!今度はちゃんと書くようにしますぅ〜!!(;;) (こればっかやな………………苦笑)  大きい画像みたいか他はこちらから。



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