「楓、痛くなかったか?」
しばらく時間が経ち、楓も落ち着きを取り戻したようなので、俺は尋ねてみる。
「うん、ちょっとだけ痛かったよ」
楓は正直に答える。
「そっか……ゴメンな」
「ううん。気にしなくってもいいよ」
楓は首をふるふると横に振る。
「痛かったけど、とっても気持ちよかったから。それに……」
「それに?」
「アオちゃんの……優しさをいっぱい感じたから……」
楓はポッと頬を赤らめる。
「俺も、楓の優しさをたっぷりと感じたよ」
「ホント?なら嬉しいな」
楓はモジモジしながら俺を見る。
「ねぇ……アオちゃん。またいろんなこと、教えてくれる?」
「いろんなことって?」
「その……エッチなこと、とか……」
「……うーん……それじゃあ、今度は俺の部屋でとか、な?」
「うん!」
楓は嬉しそうに微笑む。
「それじゃあアオちゃん、帰ろっか?」
「そうだな。遅くなるといろいろとまずいだろうし……」
「じゃあ、そーゆーことで」
楓は俺に寄り添い、腕を組んでくる。
「しょうがない奴だなぁ……」
俺はため息をつき、楓を見る。
「だってあたし、アオちゃんの恋人だもん!」
楓はにっこりと微笑む。
初めて逢った時は、まさかこんな関係になるとは思わなかったけど……
これからは、もっともっと楓のことを大切にしてやらないとな。