抜粋

 シャツのボタンをはずし、久志を手招きした柳原は少年の服に手をかけた。ぷつぷつとボタンをはずされシャツを脱がされる。そのままズボンに手がかかり、剥ぎ取られる。その間、少年はまるで抵抗する事がなかった。
 抵抗など、する必要がないのだ。それは久志が望んでいる事だから。柳原の前に無防備な体をさらす事も、その裸体を嬲られる事もすべて嫌だとは思わない。彼の指の動きを、今か今かと待ちわびる。柔らかで優しい指の感触が頬から首、鎖骨へと降りていく間、久志は身じろぎしないようにと必死でたえる。
それが、急に取り上げてしまわないように。
「力を抜きなさい」
 ぐっと力の入っている唇を、体を柳原の指が辿る。そうして力の抜けた体はまた快楽を良く伝えた。撫でられるかすかな感触だけで体は熱くなり、震える。そうして体を震わす久志を、柳原は楽し気に見ている。
「ベッドにあがって、足を開いて」
 自らの欲望に素直に従う少年に対し、柳原も手加減はしない。まずまだ力を持たない少年の中心に皮のベルトを巻き付けた。さらされる体を存分に嬲り、言葉で攻め立てる。反応を示す度にそれらすべてを並べ上げ、その言葉にすら酔う久志の表情を楽しみ、上気する体を撫でてはまた言葉を並べる。柳原の言葉通りに開かれた足の間で力を持ちはじめる物をあざ笑うように指摘すれば、久志はまた体を震わせ、目に涙をためてその動きを受け入れる。柳原の言葉がもたらす快楽を、素直に受け入れていた。