暴走トレイン *  愛と勇気と感動を君に 
       
                       
                             
       
       
       
            『ジョイトゥザワァ〜〜〜ルッ!!     ハッピ!ニュゥ〜イャア〜〜〜!!!    イエ〜〜〜イ!』 
        
       
      あぁヤダ、おぉ忌々しい!イヤよッ!もうッ、どうしてくれんのようッ、この、使えない馬鹿を! 
       
       
       『ねぇねぇ、ほらほら、セクシーサンタ!』  
       
       
      はぁあ? ち、ちょっと、アンタどっからソレ、パチってキタのようッ! えぇッ? ケーキ屋? なに? あそこ? そこで毛皮着て売れ残り叩き売ってる、あの、ゴージャスなケーキ屋?! ぶあッかじゃないのよッッ!? じゃナァニ? セーブルとあんた、それ交換したっての? あぁ〜、ハイハイ、御似合いよ〜、季節柄ねぇ〜、馬鹿には嵌るわねぇ〜、アンタにピッタリよぉ〜、クリスマスの申し子ねェえッ! 
       
       『ドロレス、僕ら、王子と女王みたいだねぇ〜〜。  
                               ソコ行くミナノモノ控えよっっ!!』 
       
      ほらッ、歩くのよッ! なぁに? 痛か無いわよッッ、ちょっと蹴っただけでしょッ!  うふふ、ゴメンなさいねェ酔ッ払いだからぁ、・・・ チッ、なにさジジイ、いけ好かないね、高貴なアタシが詫び入れてんのにさッ! 話し途中で小走りしやがって! なにさっアタシは、キャッチ以下かい?  
       
       
            『・・・なくなちゃったよう、寒いよう・・・』 
       
      ウロウロすんじゃないわよッ! だから、歩けって言ってんのようッ!! え? 毛皮? だからソレは、アンタがケーキ屋に呉れてやったんでしょ? えぇ、えぇ寒いのねぇ、わかるわよ、極寒のクリスマス、マッパに化繊のサンタコスオンリィですもんねぇ。 だからナニよッッ!!踏むわよッ! 
       
       
            『あれぇ、この時計、6時だってさぁ〜〜』 
       
      馬鹿野郎ッ!ソレは止まってるって言うのよッ!! --- おかしいと思ったわ。どーりでさっきから、まだ早いまだ早いって畜生ッ、7時間もサバ読みやがってインドにでも行ってらしたのおッ? 時差ぁ? 畜生ッッ!! 
       
       
            『うっ、うっ、・・・酷いよ、ドロレス・・・』 
       
      いッたぁ〜いッ!アタシも、手の骨ゴキッていったわ。 白魚の手をどうしてくれんのようッ! この手は、なぁ〜かなか、イイ仕事すんだからッ! 商売道具をこのオガクズ馬鹿に畜生ッ! この石頭!−-- あぁ、アンタ、そこの側溝んとこ、ヅラ落ちてるわよ。 どピンクのアフロ。 鼻眼鏡もね、ふん! 忌々しいくらいに、アンタそれ似あうわ。  
       
      あぁ畜生、最低だわぁ、最低ようッ! 金払うパーティーじゃないわようッ!ガッデム!! 何よ、皆で! どいつもこいつも!どいつもこいつもッッ! 
       
       
            『ああ〜〜〜、階段なんて、昇れない〜〜』 
       
      あぁそう、だったら、昇らなきゃイイのよッ! あぁ腹立たしい! あんな腐れパーティに、幾ら注ぎこんだのかしらね! どうよ、このアタシのいでたち!! わかるわッ、みんなで、この美貌をやっかんでるってそう云うことねッ!! だぁ〜ッッ!! 掴まんないでよねッ! 手摺あんでしょ! 
       
       
            『引っ張ってよう、手ぇ繋いでこうよう』 
       
      あぁ、じゅりぃ! この馬鹿が馬鹿じゃなくて貴方だったら、手と言わずオマタと言わず繋ぎっぱなしのアタシだわ! じゅりぃ! 恋しいアタシのハニィ!  
       
      あんまりじゃなくッて? アタシの高貴な愛を差し置き、あの腐れシャブ中ケツマンコなんかとッ! キィイィ〜〜〜ッッ! むかつくのようッ!!  
       
      おら!急ぐわよ、終電なのよ、何でタクシーじゃないかなんて、あんたアタシに言うんじゃないわよッ!! 
       
       
            『でもさぁ、アレ、結構イイみたい、あうっ、顔はやめてよう、』 
       
      顔じゃあなきゃ、アタシの手が痛いのよ! 3万? 3万ですって?  
      帰りの足は任せるッてあれほどアタシは念押したのに、たかが数分の内にこの馬鹿は、馬鹿よッ! あんな更年期のババァが保険で貰って来るようなジャリ薬に、3万!? 漱石二枚でシート買い出来るアレに、バカタレがッッ! チンピラ外人に乗せられやがってさッ!  
       
      ーーー  で、何? 飲んだの? 今? え? 店出る時? 馬鹿野郎ッ! んなら歩けない訳よねぇ〜 泥酔してアオッタラそりゃ回ンのよッッ!。 
       
            『・・・電車・・』 
       
      わかってるわようッ、アンタに言われるまでも無いわよッ! おら、走るわよ、置いてくわよ、靴の紐? 知ったこっちゃぁ無いわようッッ!!あぁ、このヒールで走れるアタシも、たいした芸達者だわ、あっぁ、ドア! ドア閉まるわッッ!! 吐くなッ!飲み込めッ! 走れッ!! 
       
       
       
      ・・・ あぁ、間に合ったわ・・・ 間一髪ね。 ふん、早々に座り込んでるわね、おやま、靴、片っぽじゃないの、馬鹿ねぇ落としたの? ふん、イイ気味ね。 そうでしょうとも、屑でもクスリ、酔って、飲んで、走ればそれなり、クルんでしょうよ、ふうん、アレもああして只、座ってるとまぁ、見えなくも無いわね、ナニ? 立ち上がる? 
       
       
             『ド〜ロレ〜ス!! 
                   ハッピ!ニュゥ〜イャア〜〜〜!!!イエ〜〜〜イ!』 
       
       
      何度言ったらわかるのようっ! クリスマスなのよ、クリスマス! あんたさっきまでクリスマスパーティー行ってたんでしょうよ、で、アンタ今サンタでしょうよ、馬鹿は便利ねぇ、もう、寒さ忘れてるわ。 
       
       
      あぁ、クリスマスなのに、じゅりぃ、アンタは此処に居ないのね、こんな夜にはアンタとしっぽりしたかったわ、あぁ、じゅりぃ、アンタのアレなら、アタシ、小一時間だってシャブってあげられる、メロウだわ、美しいアタシがしけた最終で ・・・・・・・ あぁ、メロウよ。   
       
       
             ピロロロロロロロロロロ〜〜〜〜〜〜 
       
            『びっくりしたぁ?!・・ って、いてぇよう、すぐブツの止してよう、』 
       
      なにコレ、笛? 伸びるの? どっから持って来てたのよ? ポケットにあった・・・ってソレ、ケーキ屋のじゃないの?    
       
       
            ピロロロロロロロロロロ〜〜〜〜〜〜  
       
      よ、止しなさいよみっともないッ!! 
       
            『関節キスかも〜〜〜結構可愛い子だったよ〜ガッシリしてて童顔でぇ』 
       
       
      あぁそりゃよかったわねぇ、股間もスマッシュヒットだったのねぇ、ふん、持ち帰りゃあ良かったじゃないの、得意でしょぉ?ノンケ喰うの。 けどアレね、ガッシリで童顔・・・ふふふ、悪かないわね。 あぁん、じゅりぃ、貴方もそうだったわッ、あぁ、想い出しちゃうぅ〜〜ん!! それもこれもコノ馬鹿がしゃしゃり出てウロウロしてるからッ!肝心な時にッ!この馬鹿のせいでちょっと眼ぇ離したからッッ! 
       
      くそう、あの腐れマンコ!! 
       
       
            『ドロレス、なんか怖いよう』 
       
      煩いわねッ!、アタシは今夜のつまみも無くココでアンタと、イカレカップルだの、死に掛けリーマンだの見てんのに猛烈ムカついてんのよツ!笛なんてイイからつまみくらい調達してきたらどうよ、焼く立たずがッッ!! ほら、電車止まるわよ、コケルわよ、止しなさいよ、吊り輪懸垂? 殴るわよッッ!! 
       
       
            『ドロレス!! つまみだよっ!!』 
       
      はあぁ? アラま、大学生かしら? 可愛いいわねぇ、おつまみに最適ねぇ、あらラッキィ、真ん前座ったわ、ホント可愛いじゃないの、食べちゃいたいわ! あらあらオネムかしらぁ、うふふ! オトナぶって飲んだのね、いいのよ、おやすみなさい、そしたらアタシが王子にキスをプレゼントしちゃうわ。  
       
       
            ピロロロロロロロロロロ〜〜〜〜〜〜 
       
            『ジョイトゥザワァ〜〜〜ルッ!! 
                   ハッピ!ニュゥ〜イャア〜〜〜!!!イエ〜〜〜イ!』 
       
      ば、馬鹿じゃないのッ!! ちょと、ドコ乗ってんのよッ! 馬鹿よアンタ、降りなさいよッ!! 
       
       
            『愛の寝台トレイン、ロマンチックだよねぇ〜〜』 
       
      偉いわね、凄いわね、アンタのロマンは網棚でも十分語れるって訳ねぇ? でも、アタシは結構よッ!! ずっとソコに居るがイイわッ!! アンタこそ、ずっと寝たきりでイイのよッッ!! ・・・・・え? うそ!? 
       
       
            『痛いイイタイイ痛いよおう〜〜』 
       
      キィイィ〜〜ッッ!! アンタが余計な事するからアタシのプリンスが車両代わっちゃったじゃぁないのようッ!!どうしてくれんのようッ!! 人のささやかなオアシス毟り取りやがって!!  
       
       
      『ねぇねぇ、なんか、人、居なくなっちゃったねぇ』 
       
      誰のせいかしらねぇ。   ふん、貸切ってやつなの? アタシと、この馬鹿の? 有り難くて泣けるわよッ!! ---- なに? 今度は何よ? 馬鹿やッたら今度こそコロスわよ。 
       
       
            『僕は、ドロレスとクリスマス、幸せだなぁ〜〜、ハッピィ〜〜』 
       
       
      ・・・・・・ そう、幸せなの、ふうん、酔狂ねぇ。 で、なに? あらま!キスしようって云うの? アンタが?アタシに? 
       
       
            『メリィクリスマス・・・・・・大好き、ドロレス』 
       
       
      ・・・ま、キスはまぁまぁね。 可愛いと言えなくも無いわね。厳密には範囲外だけども、なンてかアタシはマッチョで純なのが好きだし、この馬鹿はまァ良く言ってペット系ね。 使いモンになるか色々疑問だけど、試すのは、そうねぇ、吝かでもないわね。  
       
       
            ほら御覧、坊や、キスはこうすんのよ。 
       
       
            『ううぅ〜〜〜ん、凄いや、ドロレス』 
       
       
      ケッ! 他愛も無い事!! うっとりした顔しちゃってさ!  
       
       
      あぁ、窓の外、チンケなビルでも灯りが流れりゃクリスマスらしくムードもあるわねぇ。 さぁさ、そうと決まれば今夜はとっても忙しいわ。 この馬鹿、きっちり仕込まなきゃッ!  
       
      アタシ好みに仕立ててあげる。  
      何と言ってもクリスマスだもの、夜は長いの。 
      愛し合うにはうぅ〜〜〜んとねッ!  
       
       
       
            さぁ、覚悟なさい、お馬鹿な坊や。 
       
       
             ドレスを脱いだら、オレは凄いよ。 
       
       
       
       
       
       
      August 3, 2002 
       
           
           
       
            * 土居春 様 リク 「なんとクリスマス。車内には底知れぬ大バカ男×2+若干の色気」 
                    馬鹿と云うより、最早、魔境。 。 
             
        
                    
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