フニクリふにクラ
     
       



        〜〜 赤ぁ〜い火を吹くあの山へ、昇ろう!昇ろう!〜♪ 〜


言いたかねぇがオレは、こう、一途で素敵な恋を求めて26年、すっかり年季の入った童貞だ。 だから、愛しの相棒、右手のテクには、チョッと一言の自信がある。 して、オカズには厳選された旬の素材を生かした、グルメな一品を常に用意。 男はコウ、ありたいね!


ボナセェ〜ラッ!!

馬鹿の一つ覚えみたく、オレは一日中、コレを叫ぶ。 歯茎も乾く笑みを浮かべ、時に張り付く唇から一筋の血を流し、これからしけこむカップルに、もたれてゲロ吐きそうなニンニクだらけのイタリアンを勧め、振る舞い、喰わせる。 

「ピエットロの素敵なお店」ソレがオレの職場だ。 若いオーナーは30前半で、新進気鋭、つまり成り上がりモノ。 コックは、も一人居て、得体の知れねぇ強面のヤツ。 

ホールには、野郎が二人ギャル二人。 

オレと、オレ以上に地味な、背の高いMr.オクレに酷似する男。 ヤツと話したことは殆どねぇよ。 時々黒い手帳になんか書き付けている。 ロシアのスパイ? ま、いいや。 

女の子二人のレヴェルはまぁまぁ、小柄で元気がいいミニモニ娘と、チョッとアダルトな雰囲気のネェサン。 店主の趣味なんだろうな、黒のワンピに白のエプロン、レースのヘアバンド、アンだなぁ〜こりゃ、エロゲ〜のメイド服、そんなの着てウロウロ働く。 この二人が目下、オレの自家発電を支える、協力助っ人コンビであった。


『あま鯛のカルパッチョ入りま〜す!!』

9月、調理場に顔を出したミニモニマコちゃんが、『ワイン、違うの持って来て』をやった、クソ生意気財布男にパシラされる不憫なオレに、素敵エンカウントをする。 腹に激突ポヨ〜ンと魅惑のふっくら、―― ゴメンなさぁ〜い! ―― ううん、いいの。 ふわあんとプチフロ〜ラル、至近距離見上げるクリクリお眼目はこう、『ねぇ、ちゅうしてぇ』な感じで、こ、こんなとこで、甘えんぼさんめぇ〜ッ!!と、デコピンする幸せなオレ妄想は膨らむ。

マコちゃん有り難う。 

その日オレは、キャミソール(ベビーピンク&すけすけ&紐パンちらり)のマコちゃんが、膝に跨り 『ちゅうして!抱っこして!エッチしてぇ〜ん!』 と、迫りまくるヴァーチャルなメイクラブに、ゴッドハンド大活躍。 

ソレは、翌週プラス猫耳マコちゃんに、また翌週には裸&ルーズソックスマコちゃんになり、そんつど新鮮な感動とビンコ勃つスバラシキ春をオレにくれた。 しかしながら、素材の鮮度は良い物ほど落ち易く、職人的オナニストを自認するオレとしては3週目にしてコウベを垂れる、我儘マイ・サンに梃子摺り手を焼く。 


満たされない性生活は、てきめんオレを荒ませた。 ランチタイムなのに単品注文する気の利かない我儘客にガンをつけ、夜なのにコースを頼まない知ったか客に咳払いするグレっぷり。 そしてその日は、二回もフォークを落とす不注意客に無視を決め込もうとするオレの先手を打ち、三回目の落下フォークを姉さんが拾う。 おぉっ!ジャストルッキン!!

ヒョイとしゃがみフォークを拾うネェサンの、マゾなら踏まれてみたいメリハリ美脚が後ろ向きスルリとルックミィ。 グイッと引っ張られたメイド服の裾からチラリ、なぁ、聞けよテメェら、真のパンチラマニアは生じゃ抜けねぇんだよ、パンチラの最高峰、ソレは、ベージュのパンストごしチラリパンツ! パンツは意外性の白!!これ、最強。 


『ぼんやりしてちゃダメよう。 ふふ。』

う、うん、ボク、キミに見惚れちゃったの。 

10月再び訪れる春。 ハイヒール、網タイツ、ボンテのネェサンは『きかん坊はココかしらぁ〜ん』と、とんがった爪先で、背伸びするキカン坊をぐりぐりスリスリ泣かしてくれた。 連日連夜のハードなプレイ(ヴァーチャル)に、身も心も虜になっちゃったオレ。 

積極的なネェサンは、そのつどミニスカポリスだったり、格闘系チャイナギャルだったりして、激しくオレを翻弄し、時にハードなメイクラヴ(セルフ)は、息子を一皮剥かす擦過傷をも伴った。 憔悴するオレは、『感染症は、早めに治療するんですよ・・・』と、オクレに要らぬ忠告をされ『シンキくせぇツラで客ん前、出るな!』と、強面に喝入れられ、大人しい店長はただ、オロオロする。 案ずるな、もうそろそろネタ切れだ。 

最強かと思う姉さんネタだが、5週目、魅惑のエレガ臍下30cmの超ミニで、パンツが丸見えプレイを最後のミヤゲに、再び哀しい項垂れチンコをオレは味わう。 辛い、切ない、ナマジ極めたオレだから、つくりモンのAVネタは、どうもコウ、ツボじゃない。 欲しい、ギブ!新鮮で、刺激的な、生オカズが欲しい・・・。


     〜〜 くら〜い夜空に赤々と、見えるよ〜見えるよ〜  〜♪〜


渇望するオレの秋は実り半ばで通り過ぎ、いよいよ身も心も寒い冬到来。 くちびる寒し、師走の木枯し。 眼福に出逢う事も無く、一日終る更衣室、テキパキがりがりボディに毛玉だらけの鼠色のセーターを被る愛想無いオクレに、オレは、切ない胸の内をこぼした。


『お前サァ、彼女とかいる?』
『キミに個人情報を曝す気はありませんよ。』

とりつくシマもねぇ。 オクレはサイズが二つはデカイ人攫い見たいなコートを羽織り、ふと思い出したように黒皮の手帳に何か書き込むと、また、ポケットに仕舞った。 


『あのぉ、お前、いつも何書いてんの?』
『・・・秘密です。』

オクレのビンゾコの向こう、細い狐眼がキラリ光った気がしたが、そのままヤツは更衣室を後にする。 秘密ったって、まぁ、たかが知れる、詩? 俳句? もしやウンコとシッコの数とか時間とか書いてるんじゃねぇよなぁ。 糖尿で入院した爺さんは死ぬまでその癖が抜けなかった・・・。

実り無いオクレとの会話に虚しさを感じ、そういや初めてヤツと語ったなぁとしみじみし、イザ、帰らんとしたオレだが、ねぇよ、腕時計。 回想すれば、ミニモニちゃんがグラスを取り落とし、点数稼ぎとおかず発見のチャンスを求め、いそいそ御手伝いしたオレは、床掃除の際、厨房横カウンターに置いたのだと辿り付く。

再びホールに戻ると、厨房にはまだ店長がいる様子。 新作研究? どうやら強面も居るらしい、何やら話し声、揉めてる?


『・・・・ゆ、許して・・ッ・・ぁあ・・ふ・・・』

て、店長? 内ゲバ!? 強面、クーデターか? そろりそろり歩を勧め、覗き見ミッション遂行するオレ、徐々にカチャカチャいう音も聞こえ、店長らしき苦悶の声も徐々に・・・


『・・・まだ、ヘタバンなよ・・おら、』
『ひぁっ・・あぁアッッ・・んん・・・』

ま、まぐわっとります!! 


優男の店長が調理台に手を付き、強面がグイグイと、こっからはワカランが相当な御宝をグイグイなさっている様子。 ずり下がった店長のベルトがシンクの取っ手に当たり、カチャカチャ音を立てていた。 イインか? ケツがイインか?揺ら揺らする店長のケツ、AVギャルではお馴染みの立ちバック、おねだりフリフリをまさか雇用主が見せてくれるとは、お釈迦様でもわからんよ。 目を細めて仰け反った店長の口元、ツツツと涎が糸を引く。 かぁああっっ、激エロ!!


   〜〜 行こう、行こう、火の山へ〜 行こう、行こう、山の上!  〜♪〜


激しいグラインド、大泣き店長のひっくり返ったアンアンも好調、一際大きく叩きつけ、ガクガク膝震わした強面がググッと店長の尻にしがみ付き、二人仲良く目出度い昇天。 生モ〜ホ〜はラブラブだ。 して、信じらんない事に、俺の息子は数週間ぶりエクスタシィを極める。 

いいぞ! オレ! 守備範囲、超広め!! 


パパママごめん、その夜、オレは人生初めて、野郎で抜いた。 

しかもソレはエラク良かった。 イヤ〜オブベストシチュエ〜ション、そんなん有ったらダントツ一位。 オナニィシチュ、ツバメの巣レヴェルの食材に、オレは今、出逢ってしまった。 充実する萌えの日々、油の抜けた優しいオレは優しくギャルをサポートし、日夜ちょびっと居残りして、その日のネタを時価で仕入れる職人生活。


店長は相当なスキモノで、強面は相当のテダレらしい。 これでもかと繰り出すホモ技はオレのチンコを直撃し、いまや旬のオナペ、マイ店長&馬並強面に、意味も無くムラムラする妙なオレ。 トキメキの職場に、チンコ大喜び、人に優しいオレは和やかな毎日を堪能する。 そして、謎の手帳男、オクレの謎も、イキナリ公開プレイの趣で露見した。


    官能小説のヌ〜ヴェルバ〜グ!!
              四人の男女に翻弄される一青年のヰタセクスアリス!!

御大層な肩書きで衝撃の文壇レビュウを果たした男、それぞ、骸骨オクレであった。 


『キミにも、礼を言わなくてはね・・・』

オクレの傑作は、明らかにオレがモデル、そして四人の男女はギャルズ二人と、ホモコンビ。 舞台は鰻屋、オレはそこで、くんずほぐれつ受けて攻めて、大活躍。 フィクションですと銘打つが、店は混乱、オクレはトンズラ、しかしまぁ、オレは屁でもなく強いていえば、警戒したホモ店長の、課外授業を見学できなくなったんが痛いツボ。
 

『礼は、イイけど、もっとオレ好みの書いてくれ!!』
『OK!! キミは、ボクの創作活動を支えるミュ〜ズだよ・・』


こうしてオレは、官能小説作家 鬼丸クレイジィ氏 の専属スーパーバイザー兼マネージャーとして、新しいエロへの飽くなき追求をして行く事となった。 思い出の職場も一昨日辞めた。 別れは辛いが、始まりはコンな按配だろう。 そして、来春、オレの監修による、「実践オナニストの秘技公開!!」をオクレは出版すると言っている。


見ろ、人生は、上々だ!! 能天気のナポリ民謡、ソレが決るぜ!

オレは誓う、生涯、童貞! 右手が恋人!! 



     フニクリ・フニクラ!   フニクリ・フニクラ!  
                  〜〜  誰も乗る! フニクリ・フニクラ!! 〜〜♪〜〜






December 7, 2002



        * タマコ さま ハピバスデイ!  
           ・・・  項垂れチンコ やっぱり童貞、愛ラブオナニィ。 おかずネタで、御茶を濁す。